5月4日は天気もまずまずで、絶好のサイクリング日よりでした。
ただ、終日強く吹く南よりの風には悩まされましたが、これもこのイベント恒例の事の様で、このような自然現象も込みで楽しむのが、サイクリングの醍醐味ともいえます。

さて7:00に、亀戸の宿泊先を出発して、イベント会場の小松川公園に向かいます。
昨年の秋に行われた「荒川センチュリーライド」は、規模の大きな大会で、参加者も大勢居ましたが、今回は東京サイクリング協会主催の恒例のイベントとして、参加人数200名と、こじんまりとした、アットホームな感じのイベントのようでした。

公園に行くと、屋根つきベンチが大会本部になっていて、その周りにスタッフと参加者が居ました。



本部の近くに、珍しいタンデム車が数台いました。

何でも、視覚障害者を前席に乗せて、サイクリングを体験してもらうボランティアを協会で実施しているそうで、こういった公益性の高い取り組みも、積極的に行っているんですね。

さて早速エントリーをしてゼッケンを貰います。


ゼッケンをつけて、バイクの出撃準備も完了しました。

しかし、周りは結構高ソーなロードやツーリング車ばかりで、今回僕がエントリーしたAクラス(147km)で、クロスバイクは見当たりません。
おまけに、数日分の荷物や輪行袋、ナイトライド用の燈火類まで完備して、どう考えても浮きまくっていました。
更にライダーが、大柄のプロレスラーのような体型のオヤジと来れば、尚更です。
トドメに「宇都宮から自走できました」と言うと、まるで宇宙人を見るような目で見られていました(苦笑)。

いよいよ開会式が始まり、イベント開催です。

写真では判別付きませんが、中央の左側の老紳士はサイクリング協会の会長さんは、御年79才の現役サイクリスタで、ナゼカ「ほら貝」を吹きまくっている変な伯父さんで(笑)、それでも日本サイクリング協会の専務理事も兼務されているようで、スピーチで、「サイクリスタは上品であれ!」と激を飛ばしていました。

8:30スタートで、5人ずつに分かれて時間差でスタートします。
僕は11組目の集団で、いよいよ走行を開始します。
今回はノンビリサイクリングを楽しんで、たくさん写真を撮るつもりでしたが、何のことはなく、走り出したらいつもの通り一心不乱に全走者を追っていました(苦笑)。
途中でkanchiさんがせっかく来て応援してくれたのですが気が付かないで激走していました。

まあ、南風が終日強く、午後に夏ほど強まるとの予報だったので、最初の北行は、なるべく集団について(当然ドラフティングには絶対入らない!)AV30km/hで、折り返しポイントの埼玉県戸田市にある笹目橋に向かいます。
ここから東側に渡って最初のチェックポイントで、チェックを受けます。
この時点で1時間10分ほどで、係りの人から「早いですねぇ」と言われましたが、人と自転車を見かけで判断してはいけません(笑)、というかお世辞だったのでしょう。

ここから下りですが、東から南に向かうので、だんだん向かい風が強くなり、速度は25km/h維持が精一杯になります。
中には速いバイクのドラフティングを次から次へと乗り換えてペースを保つ人も居ますが、僕は今回意地でもドラフティングは使わないと決意しているので、早いバイクのペースについていく「だけ」にします。

途中で、センチュリーライドを走る会で、その筋では有名な「自転車百哩走大王」のジャージを着た参加者や集団が居ましたが、やはりここの会則に従い、誰もドラフティングは使っていませんでした。
何でも会則で「センチュリーライドは独走が原則で、顔を上げて流れる景色を楽しみ、正々堂々と風を受けて走る、自力で走って、自分へ挑戦する」を掲げているくらいで、僕もまったくそう思います。

まあ、レースとも成ればこれも作戦のうちで、卑怯もハチの頭もないのでドンドン使っていますが(苦笑)。

さて首都高環状線の下にある中州を下って、地下鉄東西線の鉄橋の先にある先端でチェックポイントと、エイドステーションがあるので休憩を取ります。


この場所に荷物を持っていって、補給のサービスをするのは結構大変だと思いますが、ボランティアでサポートしてくれる東京サイクリング協会の方には頭が下がります。
ありがたくスポーツドリンクやバナナ、ソーセージ、饅頭を頬張りました。
今回はこれ以外にも、栄養ゼリーやビスケット、オニギリ(梅干入り)を、ザックに大量に仕込んでおいて、少なくとも1時間おきに、強制的に栄養補給をしておいたので、少なくともスタミナが切れると言う感じはありませんでした。

それでも、乾燥した強風の中を、それなりの運動強度で走行していると、かなり汗を掻いて、水分や塩分(ミネラル)の消費は激しめだったようで、2箇所のエイドステーションでは足りず、自販機でスポーツドリンクと、今回始めて試したレモンビタミン飲料を補給しました。
ようは「C1000」のすっぱい小瓶の方ですが、この「クエン酸」は、乳酸の蓄積を緩和する作用があり、先の梅干入りのオニギリと共に、塩分補給も兼ねて、最後まで脚が攣らずに「持った」効果はあったようです。
これから夏場になり、水分と共に塩分ミネラル分の補給は、脚を攣らせないために重要だと思います。

さてここからまた「笹目橋」まで北上するので、今度は追い風に乗ってペースを当初の速度まで戻します。
笹目橋を渡り、再び下流に反転しますが、既に午後となり、更に強い南風に大幅にペースがダウンします。
ただこれも予定のうちで、既に相当マージンを稼いでいて、計算上リミットの7.5時間に1時間の余裕で完走できる見込みがあったので、この辺りから23km/h程度で、ノンビリ風を受け流して楽しむ事にしました。

途中、先の「自転車百哩走大王」の白髪白髭の品の良いご老体と同じペースで走っていましたが、その方が、合流路で一般のクロスバイクのオジサン(こちらは品が良いとは言えない)と接触していました。
オジサンが、後方確認も意思表示もなく、不意にターンしたのが原因で、まあ、一般の人の場合はこんなものだとは思いますが、あまりマナーや安全性とは無縁の感じなのが残念でした。

件の老紳士の方も、「ここは、一般人も参加者さえもハンドサインをする人が本当に少ないんだよなぁ」と嘆いていましたが、確かに昨年参加した「宮城センチュリーラン」では、ハンドサインで相互確認や注意喚起が出場者の方々には徹底されていた事と比べると、やや残念だったような気はします。

いよいよ後半戦で、メイン会場に戻り、ここから、葛西海浜公園を経由して、若洲海浜公園サイクリングコースに入ります。
ぐるっと回って、反対側に有明が見えるところでチェックを受けます。


反転してゴールを目指しますが、この辺りを走ると東京湾内とは思えない雰囲気ですね。


再度荒川湾岸橋を渡り、葛西経由で北上、葛西橋で西岸に移り、さああとは2.5kmのラストスパートです。
追い風にも乗り、周りのロードの集団を振り切って小松川公園にゴールです。

センチュリーランのゴールは、写真の通り、線が引いてあるだけの素っ気無い物ですが、今回は例の会長さんがほら貝を吹いてお出迎えしてくれたのは心が和みました。

結局146kmの、いわいる3/4センチュリーマイルを6時間39分で完走しました。

参加賞は、ワイヤー錠や、チューブが用意してあって、どれでも好きに持っていってという長閑さでした(笑)。

ですが、別に参加賞や完走証は僕にとっては「オマケ」と言う感じで、丸々一日荒川沿いを十分楽しんで走り回れた事が嬉しかったです。
東京サイクリング協会のスタッフの方々も、暖かく、時にユーモア全開で対応してくれて、また参加者で出合った方々も皆さんいい人達ばかりだったので、本当に暖かい「思い出」という、最高のお土産を頂きました。

まあ個人的には、「競技」形式のイベントの緊張感も嫌いではないのですが、このサイクリングイベントの良い意味での「ユルさ」の方に、個人的には気持ちが傾いてしまいますね。

ますます「センチュリーライド」形式にのイベントにはまっていきそうですね。