最近の時計は「電波時計」が増えて、いちいち時間合わせをしないで住んでいるので助かっています。
この電波は、西日本では佐賀県と福岡県の県境にある「はがね山送信所」から60kHzと、福島県にある「おおたかどや山送信所」から40KHzの長波(AMラジオより更に周波数が低い、波長が長い)により、「標準時間」のデータを送信しており、これを受信して時間を合わせているのです。

今、普通に電波時計を買うと、この両方の周波数を、取れる方で切り替えて受信してくれますし、気の利いた時計だと、アメリカ、韓国、欧州の標準時間電波も現地に行くと自動受信して、時差まであわせてくれます。
ところが、ホームセンターなどで980円くらいで売っている目覚まし時計の場合、コストの問題でしょうが、1種類の電波しか受信できないようになっています。
だから関東地方以北の地域では「おおたかどや山送信所」からの周波数で、概ね関西以西は「はがね山送信所」の周波数を受信しているはずです。

と此処までが前置きで(何時ものとおりくどいですね)、実は今朝から我が家にある目覚まし時計が、電波を受信できないので不思議に思っていました。
ちなみに我が家にはわざと「はがね山送信所」の周波数しか取らない時計を取り寄せて置いてありますが、そちらは無事に受信しているようです。
この標準電波は、大雨や雷、送電所の点検などの停電で止まる事があり、「おおたかどや山」は福島県の双葉郡川内村という、今回の震災の被害地である為、送電に問題があり止っていたのかと思いました。

念のため、標準時間を管理している「日本標準時間(JST)プロジェクト、http://jjy.nict.go.jp/index.html」のHPを見てみてビックリしました。
なんと、停電の為止まったのではなく、福島原発の近くで、職員が避難してしまい、システムを停止してしまっているという事では有りませんか!。

驚いて地図を見ると、ああっ!確かに近いです。

福島原子力発電所の第一と第二から、およそ15~16kmの距離にあり、避難エリアにすっぽり入っています。


これはもしかしてしばらく「おおたかどや山」の送信は見込めないかもしれません。
まあ、栃木県宇都宮辺りでしたら、かろうじて「はがね山」送信所の電波も拾う事が出来るので、腕時計とかは大丈夫だと思い・・・・・・・、待てよ!、たしか佐賀県に「玄海原子力発電所」が有ったよな!。
地図を見てみると、距離にして32kmくらいで、万が一こちらの原発にも何か起こるという、関係者から言わせれば「天文学的な確率で有り得ない」事が起きると、国内の電波時計は役に立たないという事になってしまうんですね。

まさかこんな事にまで影響があるとは思いませんでしたが、我々の生活を豊かにしてくれている色々なシステムや設備などは、結構「脆い」物だということは肝に銘じておくべきで、万が一の時にあまり文明に頼らなくとも生活が成り立つような、単純で原始的な「セルフバックアップ」の装備とスキルは、持っておいた方が良いのではと、改めて思いました。

とかいって、時間の場合「日時計」じゃ、役には立たないしなぁ(苦笑)。