ワタクシめの自転車と双璧の趣味である「飛行機」なんですが、今年は震災の影響で、航空自衛隊の基地祭が中止になってしまい、止めにメインエベントの、「ブルーインパルス」チームの本拠地である、宮城県東松島市にある「松島基地」が、津波の被害で壊滅してしまったため、ブルーインパルスは飛ぶことができません。

これぞまさに「不幸中の幸い」で、チームのメンバーや機体の「T4練習機」は、震災翌日に予定されていた、九州新幹線のオープニングセレモニーで、博多上空を飛ぶために、北九州の「芦屋基地」にいたため、難を逃れていました。
それなら直ぐに飛行再開出来ると思われるでしょうが、自衛隊自体が「災害派遣」が最優先であり、チームの本拠地も壊滅した上に、メンバーのご家族や自宅も無事であったはずがなく、其のあたりの事情は公表されることはありませんが、大変であったろうと想像されます。

T4練習機の訓練基地である芦屋基地をベースに、一応飛行を再開して、トレーニングが開始されたという話は聞いていましたが、あくまで「暫定」であり、本格的なアクロバット飛行は当分望めないなと僕自身は考えていました。
先月の北海道にある「千歳基地」で再開され、東松島の祭りにも飛行したという話も聞いて、どうしても一目見たいという願望が高くなり、9月4日に開催される、青森県三沢市「三沢基地際」に行くことを検討していましたが、前日の天気予報で、台風の影響下ながら、奇跡的に青森は「晴天」の予報が出ていたので、前日3日の仕事が終わってから、自宅にも戻らず青森県に車で行ってしまいました!。

青森まで約600kmありますが、さきに広島、四国の旅行で徹夜で片道1000km程度走っていたので、無理な行程とは考えていませんでしたが、やはり所々合風の影響の大雨や横風に煽られて、なおかつ何とかホテルのチェックインのj間に間に合わすためにペースを保って走っていたので、結構疲れました。

あくる朝7時半ごろには青森のホテルを出発します。
今回も突発で三沢や八戸周辺のホテルは全部満員で取れなかったので、青森市内のホテルに宿泊して、三沢基地の14km北東にある町の体育館の駐車場に車を止めて、そこからは自転車で基地に行く「パーク&サイクリング」を実行しました。

基地に着きました。
本当に台風の被害に遭われた方々には申し訳ない位良い天気です。


ほかの米軍基地もそうなのですが、敷地が広く、メインゲートから滑走路まではかなりの距離を歩きます。


視界が開けて滑走路の展示エリアに出ます。

ああっ、この雰囲気、風、これぞ基地際ですね!。

さて、今回はいつもの三沢基地際より若干さびしい感じがします。
どうやら米軍の参加規模が縮小されているようです。
何時もだと空、海、陸、海兵隊の機体が所狭しと並べられ、展示飛行も目白押しだったのですが、他の自衛隊の基地際にゲストで来る程度の機体の数しかありません。

それでも普段あまり見られないようなものもあります。

まず今回の目玉とされている、「ミスビートル」のレプリカ機です。

と、言ってもピンと来られない方がほとんどでしょうが、1931年10月5日、青森県淋代海岸を離陸したクライド・パングボーンとヒュー・ハーンドンの乗ったミス・ ビードル号は、ワシントン州ウェナッチ市に着地し、北太平洋を無着陸で横断した最初のパイロットになったという、航空史上有名なお話なんですが、地元三沢市の方以外の日本人にはほとんど知られていない偉業を達成した飛行機です。

この「ボーイングC17グローブマスターⅢ」戦略輸送機などはここまで近寄っては見れないですね。


このC17は、アメリカ本土から重量物資を最前線の粗末な飛行場まで運ぶために作られた機体で、こんなに大きな飛行機ですが、短い不整地滑走路に降りてまた上がれる工夫がいっぱいあります。
この胴体のフェアリングなんかがそうで、ここに補助動力装置や、頑丈で大きな降着装置が押し込められています。


60tもある「M1エイプライズム戦車」を2両も積むために、本当にゴツイ頑丈な足回りを持っています。


しかも、衝撃を吸収するサスペンションのストロークをとるために、沈み込んでダンパーロッドがはみ出ても機体にぶつからないように、外販が切れ込んで持ち上がるようにしてあります!。

こういった機能重視で合理的に割り切った発想は、アメリカ製ならではのものですね。

エンジンもタービンコアなどは民間の物を軍事規格に変更して使っていますが、エンジンマウントやフェアリングは特注で、短距離で着陸して、あまつさえ地上でバックも出来るように、非常に強力な「逆噴射装置」が組み込んであります。


あと展示してあったのは、原子力空母「ジョージワシントン」の艦載機のF/A18Eスーパーほーネットです。


これはF15ですが、国内にはない攻撃型のF15Eストライクイーグルです。


自衛隊の機体は最新のF2が目玉です。

垂直尾翼に「頑張ろう東北」の文字が見えます。


そして今回のお目当てブルーインパルスです。

いやー、なんだか色々あってここに来たんンだなぁと思ったら、なんだか目頭が熱くなってしまいました。

本番の演技は午後からなのでお昼をとって休憩します。
今日は日差しが強く暑いうえ、台風の影響で風が強く、とにかくのどが渇きます。
さっぱりとウーロン茶というところですが、ミネラルをとるためスポーツドリンクを探しましたら、本国アメリカ仕様の「ゲータレード」を見つけました。

米軍基地は「治外法権」でここはアメリカ合衆国の領土内なので、アメリカ本土から船や輸送機で、こういったものを運び込んでいます。
これは青でしたが、赤、黄色、ピンクのゲータレードがありました。
そして驚いたのが、これはボトルの色ではなく、内容の液体の色であることが判明しました!

とにかくこんなどぎつい原色のドリンクは、日本ではもう見られないですね。
味もとことん人工的な味付けで、昔飲んだ安い子供向けのジュースを思い出しました。

さていよいよブルーインパルスの演技開始です。

パイロットが登場して、エンジン始動です。
この場面はいつみても感動しますね。

誘導路を走り出します。


滑走を開始して、全機無事に離陸していきました。
飛行場の真上は雲一つなく、蒼空に天使たちが白いスモークを引いて通過していきます。

これが見たかったんですよねぇー。


基本的にまだ本格的なトレーニングは出来ていないそうで、激し機動を伴う密集編隊の演技やソロと呼ばれる単機、または2機で行う演技はなく、基本的にフォーメーションを組んだ経過飛行というものが主体で、何時もの演技内容とはかなり異なる物でした。
でも、こうやって無事に飛んでくれて、青い空に大輪の花を咲かせてくれるだけで、僕はもう大満足してしまいました。


大被害を受けてしまった東北地方で、そこを本拠地とするブルーインパルスが健在で活動を再開してくれた事は、本当にうれしかったです。
ただ、ホームベースである「松島基地」と、その周辺の被害は凄まじく、再開の見通しさえ立たたないという話も聞きます。

色々と意見もあるでしょうし、困難もあるでしょうが、出来るだけ早い時期に、復興なった松島基地や、周辺の観光地を訪れてブルーインパルスによる、ホームベースならではの切れの良い演技を見たいです。