皆さん御存知の「ディアゴスティーニ」ですが、まあ今までなんとか誘惑を振り払って購入するのをとどまっていました。
これ、我々の世代のオトウサンのハートを直撃した企画が満載で、乏しいお小遣いからコツコツ買い集めると言うスタイルを取れるようになっているんですよね。

ところが今売りだされている「ジェリーアンダーソン、SF特撮DVDコレクション」は、まんまとはまって、定期購入を決めてしまいました。


まあ、「サンダーバード」が全て揃うのも魅力でしたが、「謎の円盤UFO」が揃うと聞いて、ああっもう購入を思いとどまる理由がなくなってしまいました。
合わせて「キャプテンスカーレット」、「海底大戦争スティングレー」、「ジョー90」なども揃うので、これらをしばらく存分に楽しめることが出来ます。

さて、最新のVol6が届いたので、ウキウキしながら見られる・・・・・と思ったのですが、内容がなんだか心から楽しめるモノではありませんでした。
今回のタイトルは「原子力の危機」と言う物で、内容は、シーリーズの敵役で、世界制服をたくらむ邪教を操る「フット」が、原子炉の秘密を探ろうとして、警備員と撃ち合いに成り、それが原因で大火災が起きて、原子力淡水化プラントが大爆発を起こしてしまうと言う物です。

このサンダーバードの世界は2065年の未来のお話として描かれていますが、残念ながら2011年の日本で、本当に大規模原子力災害が起きてしまうとは、40年以上前の子供の我々には、到底想像がつかなかったですよねぇ。

このお話、今度は国際救助隊の秘密を手に入れる為、別の原子力プラントを爆破しておびき出そうと言う話になるのですが、結構シリアスで陰気な話になりそうなところ、コミカルで子供が十分楽しめる無いように仕立ててあるところは、さすが「ジェリーアンダーソン」の作品です。
ちなみにこの悪役「フット」ですが、悪い奴なのですがかなり「オマヌケ」なところが有り、詰めが甘く最後で必ず作戦が失敗してしまいます(笑)。
この辺りの設定は、以後の日本の特撮やアニメの敵役のモデルに成っているような気がします。

ちなみに他の作品の「キャプテンスカーレット」などでも、原子炉や核兵器などが結構「危険」なシロモノとして描かれています。
サンダーバード自体、進みすぎた科学技術に慢心してしまった結果起きる災害が多く描かれており、未来に対して警鐘を与えていました。
かの「ウルトラセブン」でも、核兵器を連想させる超兵器の実験が原因で、故郷を破壊された怪獣が地球に復讐しに来るというお話があり、ウルトラセブン=モロボシダン隊員が、超兵器に浮かれる地球防衛軍の面々に、超兵器の開発、配備の競争を「血を吐きながら続けるマラソンですよ」と言う場面が、幼く本当の意味は理解していなかったハズながら、深く印象に残っています。

まあ、そういった影響もあり、どうしても「原子力による明るい未来」という政府や電力事業者、産業界の御託には耳を貸す気にはなれなかったのですが、「サンダーバード」の世界を単なる子供向けにの娯楽作品と鼻で笑い歯牙にもかけず、サンダーバード2号のオモチャを強請ったら、1号を買ってきて、抗議したところ「1号でも2号でも同じでしょ!」と言い放った我々の親の世代が嬉々として今の状況を作り出してしまったような気がするといったら大げさでしょうかね(笑)。

さて、我々の世代は、子供たちの為にこの世界をどのようにして渡して言ったらいいんでしょうか?。
物凄い重い課題を突きつけられてしまいましたね。