このところイベントの翌日の週明けは、仕事が忙しくなり自宅に帰るとクタクタで、なかなかブログをまとめる事が出来ないので「速報性」が発揮できないのが歯がゆいところです。
まあ気を取り直して先日出場してきた「那須ヒルクライム」の記事をまとめたいと思います。

御存知かと思いますが、栃木県は「ジャパンカップ」のコースが有ったり、地域密着型のプロチームの「宇都宮ブリッツェン」が有ったりと、さぞサイクルイベントは盛んであるように思われているかもしれませんが、最近までまったくと言っていい程サイクルイベントが有りませんでした、
ツーリング先でお会いしたベテランサイクリスタの方などのお話だと「昔は色々あったんだがなぁ」との事のようですが、地元のサイクリング協会が弱体化していたようで、コアになる団体もしくは人物がいなくなったからなのかもしれません。
また大規模な公道を使ったサイクリングイベントの場合、地元の行政、特に警察の協力が絶対不可欠な条件でアリ、警察自体に理解があることは稀れで、結局影響力のある「政治家」などにがイベントに賛同して協力してくれたり、地元経済に影響力のある企業などがバックに付いたりしないと、なかなか開催されないのが現実だという事のようです。

栃木県の場合、競輪やスポーツ振興に力を入れている私立高校などがあるにはあるのですが、行政を動かすだけの政治力はなく、サイクリング協会も同様で、自転車人口は少なくないものの、一般公道でのサイクリングイベントが行われなかったのかもしれません。
最近では地元宇都宮の市長など自転車に理解がある人物のようで、今回イベントの行われた那須町も、町長自らイベントやプロチームつくりの旗振りをするなど環境が整ってきたことが、各種イベントが開催されるようになった大きな要因であるように思えます。

さて肝心の「那須ヒルクライム」ですが、今年で3回目を迎える「那須ロングライド」と併催される形で、宇都宮ブリッツェンのイベントプロデュースのサポートを受けて、「栃木県初の本格的なヒルクライムイベント」として開催されました。
イベントが行われる「那須高原」は那須岳のすそ野に広がる広大な「扇状地」であり、コースの取り方にもよりますが、那須岳に向かって走れば結構長い距離の緩やかな上り坂が続くルートになります。
そしていよいよ山岳部に入ると頂上を目指して厳しい勾配が続くという事になります。

標高差:701m、平均勾配:4.8%、距離:14.4㎞というコースになります。
今回は我がチームはほぼ強制的にエントリーさせた手前もアリ、個人的には前半戦のロングライドイベントが終わり、気分は完全に「オフシーズン」で、これから秋に向けて体を絞っていこうという矢先の時期なので、正直気乗りはしませんでしたが、やはり県内初のヒルクライムイベントに協力して、是非成功していただきたいという思いもありましたから、参加を決意しました。

開催日の6日は土曜日なので、正直金曜日までの疲れが抜けない状態で、勤務によっては睡眠時間が少なくなりますので、出来れば日曜日にしてほしい気がしますが、有名観光地での一般道を閉鎖してのイベントで、なにぶんにも実績のない「初開催」ですから、恐らく相当な制約が有ってのことで、贅沢は言えませんねー。
でも5:30から受け付け開始で、宇都宮市市からでも高速を使っても1時間以上かかりますから、3:00起床で準備をして出かけました。
要するに、あんまり寝ていないという事が言いたかったわけです(笑)。

メイン会場はスキー場「マウントジーンズ」の駐車場で、5:15ころ付いて、のんびりと準備を始めます。
今回は初参加で告知も控えめだったこともアリ、参加者は260人ほどだったようですが、この広さなら十分収容できる感じです。
そのうちチームのメンバーも集まって、各々準備を進めたり、受付にいったり、ローラーでアップをしたりと、流石にみなイベントに慣れてきたようで落ち着いていましたね。
開会式では関係者の挨拶や注意事項の説明などが行われます。
今回サポートしてくれる「宇都宮ブリッツェン」や「那須ブラーゼン」のメンバーの紹介があります。

また今回は、前日の「ツールドフランス」の実況解説をしていたという、宇都宮ブリッツェンの廣瀬GMも、お台場の「Jスポーツ」のスタジオから徹夜で運転して駆けつけてくれました。

さていよいよ走行開始ですが、スタート地点は麓に下っていく形を取ります。
恐らくスタート地点にメイン会場になるような場所が無い、もしくは確保できなかったからだと思います。
参加者が下っている間はコースは完全にクローズドになります。

交差点や民家の出口などに係員が居て誘導をしてくれています。
民家の出口では住人の方が皆手を振ってくれます。

程無くしてスタート地点に到着です。
ここは道が広がって広場のようになっていますが、こういう構造はおそらく昔この道路は「有料道路」だったようで、広場は料金所の跡だったのでしょう。


さて今回僕は「ヘビー級」クラスにエントリーしました。
サイクルイベントでは珍しい「ウェイト別クラス」で、75kg超が条件になります。
僕の場合更に30kg程重いわけで(泣)、あまりありがたくは無いような気もしますが、画期的ではあります。
ただし、ややメタボな太目なライダーの救済を目論んだのならそれは大失敗で、どちらかというとトレーニングで筋肉を付けて「ガッシリ」とした逞しいライダーが多かったようで、スタート地点でスターターを務めていた廣瀬さんが「とてもヒルクライムの参加者という光景ではなく、まるでクリテリウムのようだ!」と冷やかしておりました(笑)。

案の定スタートと同時に緩い勾配もなんのその、ロードレースのような勢いで集団が見る見る離れていきました。

と、僕といえば、いきなりHRが165付近で張り付いてしまい、とてもペースを上げる状態ではなかったので、一人さびしく集団から遠く離れてインナーに落としてノロノロと進むだけでした。
まあ、もとよりレースを競う気が無いとはいえ、これはなんとも情けない光景です。
写真もこんな情けない写真家しか取れていないです。

やられっぷりが滲み出ていますねぇ(苦笑)。

メイン会場のマウントジーンズまではそんなに勾配がキツイ訳でもないのですが、何ともペースが上がらないのですが、とりあえず一定のペースで上がっていくと、ポツリポツリと先行していたライダーがこぼれてきて何人かは追い越すこともできるようになります。
マウントジーンズを超えると勾配はきつくなっていくのですが、不思議とこの辺りから体が楽になってきます。
多分165付近のHRに体が慣れてきたからだと思います。

そのうちどうも同じペースで上がっている方と抜いたり抜かされたりをコーナー毎に繰り返すことになりますが、残り2km付近山頂も見えてきてどうやら最後までスタミナも脚も持ちそうなので、此処からHRを175と、自分ではMaX付近まで上げて、徐々にペースを上げていきました。

いよいよゴール地点です

最後のコーナーを抜けて抜けてからは勾配が一段ときつくなりますが、ここはダンシングで全開を出そうと決めていたので、V‐MAX発動で恒例の「雄たけび」を上げてゴールを目指します。
途中で流石にへばりそうになりましたが、既にゴールしているチームの声援が聞こえたので、一旦シッティングでシフトアップをしてから再びダンシングで前走者を抜いてゴールしました!。
まったくノタノタ走っていたくせに、人が見ていると張り切るというのもしょうがないですねぇー(苦笑)。
ゴール後は口もきけない程やられてしまいましたが、とりあえず出し切ったので気持ちはよかったです。

ゴール付近は「大丸温泉」という所の駐車場のところで、那須岳の山頂が見渡せるところです。

此処まで上がると空気もヒンヤリしてこの季節は気持ちが良いです。

下界は温度も湿度も高いようで、「雲海」も見えます。


こういう所は車では何度も来ていますが、流石に自分の脚で上ってくると感慨もひとしおですね。
チームのみんなもこのイベントを存分に楽しんだようです。


さてタイムですが、僕は1時間3分もかかってしまいました。
優勝者は35分くらいで登りきってしまったそうで、概ね2倍もかかってしまったようです。
これまたほとんどドンぺけに近い成績で、恥ずかしいですねぇ。

まあ僕の事は置いといて(苦笑)、イベント全体を見たところ、初回とは思えないほど運営はしっかりしていて、コースやロケーションもいいので、まずは成功したと言えると思います。
今回は初の試みという事で、告知や宣伝は控えめであり認知度が低かったことや土曜日開催で遠隔地から参加しにくかったこともあり、260人程度の参加者でしたが、当日のTVの報道や新聞でも取り上げられるなど、注目を集めたことも含めて、イベントとしてはまずは「成功」だったと思います。
来年はもっと大規模なイベントにしてまたおこなわれるそうで、このイベントの成功をきっかけに、栃木県内でもヒルクライムイベントが盛んになってくれれば、自転車の振興に大きくつながるうと思います。

ただ個人的にはヒルクライムや山岳ロングライドだけでなく、「センチュリーライド」と言える160km超のロングライドイベントで、栃木の田舎や観光地などのロケーションを楽しめるイベントもぜひ行ってほしいというのが本音です。
やはり上っているだけだと「辛い」んですよねー(苦笑)。