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嵐過ぎ去るも、爪痕は [危機管理]

昨日の台風19号は、栃木県宇都宮市の自宅付近はさしたる被害もなく、22時ごろがら2時間ほど猛烈に荒れて、そのあとは静かになってしまいました。
ただ、TVを見ていると各地で河川の決壊が報道され、宇都宮市も3河川で「避難水位」を越えて溢れ出してしまい、宇都宮駅前の田川は、正確な記録ではありませんが、大東亜戦争以前より駅前に住んでいた母によると、「カスリーン台風」の時に田川の「宮の橋」に流れてきた家屋が橋にかかり、そのせいで濁流があふれて冠水した時、1947年9月以来と言いますから、なんと72年ぶりに中心部が冠水したことになります。

その後台風が通過した東北地方やその前の長野、三重、言うまでもなく関東地方で広く被害が及んだ今回の台風は、未曽有の被害となりましたが、おそらく世間的には「大げさ」と映った政府の対応が無ければ、人的被害は更に拡大したと自分は思います。
無論その対応が「万全」であったわけではありませんし、課題も多く散見されましたが、今後の方向性は見えてきたのではないかと思います。

さて、本日はまず「後かたつけ」をしなければいけません。
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6:00頃からゴソゴソと初めて1時間ほどで完了!疾風のように準備して、疾風のように撤収と、まるで月光仮面ですな(笑)

朝食をとって本日は那須烏山市にある親戚から預かっている屋敷の確認をしなければいけないので、通勤用のエクスカリバー8で出撃です。
しかし、台風一過という言葉通りの快晴の空です。
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鬼怒川を渡りますが、そういえば上流のほうのダムの緊急放流がありましたが・・・・
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川幅いっぱいに濁流が流れますが、これは数年前の関東東北豪雨以来の溢れぶりで・・・と、単純に雨量で言えば栃木県各地は、軒並み「観測史上最高」を記録しています。
前回の豪雨は、秋雨前線の「線状降水帯」で局地的に振り続けましたが、今回は広い面で大量に降っていますから、水量の総数はかなりの事になっているはずです。

勤務している事業所を越えて東に進むと、昨夜やはり「氾濫水位」を越えた「五行川」を越えます。
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もう少しで溢れる感じでしたね。

家屋のある「那須烏山」で、目の前に流れている「荒川」も凄いことになっています。
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ここは1998年8月にあった「那須水害」の時に、あちこちの堤防が決壊しましたが、今回も数か所決壊したという事です。

家屋は少し高いところに登った所にありますが、目の前に「JR烏山線」が通っています。
しかし、この時点ではまだ不通のはずなのに、周囲に踏み切りの警報器の音が鳴り響いています。
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丁度駆けつけたJRの職員の方によると、この地域で停電あり、復帰した時にバックアップシステムの関係で作動しっぱなしになるということで、リセットの作業をしていました。

家屋の無事を確認して帰路につきます。
河川の堤防沿いに走りますが、恐ろしいほど濁流が流れています。
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この後南下して市貝にある道の駅「サシバの里」に向かいます。
山間部の里山沿いの道を走りますが、山のあちこちから水があふれ出していて、途中の道路もこんなことになっています。
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山林や稲刈りが終わった田んぼには、かなりの水がまだ溜まっていますから、これらが時間差をもって
下流に集まると、河口付近は大変なことになります。

と、本当にこの地域の川は「那珂川水系」で那珂川に集まりますが、やはり下流の那珂湊町や水戸市で那珂川の堤防が決壊して大変なことになっているようです。
やはり前回の那須水害の時以来の洪水だと記憶しています。

サシバの里では「麺蔵」さんで何時ものラーメンをいただきます。
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うーん昨日から動かないで食べてばかりですから、僕のウェイトも緊急事態です(笑)。

お腹も膨れて帰路につきますが、鬼怒川は水量が減った様子もなく濁流が荒れ狂っていました。
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なんかこんな時に、のんきに自転車乗ってランチ食べてる場合ではないのですが、こうやって現場行っていろいろと見て、聞いて歩くのも自分にとっては貴重な活動になります。
とにかく今回の台風は色々と自分的には得るものがありました。
熱帯低気圧の発生から、通過までしっかりと各種情報や、啓蒙活動などができましたので、今後の活動に生かしていきたいと思います。

タグ:台風19号
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ブラザー弟

soraneko さんへ
知り合いが宇都宮に住んでいますので駅近くが浸水したと聞きました。
友人宅は問題なかったようです。
画像を拝見しましたが、現状の川の状態では近づかないほうが良いですね。
川の上流で自然ダムが形成されていることがあり、ある日突然決壊し濁流が襲ってきますので。
本当に安全な高台から確認するだけのほうが良いです。
今回の台風は、もっと被害を小さくできなかったのかなぁ?と考えてしまいます。
自然災害に対しては、自分の命は自分で守らないといけないと思います。
自分の住んでいる周辺の地理的要因も考慮して、各自で対応を日ごろから考えるべき時になりました。
昔と比べて判断する情報はたくさんありますから、自分で精査して準備するべきかなと。
行政に頼っても後手後手になりますから。
堤防等も高さが足りなくても、決壊しなければまだやりようはありますが、壊れてしまっては…。
今はいろいろな工法がありますから、コストよりも早期に対応できる方法で堤防等の補強するべきでしょう。
壊れなければ土嚢などでかさ上げは可能ですから。
自分の住む場所を決めるときは、土砂災害が起こらず避難が容易場所を選んで決めました。
ところでラーメンですが自分好みでおいしそうですね。
by ブラザー弟 (2019-10-13 20:30) 

soraneko

ブラザー弟さんへ

確かに見ていて引き込まれるような濁流で、基本高い橋の上からの観測でしたが、堤防沿いの時は怖くなって慌てて高台に退避しました。

堤防の決壊はおそらく防ぎようが無かったとも思います。
ここまで降雨が多いと、たとえ森林が健全であったとしても吸収しきれなかったと思います。
治水事業の多くが江戸時代から明治時代に始まり、それ以後低湿地や河川沿いが主に農地として利用できるようになりましたが、そもそも農地、特に水田は「浸水前提」で「緩衝地域」とされており、そこに多くの人間が住む想定が無かったと聞いています。
母方の祖母の実家は、鬼怒川沿いにあって納屋の梁に和船が乗っていて逃げられるようになっていたそうです。

本来「決壊して浸水する」が前提で居住して、早めに避難するが基本なのだと思います。
これは「津波」に対する考え方と同じです。
ただメンテナンスを頻繁に行い、危険地帯の補強などは「出来たはず」で、この辺りも人手や予算の不足が響いているのではないでしょうか。
整備と言っても草を刈る程度で、例えばモグラの穴とかを確認して補強する・・・は出来ていないと思ます。
因みに鬼怒川は前回の決壊の教訓もアリ、河川敷内のに生えている樹木を広範囲に伐採して備えていたようです。

仰るように、被害、特に人的被害はほとんどのケースで「避けられたはず」の悲劇だったように思います。
報道での住民のインタビューも「まさかここまで」という正常バイアスが強固に働いていたのは明白で、事前に「ハザードマップ」で確認して、降雨や情報や河川の水位状況を見ていれば、少なくとも「安心して寝ていたらいつの間にか逃げられなくなった」などというコメントは出てこないと思います。
by soraneko (2019-10-14 05:46) 

チースケ

いつもながら、情報発信には頭が下がります。
今回は我が家も・・・とハラハラしましたが、結果的には無事でした。
先ほど近くの江戸川の龍Q館北川付近を見てみましたが、この場所ではまだ多少なりとも余裕はあったものの、渡良瀬遊水地や上流のダム、下流の調整池などが機能してくれたからこそこんなこと言えるんですよね。
いつも川沿いのサイクリングロードで遊ばせてもらっていますが、そのことだけはきっちり頭に入れて遊びたいと、改めて思いました。
by チースケ (2019-10-14 14:29) 

ブラザー弟

ニュースを見ていて災害に合われた方のコメントで「台風でこんなになるとは思わなかった」と言っていました。
今回の台風はカテゴリー”6”クラスといわれていました。
台風のカテゴリーは5までしかないのですが、それを超えている台風であると情報が発信されていました。
命の危険がある!助かれば儲けもの!ぐらいの台風だったのですが、皆さんの頭の中はどうなっているんだろう。
そりゃ、自分を含め家族の命は守れんわ。
soraneko さんへの判断は大げさではなく、もっと準備をしてもよかったレベルだと思います。
台風の進路上は更地になるのでは?と思っていましたが当たらずとも遠からず。
地元は台風がかなり離れていたにもかかわらず防波堤が損壊しました。
soraneko さんのように危険性をアピールし周知させることは大切です。
今後に生かせるとよいですね。
別件ですが、車はジェイドですか?
格好良いですね。
by ブラザー弟 (2019-10-14 20:44) 

soraneko

チースケさんへ

今回「国家100の計」の治水の重要性を改めて認識しました。
関東地方は、首都東京のや首都圏の洪水防止で、長い時間をかけて河川改修や、それこそ川を作ってしまったりと、想像もつかない規模の治水を重ねた結果今があるんですよね。
いつも使うサイクリングロードを走りながら、そんなことも考えたり、勉強したりしていました。
「龍Q館」も何度か訪れましたが、最大限の効果があったのだと思います。
by soraneko (2019-10-15 06:12) 

soraneko

ブラザー弟さんへ

難しい話ですよね。

「安心に居住できます、経済活動ができます」が大前提で不動産の価値があり、そこに課税があるわけで、それが「いつダメになるかは分かりません」では困るわけですよね。
ですから災害の発信は「パニックを起こさない」が不文律になっていたわけで、本来であれば「まさかそんなことがあるとは思ってもみなかった」は当然の話なのかもしれません。
所謂「近代」に至って、世界的に気候や地震、火山などが「平穏期」にあって、その間に今の暮らしや都市ができてしまったので、「激動期」に入った現在、その「摩擦」が起きるのは必然で、大きな意識改革が我々には必要なんだと思います。

津波の時は、「解っている人」が大声を上げて逃げ出すことが重要とされていますが、知ってしまった限りそれが自分の義務と心に決めて活動を続けていきたいです。

昨年ストリームからジェイドに買い換えましたが、今回人生初めて「見栄え」に拘って車選びをしました。
おそらく人生最後の、現役時代最後の車になると思っていましたので、これが最後の「わがまま」です。
by soraneko (2019-10-15 06:23) 

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