亜熱帯化した日本の夏とサイクリングの熱中症について [雑談]
本日は今季最高気温が関東地方では予想されています。
内陸部は40℃近くなるという猛暑で、オマケに湿度が高いので、屋外での活動は自殺行為に成ります。
自分は当初の予定ではオートバイで高地にツーリングの「避暑」を考えていましたが、結局その往復でこの猛暑にさらされるのと、休日の交通状況を考えて断念しました。
で、改めてこの暑さと、サイクリング時の「熱中症」についてまとめておきたいともいます。
1,何でこんなに暑いの?
口を開けば「昔はこんなに・・・・」となりますが、だからと言って単純に温暖化で平均気温が上がっただけという訳では無いようです。
通常夏の気圧配置では、冷たい大陸の空気と暑い太平洋の空気が入れ替わって、太平洋高気圧が日本を覆って暑くなる・・・というのが従来の夏だったと思います。
しかし、ここ数年発生している「ジェット気流の大蛇行」が日本で起きていて、周期的に寒暖の空気が入れ替わるのと、インド洋付近からヒマラヤ超えて流れ込んでいる非常に強い「暖湿気流」が日本の上空に流れ込んでいて、まさに「亜熱帯のような以上に蒸し暑い夏」に成っているようです。
2,過去に例がないので経験していない
「観測史上例の無い」というワードをよく聞きまぐが、日本が近代的な気象観測を始めたのが明治5年、西暦1872年ですから150年以上前からの観測で「過去例がない」となれば、日常生活上の経験値でこの暑さや熱中症に関する知識がある人はいないはずです。
まあ、異世界モノではないですが、日本に転生してきて全国で巫女をしている長寿のエルフさんでもいれば、聞いてみたいものですけど(苦笑)
3,現状に対応できない?
まあ、そういう知識や経験がなければ対応できませんし、それが子供なら尚更ですが、高齢者の場合「過去の判例に無条件に従う」方々や、はっきり言って「痴ほうのボケ老人」などは、既に自律神経機能も衰えていてそのうえ「熱くないし電気代も勿体ないのでエアコン付けなかった」となり、電気代より二けた高い「葬儀費用」を家族に負担させる羽目になります。
また、経験の浅いサイクリスタも、自分が今どの様になっているか分からないので、暑くなると走行中に熱中症になる「洗礼」を受けなければいけないので、熱中症になって酷い目に遭ったという、「サイクリングの悲しい初体験」に成ってしまいます(苦笑)
4,サイクリングでの熱中症とは?。
自分が子供の頃や最近まで「日射病」とかいわれていたような。
まず自転車乗っていて熱中症になるとどうなるのか?、昨日Xにまとめたものです。
サイクリング熱中症実録
1、いくら漕いでもどんどん速度が落ちる。
2、汗かいても涼しくならない。
3、頭がクラクラして意識が遠くなる。
4、運動強度あげないのに心拍数高くなってくる。
5、風邪で熱出たときみたいに怠くて力入らない。
其のままだとお星さまに成りますね
何故こうなるかと言いますと
1,気温が高いと体を冷やそうとする自律神経が働いて汗をかく
2,汗をかくいて風が当たると汗が乾いたときに「気化潜熱」で体を冷ます。
3,湿度が低ければどんどん乾いて温度差がる
4,湿度が高い及び乾きにくいウェアだと熱が逃げない
5,涼しくならないので自律神経が更に汗を出す。
6、汗の原料は「血液」なので、エンジンの心臓が心拍数上げて血液送り出す。
と此処までが熱中症の前兆段階で、自覚症状は殆ど無いのですが、平地無風で強度を上げないで走っていても、ハートレート測定していると、見る見るHRが勝手に上がってきます。
この段階で熱中症と気が付く知識や経験があれば、熱中症を防げます。
自分の場合ボトルに真水入れておく、サプリを用意するなど実施してます。
サイクリング熱中症対策実戦記録
1、直ちに止まって日陰にはいる。
2、頭、首筋、上半身の順でに水をかけて冷やす
3、水分と塩分などのミネラル補給する。
4、ミネラルは専用タブレットや梅干しが効く。
5、成っても落ち込まない、正常な生理現象。
6、根性は出さない、出すと命落とす。
これホント不思議で、頭から水かぶると当然涼しくなりますが、それだけの事で見る見るHRも落ちてくるんですよ。
5,何故命を落とすのか?
まあそこに至る前にも、体中の力がぬけて、まるえハンガーノックの時の様に動けなくなったり、筋肉のけいれんが始まったり、意識が無くなったりします。
何故そうなるかというと
1、汗をかいても体温が落ちなければ自律神経は機能しなくなる
2、体温調整機能が停止するので汗もかかなくなり、体温が上昇していく
3、風邪で高熱になった状況と似てくる。
4、神経伝達が阻害されけいれんを起こし、脳内温度も上がって意識を失う。
自分はこの状態にまで成ったサイクリスタを何人も見ましたが、こうなると完全に「救急搬送」の状態で、治療せずそのままにすれば、血液の温度が危険領域になり、「多機能不全」で死亡に至ってしまいます。
ちなみに過疎地域などであれば救急車は直ぐには来ませんし、都市部に近くてもこれだけ暑いと事案の発生が多発して、救急車が出払ってすぐに来ない事もありますので、本当に命取りになります。
ここでサイクリングに限定して話を更に進めれば、何で自分の命の危機に至るまで走り続けてしまうのでしょう
1)自分の身体の調子に気が付いていない
健康のための第一歩は、まず自分の身体の状態を自分で把握する事なんですが、流石に自転車乗りの場合、健康に対する感受性は同年代の方々より高い方が多いのですが、走行時に至る睡眠の質、疲労度、飲酒の有無などが、熱射病に至るまでの因果関係が深いので、自分が危ないという事に気が付いていない方々も少なくはありません。
自分は最初の頃は心拍数を常時モニターするために、HR計を必ず使用して、サイコンに心拍数の表示と危険値で警告アラームが鳴るようにしておきました。
やはり自分の感覚頼りにせず、正確な判断の為に外気温や湿度、心拍数は把握しておくことが重要だと思います。
最近は心拍数簡単に測れる「スマートウォツチ」が普及していますので、各種アプリと組み合わせて活用することもできます。
2)つい「根性」見せてしまう
しかし、自転車乗りは血の気が濃いというか負けん気が強いというのか、こちらが流して走っていて、抜いたとたん目の色変えて抜き返すオジサン結構いるんですよね(笑)
まあ負けず嫌いは悪い事ではないんですが、度が過ぎると「精神が生体機能の限界を超える」となり、諦めるを良しとせず、本来走る事を止めなければいけない状況でも「突破」してしまうんですよね。
こんな「根性がない事に絶対の自信がある」自分でさえ身に覚えがあるくらいですから(苦笑)、多くの善良なサイクリスタの場合この危険性が排除できないと思います。
6,無理はしない、臆病なくらいでちょうど良い
自転車に限らず、どのようなスポーツでも続けることが重要で、「熱いの寒いの四の五の言わない」が基本なんですが、人生や生活がかかっているプロアスリートならともかく、趣味として楽しんでいるのなら、大げさな話命を懸ける必要はありません。
特に健康維持の為や人生を楽しむ為に自転車を選んで乗っているのであれば、健康を害してまで走ってはいけませんよね。
まあサイクリスタあるあるで、ブランクが開くとパフォーマンスの低下や回復の苦労があるので、「何とかして乗り続ける」はよく理解できます。
ただこの場合でも、トレーニングで走る時間は気温の低い未明から遅くとも早朝までとするという配慮は必要で、気温が30℃を超え始める9時以降は走らない方が賢明です。
また、イベントなどに参加する場合でも、楽しみにしていて遠征までしたのにと無理して走ってしまう(自分も覚えあり)場合がありますが、やはり経験者でも35℃を超えるような気候条件では、DNFを選択するのが賢明だと思います。
また、残念ながら日本のスポーツイベントの場合、悪天候時のリスクに関する感受性が決して高いとは言えない主催者が散見され、この場合「自分を守るのは自分の判断と行動」となる事は覚悟しなければいけないので、普段より臆病になって、より安全方向の判断を心がけてほしいと思います。
コメント 0