ここ数日、本当に暑い日が続いています。
気分的な問題かもしれませんが、ここ西日本の暑さは、関東地方よりも堪えるような気がしています。
昨日の予報は曇りで、雨のマークも出ていましたが、ここまで来てしまったのですから、計画通り「しまなみツーリング」を決行しました。

なにせ今回は、コースの様子がまったく解らず、この天候ではペースが上げられるわけもないので、出来るだけ早く出発することにします。

こういった、旅先での早朝の出撃準備は、昨年から幾多のロングランイベントに出て慣れているので、今回は忘れ物もなく、すんなりと準備が出来ました。

尾道から、隣の「向島」にはフェリー・・・というより渡船で渡ります。

ここはかれこれ6年ほど前、映画「男たちのYAMATO」で使われた、原寸大の戦艦大和のセットが向島の廃業した造船所に作られており、「観光」として公開されたセットを見に来たときに、この渡船に乗りました。

フェリー乗り場に「しまなみ海道」のコース図がありました。

これ、結構しんどそうな気がします。
島々を巡るルートなのですが、これは僕の嫌いな「山登り」がたくさんありそうな予感が(苦笑)。

フェリーは早朝だったこともあり、僕だけを乗せて走り出しました。貸切ですね。


反対側の船着き場に到着です。

自転車がいっぱいあり、タクシーも数台控えています。
このフェリーが、住民の大切な「生活の足」なんですね。

6:46、いよいよ出発です。
しまなみ海道のコースは、なんと青いラインで誘導してくれるそうで、標識もしっかりしているので迷うことは無さそうです。


市街地を抜けると、海岸線沿いのルートに出ます。
海なし県で生まれ育った僕にとっては、この風景が何よりのご馳走になります。


さていよいよこのツーリングのメインイベントである、「海道」たる橋を渡ります。
と、いまさらながら気が付いたのですが、島をつなぐ橋は、どれもみな高ーいところにあります。
歩行者や自転車、原付は、自動車とは別の入り口から、九十九折れのスロープを登って橋まで上がります。

えっ!、橋は全部で6本渡らなければならないのですが、ということは往復で12回も登らなければいけないということなんじゃない!。
「聞いてないよー!」
うーんこれは海岸沿いの楽しいツーリングというより、完璧に山岳ルート込のセンチュリーライド並みのシンドさがあるということのようです。
まあ、ぼくが良く調べていなかっただけなんですが(苦笑)。

とはいえ、かなり高いところにある橋から見る瀬戸内海の風景は本当に絶景です!。

こういった風景を今までの人生で見たことはなかったので、トホホのヒルクライムの疲れも吹き飛んでしまうほど感動してしまいました。

しかし、幾つかの島が犇めいている狭い海峡が複雑に交差しているこのあたりの海は、素人目でも海流が早く、複雑な潮目がみとれます。
まあ、知らないでこんな海に落ちてしまったら、間違いなく助からないですねぇ。


いよいよ大三島橋で、しまなみ海道の中間地点です。


じつはこの辺りでかなり消耗していました。
坂を上っていたからというだけでなく、今日は終日強い南西の風で、往路は完全な逆風なんですね。
おまけに、夏休みに入ってから飲み会やロングランツーリング、止めに徹夜での1000kmドライブと、当たり前のことですが疲労が溜まっていたんですねぇ。
おまけに一日中エアコンの効いた車で凄し、ホテルの部屋もばっちり冷えていましたから、この暑さに体が「ヒートショック」を起こして、胸が苦しく、息が上がってきました。
昨年の「笠間センチュリーラン」の時と同じです。
まあ、お昼ご飯食べて午後になれば調子は上がってくるとは思います。

最後の島の「大島」の海岸線沿いの道です。

こういったところだけ、走りたかったんですがねぇ(苦笑)。
山の中の峠越えの道なんかは、栃木や茨城の田舎を走っているようで、写真なんかは取りません!。

この大島は、しまなみ海道の中で一番大きな島ですが、ルートで2つも峠越えの長い坂道がありました。
坂道だけならもっと苦しいルートはいくらでもありましたが、暑さと疲れでげんなりしてしまいます。
実際、レンタサイクルの家族連れなどがたくさん走っていましたが、ロードで乗りなれた人ならともかく、ママチャリ程度の自転車で久しぶりに自転車に乗ったお父さんなどはかなりキツかったのではないでしょうか。

さあ、最後の「来島海峡大橋」に上ると、高い山が連なっている陸地が見えます。
そう、これが四国です。
実は、飛行機や自転車イベントで日本中をうろついている僕ですが、四国は一度も行ったことがありません。
しかも、自分の脚で漕いで本州から渡るというのは格別なものがあります。
橋を渡って、連絡橋を降りると、そこは愛媛県今治市です。


おおっ、何とも言えない達成感があります。
観光できていたオジサンに記念写真を撮ってもらいます。


こうこれで気分的にはミッションオーバーです。
一応今治駅まで行って、食事をして帰路につきます。
せっかく「本場」に来たのですから、本当は「うどん」の美味しいところでも探してというところですが、このお楽しみは明日の予定になっているんですね。

あとは同じルートを戻るだけですからレポートの書きようがありません。
まあ、こんな坂を12回登ったりしているんですね。あーあ・・・・。


帰路は往路と違い、完全な追い風になりました。
平地の街道なら、35km程度で巡航できます。
午後で暑さもピークに達しているので、休憩を増やして、体に水をかけながらひたすら走ります。
15:45に向島のフェリー桟橋に到着です。

しばらく待ってフェリーに自転車を乗せて、これで完全に終了しました。
休憩込みで9時間かかったことになりますね。

ポラールのデータです
走行距離    156km
最高速度    49.6km/h
AV速度     22.8km/h
最大HR    164
平均HR    131
最大Cad    127
平均 Cad   74
KCal      5127

やはりかなり遅かったですね。
イメージ的には何時もインナーローで、くるくる回して坂をの上っていたような気がします(笑)。
上り坂が多かった割にはケイデンスが落ちなかったのは、坂道はとにかく一定のケイデンス(70程度)で速度も一定で登っていたからで、足の負担はかなり低かったようです。

さて、待ちに待った待望のしまなみ海道ツーリングですが、絶景と渡り切った達成感はありますが、面白いですかと聞かれると、多少「うーん」というところもあります。
少なくとも今の季節はちょっと大変かもしれないですね(笑)。
全行程を往復しようとすれば、ある程度のペースで走らなければならないので、「観光」で、いろいろなところをのんびり見て回るのであれば、2日かけて往復すると楽しいかもしれません。

関東地方に住む我々の場合、なにせ来るだけでも大変ですから、そう何度も来るわけにも行かないのですが、「センチュリーラン」イベントと合わせて、お祭り的なイベントであれば面白いかもしれません。

いま眠い目をこすりながら、ホテルの一室でやっと書き終えました。
明日はまた四国にわたって、「讃岐うどん」に特化したドライブをする予定です。
まあ、21日の朝までに変えればいいので、「気の向くまま」旅を続けたいと思います。