さていよいよ夏本番が近づいてまいりましたね。
実は子供の頃からどすこいライダーだったデブのベテラン(苦笑)の僕にとって、夏ほど苦手な季節はなく、毎年「涼しい北海道に住みたい!」等と喚いておりました。
本格的な自転車生活が始まった10年ほど前より、体脂肪率が下がり保温効果抜群の毛皮のコートのような「脂肪のスーツ」を一枚脱ぎ捨てた結果、かなりの高温になっても耐えられるようになり、夏場のツーリングなどを繰り返していたら、運動で自律神経も鍛えられたのか、不思議と暑さが苦手ではなくなりました。

とはいえ、温暖化が進む昨今の夏の暑さは尋常ではなく、平気で外気温が体温を超えることも珍しくなくなってきました。
正直体温を超えると、身体の調整機能の範囲を超えてしまっていて、生命の危機ですらありますし、炎天下で舗装道路上の温度は、ゆうに40℃を超える温度になってしまいますから、「自転車に乗るのも命懸け」となります。

正直「僕は根性がないから暑い日には自転車に乗らない」という情けない心がけの方がこの場合正解であって、無理は禁物になります。
しかし困ったことに自転車で何かに挑んでいたり、何かと戦っておられる方々の中には、精神力が身体機能をはるかに凌駕してしまっておられている方々が少なくなく、「努力と根性と汗と涙」で、自分の限界を簡単に突破してしまうらしいのです(苦笑)。
まあ、見上げた根性と僕のように根性がないことに関しては胸を張って誇れる(笑)軟弱モノから見れば羨ましい精神力ではありますが、これが死んでしまっては元も子もありませんわね。
僕の場合少なくない夏のツーリングの経験から、「これはやばい!」というような熱射病の初期症状を自覚することができるので、速走行を停止させて日陰に入り水分やミネラルを補給して、場合によっては公園の水道の蛇口に頭からじゃぶじゃぶ水をかけたりして、冷却して回復を測ったりします。

しかし、まだ経験が浅く熱中症の初期症状を自覚できない方や、走り出すと一生懸命になって他に気が回らない方などは、心拍計(ハートレート、以下HR略)を活用することを強く勧めます。
まあ、トレーニングの場合、自動車の回転数や出力に相当するのがHRであり、状況によるHRのモニターと記録による後の考察は非常に大切なものですので、多くのライダーはHRを装着されているとは思います。
で、HRが熱中症対策の何の役に立つということですが、そもそも熱中症とは、あまりの暑さに自律神経の調整能力が追いつかなくなり、体温が上昇し続けてしまう事をいいます。
具体的には頭がフラフラしてきて体中の力が入らなくなり、歩くことも辛くなってそのうち意識がなくなります。
また同じ運動強度で動いていても、体温を下げようと血液の循環を活発にさせるので心臓がフル回転・・・・つまりHRがどんどん上がってくるのですね。

これは恥ずかしながら何度も経験していますが、平地で無風状態の中を巡航してるのに、何故か自分の意識に反して速度が落ちてきて、もしくは速度を維持しようと心がけると今度はどんどんHRが上がってきます。
負荷を上げないのにHRが上がってくる=熱中症と判断できるんですね。
ですから僕は、外気温が30℃で湿度が高い(湿度が高いと発汗作用の冷却能力が落ちる)時は必ずHRモニターを装着することにしています。
まあ、普段使用しているサイコン「ユピテルATLAS CM31」にはHR機能があるのですから、センサーを付ければいいだけなんですがね(苦笑)。

普段はこのバンド型のセンサーをつけるのがどうしても面倒で、またセンサーログ機能を増やすとサイコンの電池消費量も増えるので使っていないのですが、夏場の場合「命が掛かっている」のでは面倒など悠長なことを言っている場合ではありません!

と、自分の無精を諌めついでに、サイコンのセンサーの設定も久々に(苦笑)行います。

このATLASのトレーニング機能は、最新のガーミンや他の高級なサイコンのような複雑なコトは出来ないものですが、一応安静時のHRの設定と、計算上の最大心拍数を設定した年齢から割り出しているようです。
これは220-年齢という簡単な敷から出ているもので、あくまで目安にしか過ぎませんが、ロングライドイベントなどで「攻めない走り」で体力温存の山岳走行をした場合、10%程度の勾配を突破したあとにHRの記録を見てみると、不思議と172程度でしたから、あながち間違ってはいないようです。
一応アラート機能もあるので、165に達したらアラームが鳴るように設定しておきますので、仮に間違って男気全開で走りに夢中になっていても(苦笑)、気が付くようにしておきました。

あと使っていないセンサーの電池(CR2032)を交換して、電池切れに備えます。

このセンサーはATLAS付属のHRセンサーですが、ボンドレガーのサイコンを購入してきた時についてきたセンサーも全く同じ形状をしていました。

このANT+通信のセンサーは何処かの(恐らく台湾製)メーカーのOEM品と推察されますね。
ちなみに同じANT+の規格なら結構互換性があるようで、他の商品でも繋がるものもあるようです。
もっとも最近はBluetooth規格のセンサーが主流になりつつあり、iPhoneやAndroidスマホなどがBluetoothでデータを読み出して、サイコンのアプリで使うのが広がってきていますから、独自規格よりこちら流れがこれからどんどん広がって主流になっていくのでしょうね。
余談ですがXPERIAのシリーズの中にはANT+通信に対応の物も有り、読み込み用のアプリもあるので、ANT+センサーの資産を無駄にしないで済むかもしれません。

とまあ、何はともあれこれで夏のツーリングの準備はこれですべて完了しましたから、今年の夏は出来るだけ距離を稼いで走り込みたいです。
公私にわたり「何もなく平和」であればという条件付きではありますが(苦笑)。