本日霞ヶ浦まで行って、往路は調子よく4時間くらいで行ってしまいましたが、復路は5時間30分もかかってしまったのは、寝不足によるホロウもありましたが、じつはパナチタンでペダルを回すと「カチカチ」という異音が出て、色々ボルトを締め直すとかしていて余計に時間がかかってしまったんですね。

走りながらペダリングを変えたり、ダンシングしたり、いろいろな乗り方をして解ったのが、どうやらシートポスト付近から異音が出ているということでした。

この異音の場所特定は本当に厄介で、プロの自転車屋さんも「正直異音を直してくれと持ち込まれるのが一番嫌なんだよね」と言わしめる程で、特定までに多大な苦労を必要とします。

幸い今回はダンシングすると異音が出ないことと、手放ししてもイオンが出ることからFELTのようにヘット周りでもなく、サドルに乗るときにいろいろな方向にモーメントをかけて乗ると音が消えるポイントがあることなどから、シートポストとフレームのクランプの接合部分だろうと見当がつきました、

走行中も場所を変えたり、何度もクランプを締め直したりしても、最初は収まるのですが、直ぐに異音が再発してしまうことから、帰宅して対策を施すことにしました。
まずシートポストとクランプを抜いてポスト、フレーム、クランプの汚れをパーツクリーナーで取ります。
で、出番なのがこのケミカル類です。

金属同士が接合しているところで異音がする場合、緩みやクラック等がなき場合、殆どの場合接合面の「スベリ」が原因となります。
同じ機械特性の金属なら問題は少ないのですが、例えばクランクとペダルのように、クランクはアルミでペダルのシャフトは鋼鉄などの場合、主にアルミ側が柔らかいため滑りが発生して、応力が加わると接続面が滑って「カチっ!」という音が出ることがあります。
温度変化が大きい時も、金属の膨張率が違うので歪が溜まりやはり異音が出る時がああるんですね。

今回の場合、パナチタンにはボンドレガーのカーボンシートポストを入れていて、あまり問題はなかったのですが、今はシマノProのアルミのシートポストが入っているため、チタンのフレーム、鉄製のシートクランプとの何処かで滑りが出ていると判断しました。
フレームもクランプ部分は単一のパイプではなく、薄いチタンのパーツが複数組み合わさっていましたから、こういう部分とか、クランプとの接合部分は、主にグリースなどを塗っておきます。
隙間が狭い場所はグリースが入らないので、CRCやオイルなどを垂らして浸透させます。
これでグリースやオイルが緩衝となり、部分的に応力が蓄積されないのでイオンが消える場合があります。

またシートポストとフレームの間には、「スベリ」を防止するこのアイテムが必要になります。

これは本来カーボンパーツの接合で、強く締めすぎるとカーボンが割れてしまうため、シリコンの細かい砂が混入しているクリームを塗って、シリコン砂が噛み込むことで滑りを防止する「ファイバーグリップ」という商品で
、これは金属でも使えて、必要以上にネジを締めすぎないためと、滑りを完全に止めるために、非常に有効なアイテムで重宝しています。

これらを塗布して、シートクランプをトルクレンチで慎重に締めて試乗したところ、ウソのように異音が止まったことから、今回の対策は成功したようです。
まあ全ての異音がこれで止まってくれれば苦労はしないのですが、案外このケースによる異音の発生はいろいろな部分で出ることが多いので、異音が出て困っている方は一度お試し下さい。