さていよいよビンディングのセットです。
以前も脚の力学ポイントを決めて、2度ほどセットしましたが不十分でした。
何がダメだったかというと、まず、ペダルの作用点である、シャフトの中心線の位置を目検討で決めていたからです。
今回はサイズを図り、ペダル中心点を、ビンディングの接合面にポイントを打ちました。


今度はビンディング側で、ペダルにセットした時に中心点になるところにポイントを打ちます。

この辺りが前回までは結構アバウトでした。

最後に、シューズ側の作用点にポイントを打ち、ペダルの中心線が合うようにビンディングを上下して合わせます。

僕の場合ビンディングが一番後ろになるようにして、脚の作用点とペダルの中心が一致するように調整できました。
この位置関係が僕にとって最適であるという保証はないのですが、整体や外科医師の方が推奨している「ひざに負担が来ないセッティング」を参考にさせてもらっています。

ここでビンディングの前後位置がぺダリングに与える影響ですが、サドルの前後位置が固定であるという前提では、ビンディングを後退させる=シューズを前進させると高回転型になり、反対のシューズを後退方向にするとトルクが出しやすくなります。
反対にビンディングを固定して、サドルを前後する場合、サドルを後退させると高回転になり、サトルドルを前進させるとトルクが出やすくなります。
実際は、これに足首の動きが加わりますから理論通りには行かないのですが、足首の踝の回転軸線とペダルの軸線の距離が関係して、梃子の原理で考えれば、距離が長いほどトルクを掛けられるはずですが、足首の負担が掛かるはずです。

Qファクターに関しては、ビンディングでの調整はやめて、もとも位置に戻しました。
あまり一度に試し過ぎると、何が影響しているのかわからなくなるからです。
実際このQファクターも複雑で、色々と影響があるのですが次の課題にします。

ハンドルの位置も10mm下げて高速用のセットを試します。
目的としてはより前傾させて前面投影面積を減らして空気抵抗を減少させるのが目的になります。

ただ、ハンドルを下げて前傾姿勢にすると、大腿骨の作動角度の範囲が変わります。
一般的には骨盤を立てる、背中を丸めてお腹を引っ込める姿勢にしなければ、作動角度が狭くなり、パワーが出にくいといわれています。

またサドルも10mm後退して、ぺだリングを高回転型にします。

ちなにみこの当たりの考え方は、ペダルの回転麺の中心と、サドル乗車位置との距離が関係しており、離れるほど、各関節の作動角度がせまくなり、関節を駆動している筋肉繊維が「ショートストローク」となり、筋肉の疲労が少ないので高速駆動に向いていてますが。反面トルクは選ります。
反対に近づけると、各関節の作動角度が広がり、筋肉繊維が「ロングストローク」となり、瞬間的な力は出しやすくなりますが、長時間の高速ストロークは疲労が蓄積しやすいので高回転の持続には向いていません。
この話はシートの高さにも当てはまる話になります。

これらは工学的に、「力学」で考えた下半身の動きの卓上論で、実際はその人の骨格や筋肉の付き方、筋肉の質などで、この話が当てはまるとは限りません、ここに骨盤の角度と大たい骨の作動角範囲や、上半身の振り「ダンシング」などで横モーメントの反動を縦のペダリングに変換するなどがありますが、おおむね、セッティングをすすめるうえでの、簡単な「モノサシ」としては使えると思います。

この辺りの話が、バランスよくかみ合ってくると、足の痛みがなくなっていくのはもちろん、推進効率が上がるので、体力を使わずともパフォーマンスが著しく向上してくるはず。

明日は時間に限りがあって、ロングライドは難しいので、新しいセッティングを慣らす目的で、「マドン」を乗ってみたいと思います。
最終的に煮詰めるまでは、まだまだ時間がかかりそうなので、継続して紹介していきたいと思います。