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このクロスバイクで、佐渡ロングライドは完走できるのか? [自転車環境]

自分が自転車趣味に、いや自転車の生活にのめり込んでいった、一つの切っ掛けに成ったのが、有名な佐渡ロングライド210㎞のイベントです。


クロスバイクで走る楽しさを思い出して、30㎞、50㎞、80㎞、と順調に伸ばしていき、いろいろな自転車の情報に触れる機会も増えてから「なんでも、佐渡ヶ島を一周する210㎞のロングライドイベントがあるみたいだよ」という話を聞きました。


最初はただ「驚愕」するだけで、とても自分がそんな距離を走れるとは夢にも思っていませんでしたが、次第にいつかは走って完走してみたいと考えるようになり、自分の自転車趣味がどんどん深まっていきました。


さて、自分の自転車遍歴を改めて思い返しますが、スポーツサイクルとして意識して、初めて購入したバイクがクロスバイクで、2004年当時55000円で通販で購入したスペシャライズドクロスライダーです。

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これはMTBから発展したバイクで、フロントサスペンションが付いていて、フレームも頑丈ですが故に重く、タイヤも700Cの幅が35Cと、今となってはクロスバイクとしてはかなり太めで、平坦路を走るのには快適でしたが、自分の体重もまだ「どすこい」でしたので、山岳路は当時「死ぬ思い」をしました。
2007年ごろ、職場の仲間とツーリングや、エンデューロレースを始めることになり、軽快さを求めて購入したのが、近くの自転車ショップなるものに、おそるおそる顔を出して(笑)其処で80000円で購入した、スペシャライズドシラススポーツです。
因みに派手なジャージを着た速そうな常連のローディが屯っているイメージが強い自転車ショップは、初心者には非常に敷居が高いもので、自分もそうでしたが、初めは通販から開始して、雑誌やネットの情報だけで自転車生活を始める、または続けているというサイクリスタは少なくありません。
ある意味サイクリスタ全体のマナー等の意識の向上や、適切な走行法、トレーニングの仕方など、「健全なスポーツサイクリングの文化醸成」には、まずサイクリスタ同士の繋がりが必要と考えている自分にとって、サイクルショップの担う役目が大きい事を考えると、敷居が高いことは好ましい話ではありませんよね。
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これは随分魔改造が進んだ頃の画像で、ほとんどフラットロード化していて、当時15万円で販売しているアルミのロードバイクとそん色がないスペックに仕立ててありました。
このバイクで平坦路なら160㎞走れる実績を作ってから、意を決して2008年に初めて購入したロードバイクが、FELT Z25です。
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この画像は、ほぼ無改造の時の様態で、初めてエントリーしたロングライドイベント宮城センチュリーライドを完走したときの物です。
このZ25は、当時珍しかったコンフォート系のロードバイクで、初心者が無理なく快適にロングライドを楽しむのに適してはいましたが、これで本格的にレースなどをするには、そもそもフレームのジオメトリーが適してなく、期待したパフォーマンスがなかなか発揮できないと、苦心惨憺あれこれと改造を施した結果がこれです。
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もう、フレーム以外は完全に別物に成っていて、この姿で佐渡ロングライドに挑んで完走することで、自分の目標に一区切りがつきました。
さて、自分は当時はロングライドイベントなど、相応のパフォーマンスで走り切る事しか考えてない時代で、機材としてはロードバイク一択で、まさかクロスバイクとかでイベントを走ろうとは全く考えてはいませんでした
しかし、ここ数年ほどロングライドの相棒として考えてもいなかったクロスバイクで、またロングライド・・・いやこのさいセンチュリーライドなどのイベントを走ってみたいと考えるようになりました。
今回、何故このような話が始まったかというと、最近、ネットの記事で、日本人による日本人のためのスポーツバイクを謳うKhodaaBloom (コーダーブルーム)が、なんと佐渡ロングライド210㎞を走れるクロスバイクを謳って新しいしクロスバイクを発売したことを知ったからです。。


このバイクのスペックは、十分ロングライドをストック状態で走れる物であり、佐渡も十分完走できると思いますし、そうなればかなりインパクトは強く、今まで予算がネックでスポーツサイクルを始められなかった方々の、強い動機付と後押しに成る可能性が高いと思います。


むろんコーダブルームさんの意図はそこにあるはずで、昔からユーザーチームを組んサポートし、積極的に佐渡ロングライドに参加してきただけの事はあると思いました。


確かにこのバイクなら、まったくの初心者でも、ヘルメットやウェア、灯火類やボトル、フロアポンプ、携帯ポンプ、携帯ツール、予備チューブなどを含めても、恐らく9万円台の予算で始められると思います。


因みに、今の時代良いなぁと思うのは、ある程度スポーツバイクが普及してくれたおかげで、ウェア類や装備品も、有名ブランドにこだわらなければ、所謂中華ブランドでも十分使えて、その上かなりリーズナブルであるという事です。


さて、実はこの記事を見るかなり以前から、コーダブルームさんと同様の企画を、自分で実施しようと思って色々準備していましたが、ここ数年色々と心が折れていたので(苦笑)延び延びになっていた為に、随分温めてしまったネタです。


とにかくお金がかかりすぎるという自転車趣味のイメージを変えたいと考えていました。

イメージはともかく、現実を見ると確かに自転車趣味はお金がかかる事は間違いがなく、自分はそれをさんざん実践してきた張本人でもあります(苦笑)


例えば、自分はかつて、思い残すことが無いようにと(苦笑)、一度「ハイエンドバイク」を手に入れました

当時東日本大震災直後で、何かあったらもう最後だという、変な世紀末意識が有った事が、この暴挙を後押ししたようです。


2011年式のTREK madon6.5で、TREKのフルオーダーシステム(プロジェクトワン)で、当時のデュラエースフルコンポと、50㎜のディープリムホイールを入れて、カラーリングもフルオーダーで仕立てた、これ以上言う事のない最上の選択をした結果でした。

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値段はよく覚えていないのですが(苦笑)、ショップの値引き無しなら150万円近い買い物だったと思います。


で、先に書いた通り5万円程度のクロスバイクから自転車趣味を始めた自分ですが、では自転車趣味の楽しみとしては、このバイクを手に入れたからといって、本当に30倍楽しく成ったのでしょうか?

また、これまた当然の話として、その前に乗っていたFELT Z25と比べて、格段に速くなったでしょうか?


楽しみでいえば「物欲」と、ハイエンド機種を手に入れたという虚栄心は十分満たされましたが、それ以上の物ではありませんでしたし、パフォーマンスに関しては自転車の速さは自分次第という永遠不滅の原理に辿り着いただけでした(苦笑)


誤解が無いように説明すると、マドンそのものは素晴らしいバイクで、ハイエンドながらしなやかな乗り心地が有り、操縦性能も素直で本当にロングライドを快適に走りきる事が出来ます。

既に10年前のバイクではありますが、今もってそのパフォーマンスは自分には他に代えがたいモノがあります。


要するに、「コストパフォーマンス」で言えば、現時点でもし中古品やオークション等で同じスペックのバイクを自分で組めば、どう高くでも30万円はかからないで組み上げる事は十分可能であり、あえて最新のハイエンドバイク(性能としての空力性能や制動力等は別として)を、5倍の価格で購入する必要はないという事です。


なんだか身も蓋もない話で恐縮です(苦笑)


要するに、何が言いたいかというと、これから自転車趣味を始めようとしている方で、自分のように分不相応の金額を継ぎこんで、狂ったように機材をそろえているサイクリスタを横目で見て、自分ではあんあ予算はかけられないので、自転車趣味は出来ないと躊躇している方々に、いやもっとリーズナブルに自転車趣味を始められますよという事を、ぜひ知ってほしいんです。


また、これは以前一緒に走っていて、現在は釣り趣味に宗旨替えした後輩が、普通の勤め人が趣味にするのには、最近の自転車は用品も含めてあまりに高価すぎるというイメージを持っていた事ですが、自分もその通りだと思っていて、この状況も何とかならないかとも考えていました。


これは、なんとしてもローコストの自転車趣味生活を証明しなければいけないと考えて、いろいろ検討してみたのですが、出来れば改造費込みで総額10万円以下の予算で、しかもロードバイクに拘らず、クロスバイクでロングライドイベントを走ってみようか?という企画が持ち上がりました。


因みにクロスバイクなのは、今人気が有るという事はもちろん、自転車趣味を始めるのにあたって、クロスバイクは各種要因のバランスが良いからです。

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この一覧表は以前自分が色々な自転車の特性を比較するために作成したもので、クロスバイクはどの要素をとっても比較的評価が良く使いやすいという結果に成りました。
これは意図してこのような評価にしたわけでは無く、自分でもこの結果は驚きました。
まあ、逆に評価すれば、使用用途などが決まれば、特定要素で一番すぐれているわけでは無く、中途半端とも言えますが、初めて自転車趣味に取り組むのは適しているといえると思います。

という事で、ヤフオク等で、基本構成はしっかりしつつ、程度などは良くないことで提示価格が低く成っているクロスバイクを購入して、それなりに整備した状態で何処かのロングライドイベント、出来れば佐渡ロングライドでも走ってみようかと考えました。


以前記事にしたクロスバイクのFELT QX65のレストアなどは、その企画の一環として、情報収集と整備能力の維持の為に購入して部品まで集めたのですが、心が折れている間にコーダブルームさんに先を越されてしまってた形に成ってしまいました(笑)


正直これはやられた!と思う反面、自分の考えはそう見当違いではなかったと、ある意味これが後押しに成って、新たに計画を実行することにしました。


ただ、QⅩ65はあくまで練習用で、実は自分で使う事を想定していなかったため、サイズが小さめで使えなくはありませんが、本当にそれで佐渡まで出場するのであれば、自分に合ったサイズが好ましい事は言うまでも有りません。


さてここまでは前置きで(苦笑)、本題は昨日届きました。某オークションで落札したクロスバイクの2009(2010?)年式TREK FX7.5です。

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某オークションの紹介画像では、かなりくたびれている印象でした。

配送された現物を確認すると、確かに年式相応の傷ややれはあるものの、比較的程度が良い個体でした。


オークションでは自分以外の入札が無く、人気が無かったのはおそらくサイズが最大の原因で、ホリゾンタル換算でトップチューブ580㎜というのは、まさしく自分のサイズであり、身長185㎝~190㎝の人が適正サイズの、大きなバイクだからだと思います。


さて、当時のスペック表を見て、現車と比較してみます。

全体に比較的当時のオリジナルの状態を保っているようで、消耗品のタイヤやハンドルグリップ、サドル、スプロケット、フロントディレイラーが交換されていました。


ステムやハンドルなどボンドレガーの純正品のままで、この当時の大文字のBのマークのボンドレガーのパーツは、まだコストダウンなどが進んでいない頃の、装や表面処理などの品質にコストがかけられていた頃のパーツです。

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コンポーネントなどはSHIMANO LXで、当時としはMTBコンポーネントとしては最上級のXTに次ぐものとされ、軽量で競技にも使われていた高級品です。

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スプロケは外観からだとMTB用ではなく、自分も使っていた9速時代のアルテグラCS6500のようで、ある程度自転車の知識と整備の能力があり、ロード方向の改造をしたオーナーが所有していたことが有ると推察されます。
タイヤはクロスバイクとしては定番のパナレーサーパセラの28Cのタイヤで、これらの組み合わせなら、かなり軽快に走れていた事は想像できます。
ただし、タイヤはトレッドに亀裂が入ってベルトが覗いていています。
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ブレーキシューもかなり減っていますので、しっかり長く乗るにはこの辺を新品に交換して、注油やグリスアップ等を施す必要はあります。
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実際軽く乗ってみると、可動各部にぎこちなさやくたびれ感はりますが、これは整備の範囲で十分リカバー可能であり、コンポーネントの交換などなくとも、100km/日程度のツーリングには十分使えそうです。
面白いのはまたがってハンドルを握った時の感覚というかポジショニングが、自分のMTBのTREKエクスカリバー8と同じようなものだったという事です。
29’erのMTBと古いクロスバイクでは随分違いが大きいはずですが、この辺が同じ感覚というのは、時代や用途は違っていも、同じTREKのバイクだからでしょうか?
このバイクは25000円で落札して、6300円の送料がかかっていましたから、31300円で購入したことになり、この年式と程度としては高い?という意見もあります。
ところが、コロナ禍下の昨今の自転車ブーム再燃の影響なのか、いろいろなクロスバイクの中古相場を調べましたが、例えばクロスバイクの定番中の定番であるGAIANTのエスケープR3等を落札しようとすると、6年落ちの個体でも、20000円あたりで提示されていても、オークションが進むと大変なことに成ります。
あれよあれよと40人近く群がった挙句の果てに、40000円近い値段にセリ上がり、送料込みで50000円程度に成るオークションもありました。
他のクロスバイクも特に人気銘柄は同じようにかなり高額での落札に成っていて、自分の予算設定を大きく超えてしまい、何度も落札を断念しました。
試しに宇都宮市内の中古自転車のショップをのぞいたり、中古自転車の通販サイトを見ても、ショボクレタ個体でも40000円以上の値札が付いていていました
エスケープは、2021年モデルが新品で、リムブレーキ仕様でも52000円、ディスクブレーキでも61000円で購入できることからも、6年落ちモデルが中古でほぼ同じ値段とは驚きました。
中古品の価格がこれだけ高騰する原因として、コロナ禍での自転車ブームの影響で、スポーツバイクは世界的に需要に供給が追い付かず、注文が出来ない、もしくは注文を入れても年内には納品されない事のようです。
なるほど新品が手に入らず、今すぐに乗りたいとなれば中古品でも需要が強くなり、驚きの価格に成るのも納得がいく話です。
してみると、年式相応のヤレはあるものの、そこは「腐っても流石はTREK」というべきか、当時10万円程度で販売されていたこのバイクが、3万円程度するのも仕方がないとも言えますね。
また、クロスバイクとはいえ、同年代のロードバイクのTREK2000や2シリーズに準じた工法や素材(ALPHAアルミニウム)だったり、カーボンフォークを採用しているなど、基礎体力は十分であり「野暮ったくてジジクサく見えるけど、磨けば光る」バイクと言えそうです。
まあ、調子に乗ってまた魔改造してしまうと本来の趣旨から大きく逸脱してしまいますが、自分の場合まず自分の体格に合わせたセッティングは最低条件であり、シマノの9速や10速であれば、潤沢な在庫部品が流用可能ですし、新品であっても、10速用のパーツは既にローエンドクラスですのでそう高くありません
おそらく最新の11速のアルテグラR8000のSTIレバーを購入する金額で揃ってしまうのではないでしょうか?
ま、時間はありますしボチボチ部品も集まってきているので、秋のイベントまでには何と形にしていきたいと思います。

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チースケ

クロスバイクで長距離が辛いのは、重さや太めのタイヤ、フラットバーという制限以上に、ポジションの窮屈さだと思ってます。
かつて四国をレンタサイクルで走ったんですが、フレームサイズは選べましたが、ステムが短すぎて思ったより早くへたばってしまいました。
ただポジション合わせって、何年経ってもこれが正解!って思えない難しさがありますね。
by チースケ (2021-06-22 20:53) 

soraneko

チースケさんへ

全くおっしゃる通りで、高いホイール買うよりまずポジショニングが肝心ですよね。
クロスバイクはそのあたりがアバウトに考えられていて、販売されるサイズ設定も3種類くらいしかないメーカーも多いです。
本来初心者が購入する場合が多いのですから、しっかりポジショニングが出来るように、フレームのみならずステムやクランク長、フロントフォークのトレール角など細かく設定してほしいのですが、やはり低価格商品という位置付で、コスト有りきでダメですね。
ポジション合わせですが、自分は一応基本形を確立させましたが、自転車はともかく、身体の方が「ナマモノ」なので、その日の調子や老化や怪我などの要素でコロコロ状態が変わり、コースや天候、ペースなどにも影響されますから、組み合わせると本当に回答の種類は「無限大」に成りますね。
by soraneko (2021-06-23 07:18) 

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