整備を依頼されていたクロスライダーですが、注文していた部品が揃いましたので、本日完成させました。
このバイクは、新しいオーナーの依頼で「川原のサイクリングロードなど、のんびり距離を稼いで楽しみながら体力をつけたい」という目的に合わせて、当初のMTB寄りのクロスバイクから、快適性と軽さを持たせる方向で再生させました。

これが今回用意した部品です

基本的にタイヤ関係は完全に新品で揃えて、スプロケとチェーンを交換することにします。

タイヤですが、軽くしたいだけならロード用の23Cの軽量なタイヤにすればよいのですが、安定性や乗り心地、また耐久性や耐パンク性を考慮して、26C幅のパナレーサー「ツアラープラス」を選択しました。

これなら多少の悪路や砂利道に入っても大丈夫ですし、280gと比較的軽量でありながら、耐久性も高いという評判で、当たりも柔らかいので乗りやすいタイヤです。

まず手始めに洗浄して多少の錆を落とし、ハブをグリスアップしたホイールに、パナレーサーのリムフラップを嵌めます。

これをきちんと嵌めておけば、無用なパンクトラブルが随分減るはずです。

あと、チューブはオーナーがフランスバルブのポンプを既に持っているということで、パナレーサーの仏バルブのサイクルチューブを使いますが、問題なのは、ホイールが米バルブ用ということで、バルブの穴が一回り大きいことです。
そこで使うのがこのバルブアダプターです。


左がバルブに付いている締めつけナットですが、このアダプターは穴の経を変換するシムも兼ねていて、
画像のように嵌めていけば、バルブがしっかり保持されます。


タイヤを組んで、スプロケを組み込みます。
クロスライダーはもともとAlivioの8S仕様でしたから、ここはそのままで、平地の走りやすさを考慮して、シマノのHG50-8のスプロケで、12T-25Tという、ロードに使う、比較的クロスレシオのギアを入れます。
もともとMTB寄りで、軽い方は32Tと、シマノで言う「メガドライブ」というかなり軽いギアが入っていますが、ギアが離れていると各段数速度差が大きすぎて、特に平地で細かくギアを選択しにくいので、歯数が2枚違いで変速できるこのギアを選びました。

さてフレームに嵌めて、チェーンを張ればこれで一応完成です。

細かい調整をして試乗しますが、概ね狙い通りの性能は確保できたようです。
流石にロードに乗り慣れている今の自分にとっては、フレームそのものがかなり重い事も有り、出足は確かに「よっこいしょ」という感じですが、速度が乗れば軽快で、なによりフロントのサスペンションとタイヤの効果で、かなりスムーズな乗り心地があります。
ロード向けのギアは、アウターに入れておくと、正直重い方のギアは使わないだろうなと思いますが、フロントのトリプルギアのミドルギアを普段選んでおけば、結構軽快に走れると思いますし、細かくギア比が選択できるので、走りやすいはずです。

と、ここまでが昨日のことだったのですが、実は次のオーナーの体型は、僕のような「進撃の巨人」ではないので(笑)、そもそも大きめのフレームだと乗りづらいかな?という感じでした。
特に僕の背に合わせてアップライトな姿勢を作るためステムが角度のキツイモノが入っています。

これだと、サドルを下げるとハンドルが高いということになり、次のオーナーの好みに合いません。

そこで急遽ステムだけ「Amazon」のお急ぎ便で頼んで、角度が寝ていて、サイズの調整も兼ねて突き出し量50mmというステムに交換しました。

これならサイズに合わせて調整しても、比較的クロスバイクらしいポジションが取れると思います。

これが今日の夕方の事で、ついでにサービスでブレーキシューも在庫の新品にサービスで交換して(笑)、ブレーキの再調整も合わせて完成しました。

新品ギアとチェーンの慣らしも兼ねて家の周りを乗り回しましたが、ガタもなく変速のキレもあり、ブレーキもVブレーキらしい鋭い制動力を取り戻していますので、オーバーホールはうまくいったようです。

全体的に重量がありますから、加速の鋭さや登坂能力はあまり期待できませんが、とにかくフラットな自転車道などを流して、ある程度の距離を乗るという目的には、落ち着いた操縦性や、穏やかな乗り心地がピッタリのバイクに仕上がったと思います。

さて、この新しくなったクロスライダーを、新しいオーナーは気に入ってくれるでしょうか?
うん、気に入らなければぼくが貰いましょう!(笑)。