7月12日(日)に栃木県那須町で開催された、「那須ロングライド2015」に参加して完走してまいりました。
今回は地元のイベントということで、会社の同僚のI城さん、自転車仲間のK関さん、親友のM島君と参加してまいりました。

那須ロングライドは、地元那須町の全面協力のもと、ロードレースプロチームの「宇都宮ブリッツェン」「那須ブラーゼン」のプロデュースで行われる、那須高原と那須山を駆け巡るロングライドイベントで、ブリッツェンプロデュースの大会の特徴で、とにかく「エイドステーション」での「食」が充実していて、これでもかという数のエイドステーションで、たらふく地元の名産を楽しめるというのもセールスポイントであります。

我々は何種類かあるコースのうち、那須山を登る「ヒルクライム100km」コースにエントリーしました。
ヒルクライム・・・・・なんて不気味な単語でしょうか(笑)。
実は数年前に初開催された、「那須ヒルクライム」と同じコースを走った上に、更に起伏の激しいコースを含めて100km、標高差1462m、獲得標高1940mという、、かなりの強度があるコースで、正直「最近自転車始めました」というビギナーが走りきれるかどうか怪しいという難易度のコースです。

まあ、今回は「食」を楽しむのが個人的な目的でしたので、とにかくゆっくり走って楽しもうと考えていました。

当日6:00に現地の会場近くの駐車場に到着します。
ああっ!、やはり自宅からすんなり行ける地元のイベントは本当に楽でいいですねぇ!
何時ものように自転車を出して準備を始めます。


7:00頃会場に行くと、今回のメンバーは既に到着しています。
また、千葉県サイクリング協会のお仲間と一緒に「とも」さんとも、またお会いすることができました。
会場は那須町のJR黒田原駅近くの「那須町文化センター」の建物と駐車場を貸切で使っていますが、参加者でごった返していて、今年も大盛況のようです。
このイベントは毎年評判が上がっていて、今年も100kmコースはわずか3日で締め切られるほどだったということです。

7:15から開会式ですが、スタート地点はすでに多くの参加者が殺到して、自転車だらけで足の踏み場もないくらいの混雑です。
ここでスタートまで待つことになります。

7:45にスタートしますが、なかなか順番が回ってきません。

まあ、個人的には今回はカメさんの予定なので、あまり先に出ていて、抜かれてばかりというのもやはり癪なので(笑)、後ろからのんびり行くのもいいでしょう。

ここから北上して那須高原を登って那須岳に行くわけですが、最初のエイドステーションまでは比較的なだらかな田舎道なので、体のアップも兼ねてやや飛ばし気味に進みます。
しかしそれにしても暑いこと暑いこと!。
じっとしているだけでも、ジワーっと汗がにじんできて、心拍数が上がってきます。
なにせ最高気温が30℃越えの予報ですから、今まで涼しかった分だけ本格的な暑さに体が慣れていないのがかなりダメージをになっってくるはずです。

AS2を超えてからは勾配が少しずつきつくなってくるので、僕は心拍数が160にならないようにペースを落としてノロノロと走っているので、みんなにおいていかれてしまいました(笑)。
大谷というところの交差点から、以前「那須ヒルクライム」で走ったコース・・・・つまり本格的なヒルクライムに突入します。
ここから「那須どうぶつ王国」を通過して、「マウントジーンズ那須」スキー場の駐車場のAS3までを目指すのですが、なんというか僕のようなデブライダーにはお仕置き以外何者でもない、比較的真っ直ぐに、ダラダラと7~9%以上の勾配を登らされるという、いやらしい上り坂が8kmくらい続くんですね。

と、このあたりから勢いよく登っていった参加者が次第にペースが落ちてきて、ひたすらインナーローで同じペースで登る僕の前に「上から落ちてくる」感じで後退してきます(笑)。
とにかくこの暑さですから、無理して心拍数を上げ続けて(無酸素呼吸が増える)走っていると、間違いなく乳酸が足に貯まり続けてくるので、その人の足の筋肉の「耐乳酸特性」によって、脚の疲労が進み重くなって来るとともに、あるところで一気に足が攣り始めます。

このあたりは人によって違いますし、体調によっても変わりますし、もちろんのこと「鍛え方」で大きく違いが出る部分です。
僕の場合は人様に自慢できるほど鍛えているわけではなく(苦笑)、単に今までの「経験値」でペース配分ができるようになっているだけのことです。
ちなみに「抑え過ぎ」ると、完走してもまだ走り足らない感じになりますし、「出し過ぎ」だと、とちゅうで「アイタタタ!」となって、残りの距離を辛い思いで走行するはめになります(笑)。
今年の佐渡ロングライドのときのように、最後のスパートをかけられるだけの余力を残して、ゴールと同時に足が攣り始めるという感じが「走りきった!」という満足感が一番あるように思います。

さてAS3のマウントジーンズに到着します。


ここまで来ると流石に高いところに登ったという感じがしますね。

ここで同行者たちの様子から、やや熱射病の兆候が見られたので、「頭から水をかぶって冷やしましょう」と自らも頭からホースの水をジャバジャバかけました。
結構標高が上がっているのに全く涼しくないどころか、日差しが容赦なく襲って来るので、特にヘルメットの中はかなり蒸された状態になっているので、かなり厳しい感じになってきました。

駐車場を出て左折すると、那須岳の「大丸温泉」の駐車場まで登りますが、ここから一気に勾配がきつくなって行きます。


途中の八幡温泉のチェックポイントで休憩です。

流石にここまで登ると高いところに来たという感じがしますね。

まだまだここから登っていくわけで、今までとはうってかわり、木々の木もれ陽の中、つづら折れの坂を登って行きます。

このあたりは足が持たないと、休憩を入れていたポイントですね。

このあとようやく「大丸温泉」の駐車場まで全員たどり着きました。

ここでは「カキ氷」と「エネルギードリンク」が用意されていて、やや長めに休憩を取って、いよいよ今回最大の難所である、「那須高原展望台」に挑みます。

距離は大したことはないのですが、正直自動車で来ても「かなり険しいなぁ」というような道で、整備された国道や県道というより、登山道を拡幅して車が通っるようにしただけというような道で、恐らく15%を超えるような勾配のつづら折れが続くので、ここまでで足を使い切っていると、登るだけで「お仕置き」という感じになります。

ようやく最大標高地点の展望台に到着です。

空気も澄んでいて空も蒼く、山の緑も鮮やかで、夏の高山の景色を堪能できますね。

ここではお昼ということで、「鰻むすび」が用意されています。

僕達は途中で何度も休憩を挟んで遅れていたので、最後尾付近を走っていたのですが、それでもエイドステーションの食べ物はふんだんに用意されていて、「何も食べるものがない!」ということがなかったのは、素晴らしい運営だと思いました。
なにせ「食べ物の恨み」は恐ろしいですからね(笑)、
どこのエイドステーションも、基本「バナナ、オレンジ、スポーツドリンク。お菓子」は必ず用意されていて、その他に地元の名産のグルメもありますから、足りないということはありません。
地元のイベントだからヨイショするというわけではありませんが、7年で50大会以上の全国のイベントを巡ってきましたが、これほど「グルメ」が充実しているイベントは他にはないと断言できます。

ここで、何やら有名人がいるらしく、その人を囲んで盛り上がっています。
NHKの番組で「チャリダー」という自転車番組の出演者の「うじきつよし」氏が参加していて、ちょうどこの地点で休憩していました。

ここに登ってくる途中、I城さんと会話をしたようで、「男の約束」で、みんなも含めて記念撮影に気さくに応じていただきました。

ここからは「那須湯本」まで長い下りになりますが、実はここがこのイベント最大の危険箇所で、長く険しい下り坂に慣れていないライダーが事故を起こすポイントでもあります。
基本グループを組んで先頭が速度を抑えて、最後尾から状態を監視しながら指示を出して下ることになるのですが、ここを仕切っていた宇都宮ブリッツェンの柿沼社長から、この手のイベントは何度も出ていますという会話をしていたこともあり、「じゃあこのグループはお任せします」ということになってしまいました!。
下っている間にグループの方々とお話をしましたが、案の定こんな坂を下るのは初めてという方が多く、ブレーキ鳴きが止まらない人のブレーキ調整をしたり、「手が疲れて握力が無くなってきますよ」等とアドバイスして、休憩ポイントで手を休ませたりと、なんとか全員無事に下りきることができました。

殺生石の「賽の河原」や那須湯本の温泉街を抜け、一軒茶屋交差点を右折すると、「南が丘牧場」という観光牧場がASになっています。
ここでは濃厚なカップアイスが食べられますが、更に売店に行くと、搾りたて牛乳のソフトクリームが参加者に提供されていました。

あまり冷たいものばかりお腹に入れるのは良くないんです、良くないんですが、食べちゃいました(笑)

ここではほとんどの参加者は通過したあとで、なんと最後尾を走る「回収車」まで現れるということは・・・、正真正銘ほとんど「どんケツ」になっていたようです(苦笑)。
しかし、この暑さのせいで過酷なイベントになっていたようで、何度も救急車を見ましたが、ここでも参加者が熱中症で担ぎ込まれていました。

しかし、我々ものんびりしすぎたと慌ててASを飛び出しましたが、実はここから「板室温泉」のある次のASまでは、かなり高いところに一旦登らなくてはいけないコースで、全くペースが上がりません。
コース上も、正直走っているライダーより、自転車を押しているライダーの方が多い始末で、阿鼻叫喚、屍累々という有様になっていました(笑)。
同行者もそれぞれのペースがバラついてきて、もう何度か休憩を入れないと上り坂は登りきれない状態になってしまったので、ここは慌ててもしょうがないと覚悟を決めてのんびり走ることになりました。

板室のASでは冷たいお蕎麦をのんびり食べていましたが、恐らく時間的には最後のチェックポイントを14:30までに通過することは不可能と判断しました。
まあ、回収車に止められなければDNFにはならないわけで、大会進行上の都合で、タイムアップを設けてコースを変えられてショートカットするだけのことなので、ここは気にしないで残りのASでも、冷えたきゅうりやお菓子を頬張り、本当にお腹いっぱい、時間いっぱいイベントを走り尽くして、16:00頃完走いたしました。