昨日のブログで、ポジションを調整云々を書きましたが、実はサドルの角度を少し弄りました。
基本サドルの角度は水平に合わせるという「セオリー」に従っているだけで、あまり詳しい考察加えたことはありませんでした。
これも実は絶対な正解のない「先の見えない果てしなき旅路」のようなもので(苦笑)、迷宮にはまり込むとなかなか抜け出せなくなるものなんです。

自分のフェルトはとくに一昨年から「長距離イベント用」として遠征に使うことが多く、自家用車に積み込む場合、シートポストを外してしまうので、頻繁な抜き差しがありました。
そのせいなのかシートクランプも緩んでいたわけですが、シートポストの「やぐら」の部分もゆるんでいたのか、サドルがいつの間にか前傾していました。

昨日は出先でしたので、自転車を置いて水平線のある構造物(フェンスとか)で見てこのように調整しました。
実は乗車していて「なんだかお尻が段々前にズレてきているな」と感じていたのと、前腕に体を支えるような力みが感じられたので前傾していることが分かりました。

見た目は水平に見えますが「水平儀」を置くと、着座位置が僅かに前傾していることがわかります。

サドルも上面が波を打っていて水平でないものも(セラSMPなど)もあり難しいのですが。

今度は水平儀通りに水平にセットします。

実はサドルの角度とペダリングに相関があることが分かっていて、他のポジションのジオメトリーが同じであるという前提で、大雑把ですが前傾させると太ももの前側の筋肉「速筋」が動いて踏むみ方向のペダリングになり、後継させると太ももの後ろ側の「遅筋」、いわいるハムストリングが動いてどちらかというと「引き足」方向の回すペダリングになるようです。

うーん文章で説明するのは難しいですね。
横から見てペダルの着座位置を中心点と仮定して、体の位置関係を見るとよく理解できますが、今度暇ならそういう相関図を作ってみますので、宛にしないで数年単位でお待ちください(苦笑)

一つよくある事例として、スポーツバイクに乗り始めた人が、ハンドルとサドルの高さの落差を広げた結果、踏みやすいからとサドルを前傾させているライダーをよく見かけます。
困ったことにこれが良くフィットした上に、なんの問題もなくパフォーマンスを発揮し続ける人もいるので良く解らなく成るのですが(笑)、一般的にはそのライダーは速く走りたくてそういうポジションに行き着いているので、確かにパワーがかけやすく、重いギアを回しやすいのでスピードは出ますが、大腿二等筋の前側の速筋を消耗させるので、結果そこの場所がロングライドなどでは攣ってしまうことになります。
また筋力がないライダーが、パワーを補おうと同じロジックに行き着いて、結果として足が持たないということもあるので、もし思い当たる方がいましたら、サドルの角度は水平方向に直してみてください。

先にも言いましたが、これは他のジオメトリィーとの「壮大な組み合わせのパズル地獄」ですので、サドルの高さ、前後位置、クリートの取り付け位置、フレームのサイズ、ハンドルの幅、突き出し量、などの組み合わせで自分の体の各部のサイズや関節の柔軟性、筋肉の付き方、筋肉の特性に、走り方や走るステージという要素も加わりますから、如何にポジション出しが難解で困難で、それでいて重要であるということがお分かりいただけるでしょうか?

自分の場合、サドルの角度を水平方向に戻した結果、今度はハムストリングのみが動きすぎて疲労してしまったので、5mm程サドルを前につき出してバランスを取ってみることにしました。


これもまたロングライドを走ってみないと何とも言えないんですよね(苦笑)
と、これの繰り返しをシーズンインまでに完了させておかなければいけないんです。

これで位置関係が決まったので、シートポストが滑らないように一度引き抜いて、滑り止めの「ファイバーグリップ」を使います。


これはジェルの中に、おそらく細かいシリコン砂が混入していて、この砂が素材に噛み込んで滑りを止めるというものです。

シリコン砂は、一部で「魔法の粉」と呼ばれていて、部品接合の滑り止めで、いろいろやっても効果がない場合、最後の手段で使ったりしています。

このジェルをフレームのライナーの周りに塗りますが、以前にも塗ったことがあったはずですが、幾度かの抜き差しで綺麗に無くなっていましたので、再度塗布します。

これで高さをデータ通りに調整してトルクレンチでボルトを締めればFELTの整備は終わりです。
まあこのほかもドライブトレイン系の汚れを洗浄剤できれいに落として、もう一度チェーンオイルを塗布するなど一通りの整備をして、何時でも出撃できるようにしておきます。

ここで終わりにしておけば良いのに、調子に乗ってGT改+の整備も始まってしまいました(苦笑)
同じくドライブトレイン系の汚れを落として注油しなおすのですが、どうせならとスプロケの交換もすることにしました。
もともとGT改+は9速化するときに中古品であったCS6500の12-27Tの完全にロード用(昔の9速アルテグラグレード)のスプロケを入れましたが、よくよく見てみると、最新のモノに比べるとギアの一枚一枚の歯の形状や、土台のスパイダーの形状、材質などが「古臭い」感じがして、当たり前ですが最新のものが大きく進化しているので、リアディレイラーをディオーレに変えた時に、スプロケも変える予定でした。

シマノのCSHG80と言うものですが11-28Tと若干ワイドなギア比で、結構軽量なものでした。

で取り替えようと工具をで回したら、スプロケ外しの工具が滑って回りません。
よくよく見てみたら工具の「刃先」が摩耗して丸まっていて、よく噛みこまないようになっていました。

右の工具は、以前しまいなくして一時行方不明になった時に新しく買ったものですが、買っておいて正解だったようです。
この工具は2007年に、当時お世話lになったショップの店員さんが「本格的に始めるのならセットで買っておいたほうが良いよ」と言われて買った整備セットの物ですが、そういえば10年間で何回スプロケットを交換したのでしょう。
当時はセットでけして安いものとは思いませんでしたが、十分元を取ったようです。

なんとかスプロケットもセットできました。

で、せっかくホイールを外したのだかと、前後ホイールのハブのグリスアップまでしてしまい、今日は休養日にしようと思っていたのがへろへろになってしまいました(苦笑)
この他にも5月21日開催の「ツールド桜川」のエントリーで、慣らしついでにGT改+で郵便局に振込に行ったりと、結局週末は「いつものように」自転車三昧で終わってしまいました。

なんだか体を休める暇もなく、何処かに出かけるでもなく、のんびり映画をや音楽を鑑賞しているでもなく、こうやって最後に自転車のブログを書いて僕の週末は終わってしまうわけです。
これって結構幸せなんでしょうね(笑)