自分の密かな楽しみの一つに「乗り鉄」があり、青春18切符を買っておいて、別にどこに向かいともなく「北に行ってみよう」とかいうレベルで時刻表とにらめっこでプランを立てて、ノンビリと一日中列車に揺られるというものがあります。

そんな乗り鉄のなかでも印象的だったのが只見線で、磐越西線の会津若松駅(福島県会津若松市)と上越線の小出駅(新潟県魚沼市)を結ぶ135.2kmの路線です。

この写真は只見線沿線の雪景色が見たくて、2010年ですから7年前にひとりでノリに行った時に撮影したものです。

ところが翌年の2011年7月の豪雨被害により橋梁が流出するなどして不通になってしまい、このうち会津川口~只見間27.6kmは、バスによる代行輸送が続けられていました。
まあ直通で走る列車など数えるしかなく、どう見ても赤字路線のこの只見線を、優良民間企業のJR東日本が大金をかけて復旧させるはずもないと(当然皮肉です!)、全線開通は諦めていましたが、福島県が鉄道施設や土地を保有し、JR東日本が列車の運行を担うという、「上下分離方式」で復旧させることが決まったそうです。

そのあたりの詳しい事情は知る余地もありませんが、有数の豪雪地帯で観光以外の産業も見込めなかったであろうこの地域のこれ以上の地盤沈下をなんとしても阻止しようという県の意気込みなのでしょう。
地元の住民も、冬場など道路が冠雪で不通になることが当たり前で、鉄道はいわいる「ラッセル」で除雪をして定期運行を確保していたわけで、生命線とも言える鉄道の復活は待ち望んでいたことだと思います。


こちらはよそから観光目当てで来る「お気軽な」立場の人間ですから、偉そうなことは言う資格などありませんが、いまや数少なくなっている「秘境路線」の非電化区間ですから、また喘ぐように登っていくキハ40系に揺られて春夏秋冬の奥会津の景色が見られて、地元の人達や食材に巡り会えるのは本当に嬉しいです。


復活がかなった暁には、トレーニングの時間を割いてでも、青春18切符を片手に、もう片手にビールを持ちながら(笑)、只見線に赴きたいと思います。