僕の特技の一つに、「逃げ足が速い」という、あまり自慢にならないモノが有ります(苦笑)。
危険を感じると、前頭葉が判断する前に、脳幹の反射神経で、自分が気が付いた時には「スクランブル発進」しているという感じで、具体的な避難する時のスピードも早く、周囲に呆れられています。

まあ、僕一人なら如何なる場合でも逃げのびれるように準備もしていますし覚悟もありますが、良く考えると、年老いた僕の母は、足に不安があり、歩けなくはないのですが、いざという時には長時間走るというのはほとんど不可能である事に改めて気が付きました。
以前から言われていた事ですが、本当に危ない時は、自動車による避難は命とりで、残念ながら今回も津波の避難に車を使ったために、助かるはずの尊い命が失われてしまいました。
とはいえ、年老いた両親、小ささ子供、又は病気で寝込んでいる人、障害者などがいた場合、車を使うなというのもそれは酷な話で、何らかの移送手段は考える必要が有ると思います。

で、自転車に付けられるキャリアの話を以前しましたが、これは本格的に考えなくてはならないと思っています。
昔の「ゴジラ」の映画等は、ゴジラが現れると、地元の消防団が「半鐘」を鳴らし、避難民は家財道具や年寄りを
荷車や、リアカーにくくりつけて逃げているシーンが良く有りました。
ゴジラは1954年、昭和29年に第1作が公開されましたから、あの避難風景は、戦争中の空襲などから避難する「リアルな」生々しい記憶が鮮明に残っていて、それを映像化したモノだったのでしょう。

避難風景の中で、もう一つ記憶に残っているのは、お母さんは赤ちゃんをオブって、両手にまだ幼い子供を曳いて、賢明に逃げ回る風景です。
戦争体験者で、実際空襲の業火の中で逃げ回った生存者の母の話ですが、当時子沢山で、乳飲み子も兄弟に居たそうですが、今は亡き祖母は寝る時に隣に赤ちゃんを抱いて寝ていて、枕元には「負ぶい紐」を必ず用意しなければ就寝しなかったそうです。
で、実際アメリカ軍のB29爆撃機の「焼夷弾」による、民間人への容赦無い「無差別爆撃」の業火から逃げ延びて、幼い兄弟や赤ちゃんも全員無事だったそうです。

確かに、切羽詰った時で、まして見知らぬ場所や暗闇の場合など、「両手」が塞がっているのは大変危険で、群集の中や、今回のよう津波、洪水などの場合、子供を抱えきれる保証も無く、色々デメリットもありますが、「負ぶい紐」で、負ぶって逃げるのが最も賢明のように思います。

以前から、ショッピングセンターや公共交通機関などで見かけて思っていましたが、「ベビーカー」という物は、それは便利で、親御さんの負担は少ないだろうとは思うのですが、イザとなったらこれでは子供の安全は図れないのでは?と密かに思っていました。
僕自身独身で、赤ちゃんや小さい子供をつれて出かけたことは無いので、その苦労を身に染みているわけではなく、無責任は意見だと思う方もいらっしゃるだろうとは思いますが・・・・。

普段から絶対ベビーカーを使うなと言うわけではなく、出かけるときは出来れば簡易式の物でもいいので持ち歩くようにして、いざとなったら負ぶって逃げられるようにしておいたほうが、いざという時(この時が来て欲しくはないのですが)、後悔しないで済むのではないかなと思って書かせていただきました。

後もう一つ、小さなお子さんがいる親御さんは、自分の子供を抱えて、如何なる災害からも逃げ延びれるだけの「体力」は、備えておいた方が良いのかもしれません。