この「極超音速飛行体」というのは、弾道ミサイルのように一度宇宙に出るのではなく、マッハ5以上の速度で、「大気圏内」を飛行する技術が必要で、難易度が高い技術を要求されるのだそうです。

大気圏内でマッハ3くらいから「熱の壁」といって、空気抵抗で超高温になるので、耐熱技術が必要になり、高度を維持して長距離を飛行するためには、「ロケットエンジン」では不可能で、マッハ5以上でも安定的に作動するジェットエンジンが必要で、その開発は相当困難なのだそうです。
このX51が試験した「スクラムジェットエンジン」は、極超音速の「衝撃波」を使って空気を圧縮して燃焼させる物で、「台風の中でロウソクをともし続ける」に匹敵する困難さがあるそうです。

また「ウェーブライダー」という技術も、通常の航空機が主翼で揚力を得て飛行するのとは違い、胴体の先端で発生させた、超音速衝撃波を利用して、揚力を発生させる技術なのだそうです。
衝撃波に波乗りして飛行するような物なのでしょう。
ちなみに「Zガンダム」の飛行形態が、このウェーブライダーですね。

まあ、難しい能書きはともかく、マッハ5以上で、地球の何処にでも飛べる飛行機という事で、昔この技術を利用した「極超音速旅客機」で、東京からニューヨークまで3時間で飛行するなんて構想もありました。
結局、「軍事利用」として、「大陸間飛行極超音速ミサイル」という形で軍事利用、つまり「人殺しの道具」として実現しようとしているわけで、夢と違って現実の世界は残酷ですね。