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些細な・・・を見落とせば結果は重大に! [防災]

歴史的な豪雨、数十年に一度の降雨量、命の危険が迫るなどと数日前から気象関係者からは最大限の警告が行われた今回の豪雨被害ですが、残念ながら今回も「救えるはずの命が無残にも奪われた」光景が目の前で報道されていています。
被災された方々には心よりのお見舞いを申し上げます。

上記の話は、あくまで気象や防災に関連する方々なら「言わずもがな」の事で、概ね何がおきるかの「想像力」と知識があるので、警戒することができます。
ちなみにマスコミでは最近の豪雨被害の事例が出されていますが、実は気象的には、昭和43年に起きた寒冷前線による大豪雨で、岐阜県飛騨のバス転落事故を含み108人の被害を出した時と、気圧配置やその推移が酷似していて、警戒情報も出ていましたが、マスコミも行政も、当然平穏な生活を送っている「自分だけは災害に遭わない」という「正常バイアス」で思い込んでいる一般市民の耳に入ることもなく、また入ったとしても行動を起こすことはなかったでしょう。
何時もの事ですが、返す返すも残念です。

ここが「危機管理」の一番難しいところだと思います。
「お上」の気象庁が警戒を呼びかけてもこの有様なのですから、一個人の危機管理上の警告などは「戯言」と聞き入れてくれない悲哀は、身を持って常に実感しています。
自分は「阪神淡路地震」を見た衝撃から、防災や地震の予知関連の研究や勉強を重ねてきたのですが、自分が住んでいる栃木県でも、震度6以上の地震が来る可能性を知り、自分の勤務している会社の安全部門の責任者や労働組合の書記長に真剣に意見具申したことがあるのですが、反応は冷淡なもので一笑に付されましたが、その数年後の2011年3月11日に、「東日本大震災」で、勤務地は栃木県内の最大震度の「震度6強」をうけて、本社建家は半壊、関連先の企業の設備も壊滅状態で、かろうじて被害者は出なかったものの、数ヶ月に及ぶ業務停止や復旧作業、遠隔地での代外業務などもあり、経営にも深刻な影響えを受けました。

現実とはそういうものであり、素人の一社員がいくら「正論」を言っても取り合ってくれないことが「当然」なのであって、自分が「防災士」「防火管理者資格」「防災管理者資格」「危機管理士」などを取得するきっかけになった事案であって、例え「紙切れ」であっても「肩書き」の必要性を痛感したからです。。

現在の日本の企業は「世代交代」や「個人技能の継承」、「企業としての技術力の維持向上」に失敗しているケースが多く、業務管理や安全管理が、かつてあった「年功序列」「縦社会」「村社会」といった時代背景や個人の管理資質で保たれていたものが、特定年代の社員が消失する異常事態、たとえば「バブル」や「リーマンショック」による経済恐慌でおきた「新規雇用抑制」や「リストラ」で引き起こされた結果として、特定世代抜け落ちた結果として世代間の断絶が・・・・いや世代が持っていた「良くも悪くも」のノウハウが引き継がれなかった結果、「組織は人であり、人は感情で動く」ことなどを「知らない世代」が管理を担うに至、面倒事から逃げ回る「管理放棄」に近い異常事態に陥っている企業が増加しました。
こういう場合現在のような「全世界規模の景気拡大」局面の波に乗れば、「本来の実力に関わらず」業績が向上するために、多くの問題が「隠蔽」されたままでも企業活動が継続できるのですが、こういう場合は大概の事例で「コンプライアンス遵守」意識が低下して、「何かやらかす」何かが、重大な結果を招くという事例も少なくありません。

最近多い、大手企業の「組織的隠蔽」による重大法令違反などは良い例であり、厚労省のデータを見てもらうとわかりますが、現場でのトラブルも増える一方で、「労災事故」「労災死亡案件」なども減る気配がありません。
で、これがもし「〇〇ショック」などによる世界的な景気の急激な原則局面を迎えた場合、内在していた問題が一気に噴出して、「大変なことになりますよ」は説明の必要もないでしょう。

さて自分も浅学なので引用が正確かどうか怪しいところがありますが、「バタフライ効果」というものを聞いたことはありますでしょうか?
いや、正確に調べて記載しましょう(笑)
力学系の正確な記述は僕も「????」なので(苦笑)、文章的に解りやすい表現を引用すれば、「非常に些細な小さなことが様々な要因を引き起こしだんだんと大きな現象へと変化すること」が、まあ当たらずとも遠からずだと思います。
よく使われるのが「北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークが大嵐になる」語彙なのですが、蝶が羽ばたいた程度の空気の揺らぎでさえ、この場合は不確定要素が「距離」だと思うのですが1万982km離れたニューヨークに届く間に、数多くの「カオス(混沌)」が加わるおかげで、大嵐を招く強風になってしまうと理解しておけば良いのでしょうかね。

これを安全管理上の用語で言えば、たとえば現場の取るに足らない些細な「トラブル」があり、それはそのトラブルを誘引する重大な問題が隠れているのだとすると、数多くの些細なトラブルから次は軽微な事故が発生して、それが重篤な事故につながり、最後は「死亡事故」を招いていまうという「ハインリッヒの法則」というものも、バタフライ効果が関係していると思います。

その不確定因子は、「距離」「時間」「人員」「設備」「予算」「人間関係」「企業関係」などの様々あり「カオス」をもたらしていくのですが、「危機管理意識」と「安全管理知識」があれば、最悪の重大事故を「予見」できるので、かなり早い段階の軽微なトラブルや、場合によるとそのシステムや個人を見ただけでも重大案件を想定した上での「対策」を打つことができます。
今後導入される世界共通の安全規格の「ISO45001」でいう「リスク」の概念で言えば、安全性を阻害する「不確定要素」と言う事も出来ます。
で、これは本日の「本題」なのですが、「危機管理意識が無く、安全管理の知識もない人間は、例え目の前に自分の生命の危機が迫っていてもそれを防ぐことは出来ず、また当然組織の危険も回避できない」という、自分が此処までクドイ幼稚な文章で説明するまでもないのがこの世の現実」なんです。

こういう現状が放置されると深刻です。
たとえば、最近流行りの「自動運転」なんですが、全世界で各社が生き残りをかけて「スタンダード」を勝ち取ろうと多くの労力が業界では注がれています。
実際のところ研究所段階を飛び出して、公道による実証実験なども欧米では既に実施されて、多くのデータが収集されていますが、そのテストで事故などが起きると、システムそのものより自動運転への過剰な期待の反動からくる「疑心暗鬼」から、関連企業の株価が一気に落ち込んで、1日市場全体で大げさでなく兆単位の資産価値が消し飛ぶという事も実際起きています。
もし、これが日本で行われた場合など、日本のマスコミもこの手の話に群がるハイエナよろしく、たとえばどこかのメーカーが、路上試験を行っていたとして、その内容や実態などはともかく、現在は「画像監視社会」ですから、それが「些細な接触事故」であっても、スマホで撮影されたり、ドライブレコーダーで録画されていれば、たちどころにSNSで拡散して、マスコミは裏を取ることもなく「〇〇自動車会社の自動運転で事故が起きる、自動運転技術の未熟か?先行きに暗雲がたちこめる」程度の陳腐なタイトルつけて流すことは、疑う余地もない「現実」です。
ましてそこで自己保身に奔走した挙句の「隠ぺい」にでも走れば、またその組織の「穏やかな人間関係」がもし崩壊していたとしたら、「内部告発」にて洗いざらいぶちまかれたうえに「さらし者」決定です!
その結果は?となると、その関連企業の翌日ウォール街や兜町の話題を独占することとなり、関連企業の資産価値が一気に数千億円規模で低下してしまったとしたら、もし最初に「些細な原因で接触事故を起こしてしまった」担当者や、もしそれを請け負っていた企業があった場合、欧米企業では当たり前の「損害賠償」を請求されたとして、それに答えることが出来無いのは当然として、その先はどうなってしまうのでしょう?
そして大切な命が奪われてしまったら・・・・・・・

なんて書くと、「ベタな企業物の三流小説じゃあるまいし、そんなことは有り得ない」と笑い飛ばすことは簡単なんですが、これぞ「バタフライ効果」で、些細な事故がいかなるカオスにより、企業存続に関わる事案になるか見当もつかないという事が「真実」であって、もしその認識のない人間や組織が重大な案件に関して危機感なく、もし有ったとしても有効な手立てを打たずに、ひたすら逃げ回り、ただ時間だけ浪費させるようなことが仮にあったとしたら・・・・・自分がもしそれに関わっていたとしたら、おそらく夜も眠れないくらいの「不安と恐怖」を覚えてしまうことでしょうね!。

災害の防止でも同じことで、たとえば堤防に一つの「モグラの穴」があったとしても、その穴がどのような結果を生むのかがわかっていないのであれば、そして誰も手をくださないのであれば、それは「堤防の決壊」という冷酷な現実を持って、資産や貴重な人命を奪うだけのことなんです。
その「些細な違和感」に常にアンテナを張って「違和感」を受信して、その結果を予測した上で速やかに対策を実行しなければいけないのが、「危機管理」や「防災」に携わっている人たちの「使命」であり、例え普段馬鹿にされようが嫌われようが、この一線から身を引いてしまう訳にはいかないんです。

しかし、自分はつくづく厄介で、損な事に首を突っ込んでしまっと思います。
こんなこと考えないで、穏やかに毎日自転車さえ漕いでいれば、ただそれだけで幸せに生きていけるんですが、「故に我有り」で、半世紀を思い起こせば反省は星の数程あれ、後悔は一遍も存在していません。
これが自分の、自分で選んだ道となれば、愚痴は出るとも(苦笑)後戻りはできないでしょうね。

明日は「那須ロングライド」で、サポートライダーで走りますが、多分こんなことを考えながら、参加者の皆さんが無事に、笑顔で良い思い出を持ち帰ることができるよう、皆様をサポートさせていただきますので、よろしくお願いします。
あっ、こちらは「日本サイクリング協会、サイクリングインストラクター」として頑張らさせていただきます(笑)。

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