実は、随分前に折りたたみ自転車を買っていて、紹介しそびれていました。
「ぶらり途中下車の旅」の機動性を向上させるのが目的です。
本格的なツーリングなら、ロードなりクロスをばらして輪行袋に入れれば良いのですが、もっと手軽に持ち運んで準備できる折りたたみ自転車を狙っていました。

これが届いた箱です。


このマークは?


良くある自動車「ブランド」の折りたたみ自転車です。


リアディレイラーは7速、つまりエンド幅が135mmとMTBのハブを使っている物です。
以前格安の折りたたみ自転車を買いましたが、フレームの剛性がどうという以前に、ハブやホイールが壊滅的に「安普請」で、僕の体重では直ぐに変形して使い物になりませんでした。
だから今回は、リアエンドが135か130mmという、MTBやロードのハブが使える物を最低条件としました。

今回はハブはシマノのものとかではなかったですが、まあまあの物が入っているようです。

ホイールが「ママチャリ」のようにナットで止まっているので、後で、クイックレバーの使えるホイールを探して入れ替えるつもりです。

一応シマノの7速のディレイラーが入っています。
これと「Vブレーキ」が装備されていて、これがリアエンド幅が、ママチャリの120~126mmでは無く、135mmか130mmである一つの目安です。

価格は通販で24800円と、この値段で良い物が買えるわけはないのですが、ギリギリなんとか使えるクォリティは備えているようです。

さて、いよいよ今日は、この自転車で、初の輪行に挑みます。
目的地は「横須賀」で、宇都宮から「湘南新宿ライン」の始発で出かけます。
4:40に自宅を出かけてまだ真っ暗で、白い霜が積もる中を走って宇都宮駅に付きます。


フレームとハンドルポストの蝶番を折りたたみ、シートポストを外すとこのサイズになります。


袋に入れて、支度を整えるのに掛かった時間は10分くらいでした。


さて、いよいよ電車に乗りますが、折りたたんだとはいえ、結構嵩張る荷物を抱えて、ロングシートの普通車に乗るのは身のおき場所がありません。

ふとグリーン車を見ると、1Fの席に隙間があるようなので、750円でグリーン券を買って、乗り込みます。
こんな感じでシートと隔壁の間にすっぽりはまりますので、これなら邪魔になりません。


電車に乗り込んでからは、朝早かったことも有りひたすら寝ていました。
7:43頃、西大井駅で、横須賀線に乗り換えます。
で、これは普通車しかないので、最後尾車両の運転台の後ろに自転車を置きます。

日曜日のこの時間は、この路線はガラガラで他の乗客に気を使うこともありませんでしたが、やはり混雑した列車に乗るのは気が引けそうですね。

8:45頃、横須賀市の田浦駅に下ります。
此処は谷間の狭いところで、トンネルとトンネルの間に駅があります。


此処に下りた理由は、ここから自転車で自走して、16号線沿いに6kmほど北上した「追浜」に用事があったからです。
追浜というと日産の工場があるところで有名ですが、僕の行く場所は小高い山の上にある「鷹取公園」という、まったく無銘場所が目的地です。

此処は、特撮TVの「ウルトラマンメビウス」という番組で、主人公のメビウス=ヒビノ ミライと、防衛チーム「GUYS」の隊員アイハラ リュウが初めて出会う、「思い出の場所」として、何度も劇中にでてくる場所で、一度行ってみたかったんですよね。

此処に行くまで、国道16号をさかのぼれば良いのですが、あえて横道をユピテルATLASに入力しておいて、GPSを頼りに走ります。
この辺りは大きな国道以外は山道しかなく、小高い住宅団地を何度も上り下りしましたが、「ミニ」は、一番軽いギアに入れてトコトコと走りきってしまいました。
さすがにロードのようにガンガン登るわけには行きませんが、この程度の山道の連続なら十分走れるようです。

で、追浜の繁華街を抜けて、結構険しい坂を上がります。
これは15%以上の勾配があるようで、さすがにこの勾配をダンシングして登れる感じがしなかったので、200mmほど押して登りました。

頂上の公園に着きました。これが「思い出の場所」なのかな?。

なんか映像とはイメージが違いましたが、写真を見ると確かに此処のようです。
「ウルトラマンメビウス」は2006年放映で、撮影は2005年頃から行っていたので、もう5年も経ってしまっているんですね。

ま、此処はあっさり済ませて、今度は16号線を南下して、横須賀の町を目指します。
横須賀は古くからの「海軍」の町で、現在でも米海軍や海上自衛隊の基地があるところです。
横須賀駅を越えたところで、軍艦が見えます。

これは自衛隊の護衛艦で、「DDいかづち」すね。

対岸の米海軍の桟橋には、俗にいう「イージス」艦がたくさん見えます。

イージス艦というと、マスコミは究極の軍艦のように宣伝していますが、アメリカ海軍の駆逐艦は、もうほとんどイージスシステムを搭載した「アーレイ・パーク」級で揃えられているようです。
うーん金持ちは違う!。

方や自衛隊の方にも、自衛隊初の航空母艦「ひゅうが」が停泊しています。
当の自衛隊は、「航空機搭載護衛艦」だと言い張っていますが、空母は空母だよなぁ。


ちなみに護衛艦の艦名は「ひらがな」表記で、漫画家の松本零士大先生に言わせれば、「軍艦は威厳が必要で、かな表記は相手に舐められてイカン!、漢字表記にすべきだ」と仰っていました。
まあ、中国や北朝鮮、いわんやロシアの軍人がひらがな艦名だからといって舐めて掛かるかどうかは、僕にはわからないですね(笑)。

軍港を越えて南下していくと、米軍基地の向こうに「三笠記念公園」があります。
最近NHKのドラマで司馬遼太郎原作の「坂の上の雲」を放映しているので、かろうじて「日露戦争」なるものが有り、ロシアと戦争をしたんだという事実を知っている人が増えましたが、「東郷元帥は、東洋のネルソンと言われたえらい人なんだ」と言っても、キョトンとされてましたから、当時の連合艦隊旗艦(司令長官の乗る艦)三笠と言う戦艦が、横須賀に現存している話などは、誰も知りませんでした。

今は記念艦として、周りをコンクリートで固められた今の戦艦三笠です。


この銅像の人が、当時の連合艦隊司令長官として、ロシアのバルチック艦隊を打ち破り、近代海戦において、東洋として初めて西洋を打ち破った英雄の「東郷平八郎元帥」です。


三笠を前から見たところです。


この三笠は完成した1900年当時においては、世界最強の戦艦として、イギリスで建造された物で、当のイギリスは、自国の主力戦艦「マジェステック」クラスを改良した最新艦を、極東の三等国に売ってくれました。
これは、好意やビジネスなどではなく、成り上がりの日本を「東洋の番犬」として、ロシアに噛み付かせようとした「策略」の一環ではなかったかとも言われています。
「どうせ日本人には同じ物は作れないだろう」と舐めていたのかもしれません。
イギリスはこの日本海海戦にも、チャッカリ技術武官を乗艦させて、念入りに海戦の様子を調査していて、その後の自国の戦艦の建造にノウハウを盛り込んでいます。

これが主砲の30サンチ(12インチ)カノン砲です。
これで敵の戦艦と打ち合いをして雌雄を決します。

とうっじの戦艦の標準的な主砲で、連装砲塔を前後に1基づつ配置するのが普通でした。

横に出ているのが「副砲」の15センチ砲と、8センチ砲で、小回りが効いて連射性能があるので、隊列を組んで接近した連続攻撃や、小型艦相手等に使用します。


艦尾には「スタンウォーク」というバルコニーのような回廊があります。

帆船時代からの名残で、「特権階級」たる艦長の部屋がが艦尾に有る為にです。

しかし、もはや100年以上前の歴史の遺物で単なる鉄の塊ですが、迫力がありますね。
好き嫌いや主義主張を超越した凄みが、軍艦からはかもし出される物ですが、やはり「戦艦」のオーラは格別の物があります。
この辺りを理解できないクリェイターが作ると、アニメだろうがCGだろうが「ヤマト」は、単なる「宇宙船」として扱われてしまい、「戦艦」たり得ない訳ですね!。
と、この辺りは趣味と偏見丸出しです(苦笑)。

11:00になり、お腹がすいたので、横須賀といえば「海軍カレー」で、カレーを食べる事にします。
ただ、いわいる「海軍カレー」と呼ばれている物に特別の執着があるわけではないので、予めネットで調べた評判のお店に行きます。
横須賀中央駅近くの「ベンガル」と言う店です。


店舗のデコレーションから、スパイシーなインドカレー専門店かな?と思いましたが、結構オーソドックスな「昔ながらの」懐かしいカレーであると言う評判の店です。
オリジナルのカレーは500円と、思いっきりリーズナブルで、量もあります。
僕はビーフカレー大盛りに、目玉焼きとソーセージを乗せた「ジャーマンエッグビーフカレー」950円を頼みました。

確かにあっさりとした、いかにも「カレー」と言うわ味わいのルーで、好き嫌いはあるかとは思いますが、僕はかなり好きな部類のカレーの味です。
不思議と、最初より、食べ終わるほうになって、口の中にじわりとコクと旨みが広がってきました。

帰りの電車の時刻を考えると、12:00頃には帰らなくてはいけないので、急いで横須賀駅に向かいますが、どうも後輪がパンクしているようです。
朝エアを確認した時、後輪がやけに甘かったので嫌な予感はしていましたが、どうやらスローパンクのようです。
ここで市販の「パンク修理材剤」を試して見ましたが、まったく注入される気配が無く、盛大に泡が吹き出して失敗してしまいました。
これはまったく使えないな、オイ!。

しょうがないので急いで電車に乗り、乗り継ぎで時間が有る逗子駅のホームで「自転車屋さん」を開店することにします。
クイックレバーではないので、シャフトの両端のナットを工具で緩めて、後輪を外して確認します。
どうやら、ホイールのバルブの穴がアバウトな形状で、バルブを閉めこんで斜めになってしまい、バルブの根元が切れてしまっているようです。

この辺りが、値段が安いと言うところの理由の一つのようです。

リムテープも貧弱を通り越して、「完全な役立たず」で、薄いゴムを貼ってあるだけのお粗末な物です。

この辺りは、購入したら一度ばらして見て確認しておくべきでした。
少なくともタイヤやチューブ、リムフラップなど、「パナレーサー」の物に変更しておいたほうが間違いが無かったのかもしれません。
もっとも僕は、ホイールごと交換する予定なので、そのままにしておきましたが、これは予定を早めて次回までに改良しておかなければ成らなくなりました。

今回は暫定措置で、英バルブのチューブから、仏バルブのチューブに、アダプターを付けて組み込む事にします。これでロード用の携帯ポンプも使うことが出来ます。


まあ、工具だのアダプターだのを用意していったと言う事は、ある程度こうなる事は予想していたと言う事で、「イヤー、こんな事も有るかと準備しておいたのが役に立ったよ」と、一人ホームでほくそえんでいましたが、逗子駅の1番ホームでこの光景を目撃していた乗降客達の目は冷たかったのも事実でした(笑)。
なんとか修理も成功して、後は逗子始発の宇都宮行き快速に乗って帰るだけです。
帰りはビールを飲んだら、ほとんど直前まで爆睡してしまいました。

さて、追いたたみ自転車を使った始めての輪行旅行でしたが、この小さい折りたたみ自転車でも、思った以上の機動性があることが判りました。
さすがに小径車輪でギアが軽く速度は出ませんが、のんびり走っていれば、結構な距離をこなしても苦になる事はなさそうです。
サドルもクッション性、形状とも良く、オシリが痛くなることはありませんでした。
フレームもしっかりしていて、ドライブとレーンの剛性やキレも問題は無く、Vブレーキも良く効きます。
おそらくホイールセットをしっかりした物に変えるだけで、十分に使えると思います。

あとは、もっと暖かくなってから乗りたいですね(笑)。