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ブログの再開、自宅の整理と実母の葬儀、相続について [危機管理]

実母の余命は年内との担当医の診断を聞いて、自分は迷わずその場で実母に全てを告知しました。

「残酷な」という意見もあるでしょうが、かのブラックジャック先生も「告知して希望を失うような患者の相手はしない」主義でしたので(苦笑)淡々と事実を告げましたが、拍子抜けするほど「無反応」で強がりなのか絶望したのかは知りませんが、残念ながらそんな本人を心情を斟酌しなければいけない程、此方も暇ではありませんでした。


◆何より肝心な予算管理

まず、入院前に実母の預金通帳、印鑑カードを引き取りました。

こんな時にお金の話とは思われるでしょうが、「地獄の沙汰も金次第」ではありませんが、一番面倒なのは最期を迎えるにあたっての経理なんです。


とにかく、お金が出ていくは出ていくは!、入院費、備品購入、介護食、介護備品購入など、羽が生えたようにお金が飛んで行きます。

そして何が一番手間と費用が掛かったかというと、それは自宅の整理に関係したモノでした。


◆半ばゴミ屋敷化した自宅の再生

実母が病気になる前からの事ですが、清掃能力が完全に欠落していて、大掃除など自分がやっていたのですが、とにかく実母の動く範囲には膨大な日常品と称する「タダノゴミやガラクタ」が、遺跡のように蓄積されており、最初の検査入院の時には、リビング回り、キッチン、実母の自室などを「なんとか人間が普通に暮らせるように」清掃するのに、2週間ほどかかってしまい、出てきたゴミは、優に軽トラ一台分はありました。


床も汚れているを通り越して、ごみや埃が堆積してドロの層が固まっており、その撤去や、ごみの中から明らかに未使用の健康食品やサプリメント、化粧品、電気製品を分別して再利用できるようにするなど、とにかく説明しきれない程ひどい状態の回復に奔走させられました。



特に酷かったのがキッチンと一坪の食品庫で、もはやそこは腐った食材と製造年度不明の瓶詰めと焦げたり錆びたりしている鍋や釜、これまた未使用の膨大な食器が、所かまわず積みあがっていました。

 

最初錆びた瓶のふたを開けて、腐った中身を捨てて、瓶を洗ってと分別を進めていましたが、2時間ほどでゴミ袋4つも出来上がり、それでも変わることのない眼前のゴミの山を目の前にして、心を病んでしまいました(苦笑)


こんなことしていたら、自分が病院送りに成ってしまうわい!と、さっそくネットで「家屋の清掃業者」を検索して、専門の業者に依頼してしまいました。

その業者は、いわゆる「ゴミ屋敷」や「独居老人の死亡案件処理」も引き受ける専門業者で、埼玉の方から来ていただきましたが、そんな専門家が見積もりに来て現状を見せたところ、5秒ほど立ち尽くしてポカーンとしていた後に「この清掃は、完全に特殊事例に該当しますので、費用が掛かることはご容赦いただけますか?」と言い出しました(苦笑)

また「これは一人で何とかしようとしてはいけない案件です」とまで言われて、ある意味納得の上で依頼しました。


しかし、今回の事で、介護・医療関係者や、同じ境遇の方々とお話しする機会がたくさんあったのですが、どうもこの「ゴミ屋敷製造老人」は、決して珍しい話ではなく、意味もなくモノを買い込んで、使いもせずゴミを増やすというのは、個人というより「世代の持つ精神的な病理」と言えるもののようです。
で、結局5人ほど来ていただいてそれらのゴミの分別や廃棄、敷地内に転がっているゴミのをまとめると、2トントラック2台分のゴミが出てしまい、オマケに食品が腐敗していたためその清掃と、そこにネズミや害虫が発生していた事も有り、別の駆除業者に、家全体の徹底駆除と消毒も必要となり、費用総額は優に三桁諭吉様に達してしまいました(泣)
そのうえこれでもまだ、実母の自室の清掃とゴミの廃棄が別にあるという始末で、ありがたくないというより、非常に厄介な「遺産」と言えるでしょう。
ここで「遺産相続」に関してですが、一般的には被相続人の資産の相続という「ボーナスポイント」的な受け取り方をされていると思いますが、自分はその考え方が大嫌いで、相続人は、被相続人の「人生の正負を全て受け継ぐ」べきものであり、それらをひっくるめて「ドンと来い!」と肝を据えてかかる覚悟が無い人間は、欲に駆られて身の丈以上の相続を欲すると、「身の破滅」に繋がるという事は、間違いが無いことだと自分は思っています。
さて、実質10月から2か月ほどこの整理に忙殺されていました。
まあ、何処かに遊びに行こうと思えば行けない事もなかったのですが、何時「ご家族をお集めください」という、「危篤の連絡」が病院からいつ来るか分からないうえ、他の親族は間違いなく間に合わないので、自分は出かけても1時間以内で病院に駆け付けられる事が大前提でしたので、ロードバイクでのロングライドは封印となり、7月末からこのブログと共に「封印」していました。
◆臨終と葬儀
終末医療医院に転院して1か月たった12月に入り、病院より「心拍が安定しないので急いで来てください」とあり、その日は大丈夫だったのですが、駆け付けて面会した時が最後となり、翌日息を引き取りました。
結局最後はだれも親族に看取られることなく、突然心拍が弱って自分に連絡が来てから5分後には、心拍停止で死亡が確認されました。
生前は賑やかな実母で、親族や知人もたくさんいたはずなのですが、コロナの影響もあり面会が制限されているとはいえ、誰に最後の挨拶をするでなく、「だれにも知らせないでくれ」と言い出して、まあ自分に言わせれば勝手に旅だってしまった事は、本人の本音や心情はともかく、今まで生きてきた関わり合いを自分から断ち切って、誠に自分勝手に自分の人生を閉じてしまったわけで、生前より「一人称人間」で、すべてが自分しか無かった人間の最後としては、それにふさわしい寂しい最後だったと言えます。
 
勝手に旅立つのはまあ仕方ないとして、残された人間はそうはいかず、やるべき事が山のように残されています。
此方も初めてではないので、戦闘モードに突入すれば済みやかに作戦行動に移行し、お恥ずかしい話、「危篤」の報を受けて病院に向かう間に登録して会員になっている(既に4回利用しているお得意さん)葬儀社に遺体の引き取りと葬儀の段取りの連絡をして、臨終を確認後は速やかに近い身内から順に連絡を取り、葬儀に向けての準備を進めます。
全くまるで全てが計画されたように行動していて、1週間前には喪服もクリーニングに出してあったとは、これが不審死なら間違いなく「容疑者」として取調室に連れていかれていましたねぇ(苦笑)
臨終後2時間で葬儀社に遺体を引き取ってもらい、葬儀日まで予定の式場で保管してもらいます。
以前ならまず自宅に一度搬送して葬儀日を待つという感じでしたが、最近は葬祭場も霊安施設などがあり、遺体の腐敗処理(エバーミング)や化粧直しなどを行って、葬儀場で何時でも関係者が面会できるようにしてくれます。
葬儀の日程は主にその地域の「火葬場」のスケジュールが優先され、時期によっては混みあう事も有り、大安や友引を避けたり、土日に集中したりと思うような日程が取れないケースもあります。
自分の場合以前12月28日に叔母が死亡したときは、焼場も公共施設で既に休みに入り、しばらく葬儀が出来なかったなんて事も有りました。
また居住地域以外で死亡した場合なども、基本的に火葬場は立地している土地の住人が優先であり、住民以外は費用も高く取られるなど面倒なことが増えるケースもあります。
葬儀もコロナ禍だった影響があり、家族だけでひっそりと行う「家族葬」が一時期はほとんどでしたが、栃木県にかんしては、新聞の「お悔やみ覧」を毎日観察したところ、約7割は普通の葬儀を開いていた事も有り、自分も通常の形で葬儀をするという事で、葬儀社を通じて主要な新聞に掲載してもらいました。
実母は自宅で介護状態になってから知人との連絡が途絶えていて、連絡が行き届かないと後日焼香に来られる事となり、それはそれで面倒(汗)なので、出来るだけ通夜と本葬に来てもらう配慮はしておきました。
これで来るかどうかは本人の人徳次第でしょう(苦笑)
喪主のベテラン(苦笑)の自分の見立てでは、限られた親族とごく親しい知人だけでこじんまりとした葬儀を想定していましたが、驚いたのは自分が以前いた職場の元同僚が結構来てくれたことで、人の繋がりは暖かいモノですね。
反対に実母の知人はあまり来ることは無く・・・・失礼ながら同年代の場合その方々も棺桶に片足突っ込んでいるケースも多く、晩年の人間関係について考えさせられる葬儀でした。
◆役場への手続きと相続について
葬儀が終わったからといってホッとできないのが手続き関係です。
基本的に医院などで死亡した場合、「死亡診断書」がでてそれを葬儀社に渡して手続きをいたくして、「埋葬許可書」を役場に申請します。
家族が行うのは、同じく死亡診断書をもって、役場に「除籍手続き」と、国民健康保険の場合、その終了手続きを行います。
年金に関しては「年金事務所」に別途申請を行いますが、おおむねここまでは1日有れば何とかこなせます。
 
で、ここでもお金の問題が出てきます。
死亡した本人の銀行口座などは、新聞などのお悔やみが掲載された時点でロックされてしまうのものでしたが、銀行によってはそこまで手間をかけられないらしく、これは金融機関によって対応が分かれます。
経験者はご存じだと思いますが、「親が死んで直ぐにATMに行って親の口座からお金を落とした」が、常識(苦笑)でしたが、最近は特殊詐欺の影響もあり、ATMも一日20万円以上は下せないので、ケースバイケースですね。
自分の場合これも計画的に(苦笑)以前より必要経費は少しずつ引き出しておきました。
これもあまりに計画が過ぎたようで、入院費用や備品購入、自宅の清掃や葬儀関連の費用など、用意しておいた金額ほぼピッタリの出費でした。
相続に関しては、1銀行の口座や株券など、2不動産、3生命保険、4遺品などの物品に大別されます。
それらは色々な手続きがあって面倒なのですが、公的証明として絶対に必要になるのが、死亡した本人の「除籍証明」です。
宇都宮市の場合は届け出があってから2週間で本人が除籍された「戸籍謄本」が取れますので、これが死亡した公的証明として絶対に必要になります。
あと相続は民法上3親等の親族までが対象に成りますので、それを確認し、相続人との関係を証明する「原戸籍(全部記載)」と、相続者の戸籍謄本、また捺印する印鑑はすべて「実印」となりますので「印鑑証明」がけっこな枚数必要になります。
自分が一番最初に手続したときは、何にどんな書類が必要か全くわからなかったので、市役所の出張所の所員と顔見知りになるくらい、手続き先で「不足しています」と言われて、トボトボと何度も取りに行ったものです(笑)
基本的に相続関係は、同居していて、実子であればあまり面倒な事はありませんが、被相続人に子供がいない場合、先の3親等の親族がすべて相続対象に成りますので、人数が多いほど面倒になります。
また「遺言書」で親族以外に相続を指定された「遺贈」のケースも、遺言書を公的書式にする手続きが必要でこれも面倒になります。
養子が居る場合も、養子は2種類あり、普通の養子の場合、養子先の親だけでなく実の親の相続の権利と扶養の義務が生じますが、「特別養子」の場合、戸籍上に、実の親との親子関係は記載されず「いなかった」事にされるため、相続は発生しません。
まあ普通の家庭の場合あまり込み入った相続にならないと思いますが、そういう事情があるのに、親が遺言状をちゃんと用意して公正証書にしていない場合、結構厄介な事に成ることも少なくはありません。
ちなみに遺言状は本人の「直筆の署名」が絶対条件で、数件出てきた場合は日付けが新しいものが有効になります。
実は我が家の場合、このあたりが非常に複雑で珍しいケースが含まれており、家系も遡ると結構面白い事に成っていたり、まあブログで書けない分量の「やんごとなき」事がありましたから、自分は随分色々と勉強させられました。
もし、これが犯罪絡みだったら、横溝正史著作の「犬神家の一族」のような複雑な人間関係と、肉親同士の「愛憎」が渦巻いていた事でしょうね(苦笑)
相続も肉親であるが故、血が濃いからこそ、それこそ数十万円のお金で大乱闘の末絶縁してしまうほどもめるケースも少なくありません。
此処に不動産が絡むとさらに厄介ですが、自分の場合実母に不動産は無かったので銀行関係と生命保険(受取人に成っていた)の書類をそろえて郵送すればそれでひと段落と言ったところで、今までで一番簡単な手続きに成りました。



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