昨日新潟県魚沼市で開催された「第5回魚沼ロングライド」に参加して、完走してまいりました。
ようやく体調の方も「元気ハツラツ!」とはいかないものの、通常の状態に戻りましたし、持病の膝も無理をしなければなんとかなる感じまで回復しました。
精神的にも「騒々しい不都合な日常」は変わらずとも(苦笑)、なんとか安定してきましたので、久しぶりにイベントをまるまる一日、思いっきり楽しんできたという感じです。
もっとも世間は僕の些細な悩みなど吹き飛ぶくらいの凄まじ「騒々しさ」になってしまったようですが・・・・。

さてそんな暗い話はひとまず忘れて、イベントの話をします。
今年で5回目迎えるこのイベントも、個人的には3回目の参加になりますが、失礼ながらあまり「メジャー」とは言い難い、地方のロングライドイベントの熱心なリピーターに成ったのには訳があります。
まず一つは見晴らしのよい山岳コースのロケーションの良さと、もう一つは現地の宿泊が楽しみなことです。

前日の25日に現地に入り「前日エントリー」を済まします。
会場は魚沼市街地から10kmほど国道352号線を西進したところにある「大湯温泉」にある「交流センターユピオ」で行います。

自宅を13:00頃出ると、高速道路を使っておよそ3時間ほどで現地に着きます。

この地域は日本でも有数の「豪雪地帯」で、地元ではその裁ききれない雪を逆手にとって、保存しておいて夏のさなかに「雪まつり」を行うのですが、今年はその保存してある雪の山が心なしか小さいようです。

なんでも今年は記録的な「小雪」でいつもの半分の積雪量しかなかったそうで、季節の進み方が1っヶ月ほど進んでいる感じで、確かにいつもより緑が濃い感じです。

宿泊は大湯から2kmほど魚沼に戻ったところにある「折立温泉」というところにある「さかえや」さんという温泉旅館で。昨年に引き続きお世話になります。


宿についてお部屋に案内されてから窓を開ければ綺麗な山や清流が見えて本当に癒されます。


写真では紹介できませんが温泉も泉質は無色透明の「単純泉」ですが、ややぬるめのお湯につかっていると、本当に疲れがすーと抜けていく感じで、しかもなかなか湯冷めしないほど体がホカホカ温まります。
でお楽しみの夕食ですが、特別に手が込んであるものではないのですが、どれも本当においしい料理で、いけないと思いつつ(苦笑)どうしても「熱燗」を頼んでしまいました。


でオヒツのご飯もペロリと平らげてしまいましたが、このツヤのある「魚沼コシヒカリ」を目の前にして引き下がっては男がすたります!


ぐっすり寝て4:00には起床しますが、昨夜の雨が多少残っているものの、なんとかなりそうな感じです。


こちらの宿は参加者のために5:00に朝食を用紙していただけるのですが、ここで調子にのって3杯も大盛りご飯をおかわりしてしまいました。

こうなったらウェイトも山登りも忘れてひたすらエネルギーチャージ!です(笑)。
この朝ごはんをしっかり取れるというのは本当にありがたく、実は「和食の朝食」メニューは自転車を乗るのにはもっとも最適だという話を聞いたことがありますから、宿の配慮には本当に頭が下がります。
もし来年参加を予定していて宿泊先をお探しでしたら、「折立温泉さかえや」で「じゃらん」などで検索すれば出てきますから、こちらをご利用してみてください。

さて5:30頃会場に行くと、駐車場はほとんど満杯状態で、多くの参加者が既に準備に取り掛かっています。


開会式までは時間もありませんが、ここは慌てないでのんびり準備して装備品のチェックなどをします。

今回の相棒はイベント初参加の「ターマック」で、一応使えますというレベルで細かい調整などは済んでいませんが、実戦で使ってみてセッティングを進めていく感じになると思います。

ここでコースの紹介です。
いつもの「ルートラボ」のデータの貼り付けですが、見れば分かりますが本当に「山!山!山!」のコースだということがお分かりいただけると思います。


さて会場に向かいますが、バラバラと参加者も集まってきます。


と、バイクスタンドに綺麗なグリーン(若竹色?)のバイクがあり、目にとまったのでオーナーの妙齢なお嬢さんにいろいろお聞きしたところ、長野県にある「MASSO」という工房でオーダーで組んだとのことです。

あとで帰宅してからネットで調べてみたところ「ワタナベ塗装」さんの「MASOO デザインワークス(http://www.watanabetosoh.co.jp/bicycle/masso.html)」というもので、恐らく市販のアルミフレームにオリジナル塗装を施してパーツをアッセンブルしたもののようです。
個人的にはカラーとデザインのセンスが僕の好みにドンピシャでした。
こちらの工房は3Dプリンターを使った一品ものやいろいろな試作品なども請け負ってくれるようで、興味のある方はお調べください。

6:15に開会式が始まりますが、なんともあっさりとした挨拶と地元警察署の方の安全喚起の挨拶だけで、拍子抜けするくらいです。
大きなお世話かもしれませんが、もう少し安全に対しての注意や交通マナーに関しての説明があっても良いような感じもしますが、確かに走り出すとコースの大部分は「山の中」で信号機も交通量も少なく、関東近在で行うイベントほど神経は使わなくとも大丈夫なのかもしれません。

6:30いよいよスタートです。


20人を2分間隔でスタートさせていて、僕は第6ウェーブあたりでしたので、6:42のスタートになりました。
どこでもこういう方はかならずいらっしゃりますね(笑)


ここから10km位は魚沼市街地に入るまで下り坂が続きますので、ハイペースで進んでいきます。


例年だと山岳コースでの「へたれ」を取り戻すべくこういった区間はハイペースで集団をパスしてペースを稼ぐのですが、まず路面が濡れていて危なかったことと、のんびりサイクリングを楽しみたいというのが今回の目的でもあったので、特に急ぐことなく、集団から安全マージンをとって離れて進んでいきます。

市街地で何度か信号に捕まるなどして、ようやく集団もばらけてきて、路面も乾いてきたので自分のペースで走り出します。


市街地を南北に流れる「魚野川」を渡り、上越線沿いの道を北上します。

このコースも今年で3回目で、ある程度覚えているはずですが、なんだか周りの風景が新鮮に見えます。
初回は集団について激走していて、昨年は大雨で周りを見るゆとりもなく、今年こそ落ち着いて周りを見ながら走ることができているようです。

今回は、このところのブログでのイベントの紹介が今ひとつだった反省を踏まえて、出来るだけ写真を多く撮影して、雰囲気をお伝えしようというのも目的にありましたが、こんなミスショットも混ざっていました(苦笑)。

さすがに走行中の撮影は慣れてきましたが、やはり注意が散漫になり片手を離す行為自体が危険であることには間違いありませんから、そろそろ自転車にアクションカメラでも装備する方向に進んだほうが良いのかもしれません。

コースは魚野川沿いに北上し、もう一度市街を通過して川の対岸に渡ると、関越自動車道が見えてきて、その「堀之内IC」横を抜けると、いよいよ山岳コースの始まりになります。


ここは標高360mくらいまで5kmほど走って登りますから、だいたい平均勾配7%程度のコースですので、無理をしなければ比較的負担も少なく登ることができます。
多くの参加者はヒルクライムよろしく勇んで先に進んでしまいますが、僕はいつものように「男らしくインナーロー」で、ノロノロと登って行きます。

さすがに頂上付近になると9%程度の勾配が長く続くようになり、多少苦しくなります。


今回は一応膝の痛みは「日常生活を送る上では痛みはない」程度まで回復させましたが、無理は禁物て負荷はあまりかけたくなく、両膝ともテーピングでがっちり固めてきましたから、あとは軽いギアでくるくる回すだけです。
トルクをかけられない理由はバイクにもあり、やはり変速系の調整不足が祟ったようで、肝心のところでトルクをかけるとフリーからチェーンが脱線してトルクがかけられない状態で、個人的には「必殺技」を封印されたようなものですが(苦笑)、まあ脚を残す意味でもこの走り方で正解だったようです。

さて最高高度に到達すると山の峰沿いの、両側の見渡せる風光明媚なところで、こういう風景を見ると、疲れも吹き飛んでしまいますね。


しばらくは峰沿いの道を走ります。


視界が開けて高度を下げていくと目の前には下界が広がっていきます。


しばらく下ると、今度は目の前に何もない穏やかな丘陵地帯が見えてきます。


ここがこのコースのハイライトの一つ「上原高原」で、まるで北海道のような雄大な景色が拝めるところで、その中を道が定規で引いたようにまっすぐと伸びていきます。

去年は雨でほとんど雲の中ですが、今年はこの眺望を存分に楽しむことができました。
一部では「コスモス」の花畑にしているようで、9~10月頃ここを訪れると、一面綺麗なコスモスの花の絨毯を拝めるかもしれませんね。

これを過ぎると第1CPで、とりあえずチェックを受けて吸水をします。


ここも下り坂の途中の開けたところで眺望は抜群のところです。


この山を下ると国道252号線、只見の方に向かう国道に出ます。


しばらくの間はこの国道252号線を「破間川」の西岸沿いにさかのぼっていきます。



上越線の「越後須原駅」付近で、右折してまた山岳セクションが始まります。

ここは「須原スキー場」の横の山道をジグザグに登っていく道です。

大きな街道ではないので、こんな感じの細い道がつづら折れになって続いていきます。



ここのスキー場のリフトの終点は山頂に「自然科学館星の家」という、天体観測施設があり、そこが第2CPになります。

ここがコース上での最高高度到達点で、標高540mほどの場所ですが、周囲が見渡せる場所です。

この眺望を見ると、本当に苦労して登った甲斐があるというものです。



最高高度到達点をすぎて下って行きます。

通常はこれで随分楽になるのですが、じつはこの山は峯が3つあり、じつはあと二つ登って下ってを繰り返します。
これが結構精神を病むんですよねーということで、ここの写真はありません!

これを降り、再び国道252号線に戻ります。


しばらくは国道を緩い勾配ながら地味に登り続けるルートになります。
元気な時ならなんてことは無い程度の上りですが、既にヒルクライムを3本ほどこなして来た感じで、既に多くのライダーは疲労困憊という感じになってきます。


ここは秘境線として人気のあるJR只見線の小出側の・・・・・というのも以前福島を襲った豪雨被害で只見線は会津側で不通区間が有り、只見より先にはいけません。
JRはこの超閑散ダイヤの大赤字路線を復旧させるつもりはないでしょうから、只見までが廃線にならないだけでも奇跡かも知れないという事実は悲しい限りです。


と、走っている方はそんな感傷に浸っている余裕はありませんが、鉄道路線としても景観が素晴らしいところで有名なルートですから、国道ものんびり景観を楽しみながら走りたいところですよね。


この先、平坦地や、温暖な山間部の道では決して見られない雪よけ「スノーシェイド」が延々と続いていきます。

雪国の方にとっては当たり前の風景ですが、結構見ごたえはあります。
ただ当然日光も遮られるので昼なお暗いということになりますので、灯火点灯での通過は「車にぶつけられて死にたくなければ」最低限のマナーとなります。

まだこのあたりは只見線に並行して走る国道ですので、山深き場所ではありますが、比較的緩い勾配で走ることができます。


が、この先の「大白川」というところで、山側に右折して県道346号線に入ると途端に勾配がキツくなってきて、ペースがガクッと落ちてきます。
苦しいので当然写真も取れなくなってきます(笑)。

この先は破間川の上流域で「破間川ダム」があり、その最上流にある「浅草岳地域」の麓にある「浅草橋」が第3CPになります。

このスノーシェイドを抜けるとやっとダムが見えてきて苦しかった山岳セクションは終わりを告げます。

浅草橋を渡ってダムを横目に見てようやく到着です。

ここで昼食というタイムスケジュールで、おにぎりとけんちん汁が振舞われます。
が、今回は全く空腹感がなく、途中でバナナを一本食べただけなのですが、固形物を撮りたくない感じです。
これは調子が悪かったのではなく、昨日のから大量に摂取した「魚沼コシヒカリ」と熱燗と、走行直前に撮っておいた「すあま(甘いだけのお餅のお菓子)」のせいだったのかもしれません。
うーんやはり「お米パワー」は偉大なんですね!。
多分それだけではなく、ドリンクに入れてある「マルトデキストリン」も効果絶大だったのかもしれません。

さてここからラストスパートですから、ボトルにマルトデキストリンとメダリストを溶かし込んで、炎熱サプリをかじって・・・・・いやここに来るまで今年一番汗を大量にかいたので、ミネラル分を補給してスタートです。


ここまでは上りが多く、下りも安全第一で臆病にノロノロ走っていたので、ここからの下りセクションはその鬱憤を晴らすべく、最大戦闘速度で高速走行を楽しみます。
やはりある程度広い道で先の様子が分かっているところでないと、どうしても「下り」だからといって飛ばす気にはなれないんですよね。

国道を下ると、登とは別のルートで、「入広瀬」市街地を抜けて、破間川対岸の山沿いの道を下って行きます。
このあたりも山が濃い感じで、交通量も少なく気落ちよく走れるコースになっています。

初年度はここで完全に脚が売り切れになっていました(苦笑)。

この後再び国道252号に合流して、そのまま魚沼方面に向けて走ります。
今度は細野というところで破間川を渡る前に左折して県道346号線で破間川の東岸沿いを走ります。


さてこのあたりで今まで全く頭になかった「走行時間」がよぎってきました。
最初に参加した年は6時間11分、昨年は雨とパンク修理の手伝いで6時間28分というタイムでしたが、今年はこの時点で計算すると6時間25分ほどで到着するかなーという感じでした。
まあ、そう思った瞬間欲が出て「せめて初年度と同程度のタイムで走りたいなー」と考えて、初めて平地でペースを上げ始めました(苦笑)。

基本下り基調でしたし、風は西風で横から吹いている感じでしたからそこそこペースは上げられましたが、こんな風景の良いところは、のんびりと楽しむのが本道ですよね(笑)。


破間川の近くを通るところですが、昨年の同じところの写真では川は濁流となってかなり増水していたことがわかると思います。

今年は雪が少なかったこともありますが、やはり雨が降らないのが痛いですよね。

魚沼市市街地に戻り、国道352号線にぶつかればいよいよラストスパートです。
沿線の方も「あと10kmくらいだからガンバレ!」と声援を贈ってくれます。

しかし何処を通っても沿線の人たちは手を振って応援していただけて、毎回思いますが本当に地元の人達に支えられて開催されていることがよくわかります。

ここからはラストスパートをかけていたので写真が途切れますが(苦笑)、12:54にゴール、無事魚沼ロングライドを完走することができました。


走行データログは以下のとおりです。

実走行タイムは6時間13分と、初年度のタイムとほぼ誤差範囲で同着レベルのタイムでした。
初年度のデータログと比較してみると、平均速度で0.5km/h遅く、走行時間は7分余計に走っていることがわかります。
初年度はマドンAにキシリウムSLRという組み合わせで、銚子センチュリーライドの翌週に間を開けず出場していましたが、パフォーマンス的には多少軽いだけで、ターマックやレーシングゼロの推進力を活かしきれていないのでイーブンと考えています。

これをどう判断すればよいのかは難しいところですが、いつものように自分に甘く(苦笑)見てみれば、確かに途中まではタイムなど気にせず撮影しながらのんびり走っていたことや、膝やバイクの都合でトルクをかけたスパートができなかったことを考えれば、体力的にはかなり余裕があったように思います。
これは初年度が結構高温だったこともありますが、スタミナが切れてへばっただけでなく、何度も途中で足が攣りそうになり(ゴール手前で攣ってしまいましたが)、ギリギリに攻めた結果のタイムであったことから、今回のように余裕を持って楽しみながらほぼ同タイムという事は、少なくとも3年前よりは体力的には向上していると考えても良いのではないかという結論になります。

まあそんなことは実は「些細」な事で、実は今回のイベントはスタートからゴールまで、常にニコニコしながら「楽しいぞー!」と叫びながら走れた事に価値が有ると思っています。
通常どんなイベントに出ても、途中で苦しくなると、途端に「こんなイベント出るんじゃなかった」となり急につまらなくなる時があるものなのですが、今回はたとえ急勾配が続く山岳路であっても、本当に心の底から自転車で走れることが楽しくてしょうがないという感じで、自転車生活においては今年長らく続いた暗いトンネルを抜けて、ようやく本来の楽しさを取り戻したことが、個人的に本当に嬉しく思います。