しかし、けして若くはないというのに、早朝未明2:00頃起床し、210km自転車で走り、その後400km車で自走して帰宅したのが翌日の2:40と、徹夜で動き続けるというのは流石に過酷でありました。
二日後の現時点でも体力が回復せず、このあたりに「50歳」の年齢を感じますが、惚けていても誰も自分のブログは更新してくれませんから(笑)、夜勤のなか時間が空いた時にぼちぼち書き溜めてています。

さてイベント前日の16日に栃木県の宇都宮市から、自動車にバイクや装備品一式を積み込んで、佐渡に渡るフェリーに乗船するため、新潟県上越市の「佐渡汽船、直江津フェリーターミナル」に向かいます。
このイベントの最大の難関は「島に渡る」事で、鉄道あるいは高速バスのツアーなどで新潟に向かい、自走も含めて新潟港から佐渡の両津港の航路を使うのが、関東地方在住の方の場合「定番」になります。

僕の場合、予約の確実性と、「混雑するのは嫌だ」という理由で、わざわざ遠回りして直江津の航路を選んでいますが、今回はもう一つの目的がありました。
それは直江津航路に、新型の高速船が就航したので、是非乗ってみたかったのです。

8:15に自宅を出て・・・・とやはり夜勤明けで3時間くらいしか寝ていないのですが、毎週こんな感じで大丈夫なのかなぁ(笑)、とにかく12:40頃フェリーターミナルに到着です。

やや早く来たこともありますが、例年に比べると随分参加者が少ないように感じます。
新型船の「あかね」は随分小型になったようで、収容人員も少ないらしく、このルートを敬遠した参加者が多かったのでしょうか?

まず軽く腹ごなしで、ここの立ち食い蕎麦をいただきます。

上品ではありませんが味がしっかりとした、いかにも「立ち食い蕎麦」という感じが僕は好きなんですね。
また今回のイベントは、ロングライドだからといって、いつも以上に栄養を取るというというのを辞めて、ほぼいつも通りの量の食事で通すつもりです。

13:20頃、「あかね」が入港してきて、ターミナルに接舷します。

「あかね」は通常の船型ではなく、横に並べた2隻の船の上に構造物と、構造物に当たる正面からの波を突き破る尖った船首を持つ「波浪貫通船首型双胴船」という船型で、水中に沈んでいる部分を細くして水の抵抗を減らし、横に広い構造物に車や旅客を多く載せられるというもので、従来型の船が22ノット(40km/h)で運行していたのを、荒れて波が高い時でも30ノット(55km/h)と、ほとんど駆逐艦や自衛隊の護衛艦並みの速度で運用できる高速船で、従来2時間30分かかっていたところ1時間40分で佐渡まで行けます。

いよいよ乗船ですが、自動車で艦尾左舷から入って、横に広いデッキをぐるっと時計回りして反対側に止まります。
なるほど普通のフェリーは、自動車のデッキは艦首から艦尾までの「貫通型」で一方通行で反対側から下船するのですが、この船は艦首に方向は高速を出すために尖った形にしていて接舷できないため、このようなやや面倒な積み込み方をするようです。
台数も以前より少ない割には自動車の積み込みに時間がかかったのはこのせいなのかもしれません。

積み込みが完了して上層の旅客デッキに登りますが、船の構造材を見て驚きました。
なんと「アルミニウム溶接」構造で、5000tもの大きさの船でオールアルミニウム製の船に初めて乗りました。

アルミニウム自体が鉄鋼より高価であるだけでなく、溶接も難易度が高く、自衛艦のミサイル艇のような小型の高速船や「ジェットフォイル」のように浮上して高速を出すために軽量化が必要な船以外ではあまり聞いたことがありません。

旅客デッキは、普通のフェリーのように広い部屋があるわけではなく、すべて座席になっています。
とりわけ1等の席は船首の見晴らしのよい場所で、息苦しさがないのはいいですね。

1等座席は革張りの豪華なものですが、横幅や前後のゆとりは新幹線のグリーンやよりゆったりしていますが、シートの快適性は随分劣るようです

あと液晶モニターが設置されています。

これは航海中に「GPSナビゲーション」の画面が表示されていて、同じようなものは旅客機のボーイング777で見たことがあります。

ほんとこの座席だと船外の見晴らしが抜群です。


双胴船ということで、横方向の揺れが少ないのはいいのですが、反面全長が短いので、前後にゆすられるピッチングがやや大きめな感じです。
それと高速船ということで、かなりの出力のエンジンとジェット型の奮進ポンプを備えていますが、速度によってエンジン系統の切り替えやポンプのノイズがあり、恐らく船体がアルミで出来ているからということもあると思いますが、特定の周波数の不快なノイズが響くことがありました。
快適性という点では、従来型の船の方が上のような気がしますが、それでも1時間40分で佐渡に行けるメリットの方が大きいと船会社は判断したのでしょう。

この日は雨や霧が出るどんよりと曇った天気でしたが、佐渡が見えてきた時にちょうど雲間から日差しが界面を照らしています。

2年ぶりに見る佐渡島で感慨無量ですが、さて当日はどのようなことになるのでしょうか?