この「スホーイPAK FA」、うーん、まるでお約束のような出来上がりですね。
ロシアというより旧ソ連の新型戦闘機というと、大抵その頃の欧米(西側)の機体の色々な特徴をパクッたうえ、なんとなく野暮ったいディテールの機体を作ると言うのが過去の「定番」でした。

コンコルドと超音速旅客機の開発を争ったツポレフTu144が、あまりにコンコルドに似ていて、ロシア人の名前に「〇〇スキー」と言う名前が多い事から、「コンコルドスキー」と呼ばれていました。
この写真を見ただけだと良く判らないのですが、エンジンやインテークの配置や、もし水平尾翼が無いのだとすると、F22ラプターのまねと言うより、競争試作で敗れた、ノースロップYF23に似ているような気がします。

1980年代後半から開発が始まった、F15イーグルの後継機を「ATF(アドバンスドテクノロジィファイター)」は、当時のワルシャワ条約軍(ヒエー懐かしい!)の防空システムを突破して、制空優勢を勝ち得る為に計画されたので
1、高空の超音速巡航で、ミサイルやAAA(対空砲)が届かないようにする。
2、低空飛行を考えていないので、レーダーに補足されにくくする。
3、破壊された前線の滑走路から短距離離着陸出来る。
4、パイロット一人で、高度なセンサーと攻撃システムを使いこなす自動化されたコクピット
などが求められていて、YF23の方が、空軍の要求に忠実にしたがって開発されたと言われてます。

ところが、採用されたF22は、どちらかと言うと「機動性」を重視した機体で、冷戦後空軍の要求が変わったからだと言われています。
だけど現実的にはF22を開発したロッキード社の政治的働きかけと、裏工作が功を奏したとも噂されていました。
ロッキードは以前も同じように競争開発で他社から受注を奪い取った「前科」がありましたから、そういう噂も流れたのでしょう。

で、今回は、アメリカの主力戦闘機となって、情報の管理が厳しいF22の「コピー」をあきらめたロシアが、敗れたYF23のデータを、ノースロップから掠め取ったのではと言う話と、ノースロップが頭にきて、ロシア側に密かに売ったとか、インドとの共同開発もあるそうなので、中国へのけん制や、敵が居ないので生産数が減らされたF22に新たな「脅威」が必要だったため、ペンタゴンがワザと情報をリークしたとか、色々な噂が流れているようです。

まあ、アメリカも実用化するのに20年以上かかったシロモノですから、いくらリークされた情報があるとはいえ、実用化されるまであと何年かかるかは見当がつきませんが、ロシアの現用戦闘機「スホーイSu27、ミグMig29のシリーズ」のセールスで、「ウチにもアメリカに負けないステルス戦闘機がもう直ぐ出来ますから、繋ぎで、今の機体を買ってください」などという売り込み戦術には使えそうですね。