いよいよイベント当日です。

朝4時に起床しましたが、なんだか喉がガラガラして風邪をひいているようです。
このホテルの調整が効かない冷房のせいかもしれませんが、調子が悪かったのは既に風邪気味だったのでしょうか?

まあ、走れるところまで走ろうと、あまり焦らず準備を進めます。
空を見ると晴れ間も出ていますが、予報は「時々雨」で芳しくありません。
駐車場には6時ごろからボチボチ参加者が集まってきました。


一応雨天走行用に準備をしておいた「シラス」も持ってきていますが、完全に雨天走行ではなく、走行強度も高そうですので、此処はFELTで行きます。
FELTも雨天走行用に、駆動系、ワイヤーや可動部に、注油やグリスアップをタップリしてありますし、シラスの後輪用の泥除けも移植して万全を期します。


ところが、空気圧を調整していると、なんと後輪のタイヤに10mm程度の長さの亀裂が有ります!

実は、前回のツーリングで、自転車のベルのような物を後輪で弾いた記憶があり、その時に傷が入ったと思われます。
ロングツーリングの後にちゃんと確認をしておかなかったのがいけなかったのですね。反省します。
急いで、シラスの前輪のタイヤを剥ぎ取って交換する羽目になりました。
亀裂が入ったタイヤはヴィットリアのオープンコルサという、軽量の競技向けのタイヤを入れていたのですが、軽いの良いのですが、トレットのゴムはかなり薄く、傷が付くと直ぐにベルト部が露出してしまいます。
幸いベルトが強靭な物のようで、パンクには至らないのですが、こういう競技用タイヤは、当たり前ですがロングツーリングなどには向かないようですね。

さて受けつが開始されて参加者が集まってきました。


今回の秋田センチュリーランは、県の観光振興の一環で補助が出ているそうで、このようなローカルイベントでありながら、白バイ(本物かな?)の先導が付きます。


7:00スタートですが、あれれっ?5分前には号令がかかりスタートしだしました。
この辺りの長閑さは隣の参加者の方と「きっとこれは地元の秋田標準時間で運営されているんですね」と話し合い、何故か納得してしまいました(笑)。

僕は第2グループだったので1分後にスタートです。
第一グループは結構ハイペースでドンドン遠ざかりますが、結構距離が開いているのにもかかわらず、「何も建物が無い」見通しの良い景色の良いコースなので、何時までも見えます。
僕は調子も悪いので、いつもよりペースを落として淡々と走りますが、広いコースに300人程度の参加者なので、長い列が出来たり、大勢のグループに次々と抜かされる事も、抜く事もあまり無く、マイペースで走れます。

1時間ほど数人の集団と走っていましたが、僕は予定通り補給したかったのですが、このコースはコンビニというものが見当たりません。
刈和野というところの、寂れたガソリンスタンド自販機があったのでそこでドリンクを補給します。
一応相当量のドリンクと補給食は持参していますが、補給のめどが付かないこのコースで、序盤に消費してしまうわけにも行きません。

2時間ほど走り、角館の市街地を抜けた国道105号沿いにようやくコンビニがあったので、ここでオニギリや栄養ゼリーなどを余分に買い込んでおきます。
後にも先にもコース上のコンビにはここ一軒だけでした。

この辺りから基本ゆるい登りで、右折して県道に入ると勾配がきつくなり、8kmほど続いて田沢湖にに登っていきますが、勾配が思ったほどきつくなく、基本アウターロー程度で登れる坂なので、淡々と回せばそれなりに登れるのには、我ながら驚きました。
この辺りで、雨脚が激しくなり、全身びしょぬれになってしまい、気温も低くなっていましたが、インナーの長袖を着ていたおかげで寒くは有りませんし、僕のような「デブ」には体が冷却されてかえって助かりました。

さほどダメージも無く田沢湖に到着です。
この対岸に折り返し地点の第一CPがあります。
湖に沿って走り出しますが、天候が良くないので景観はあまり良くありません。
半周ほど走って第一CPでチェックと休憩です。

ここでスイカが振舞われましたが、秋田のスイカは美味しいはずだと期待していたとおり、甘くて実の詰まった美味しいスイカでした。
でも、このCPは、せっかく湖畔に設けられたのにやはり景観が良くありません。
贅沢はいえませんが・・・・。

さあ後半戦スタートで、いい調子で湖畔を走ります。
と、ここの観光名所である「たつ子像」のある場所に着きます。

正直「だから何なの」という感じですが(笑)。
一応お約束なので写真を撮ります。

後はしばらく下り坂なので此処でペースアップと体力の温存を図ります。
ただ、相変わらず雨が強く振っているので、下り坂のコーナーは細心の注意を要します。
いい気になってオーバーペースでコーナーに突入すると、「転倒」という残念な結末が待っていますからね!。

再び先ほどのコンビニに立ち寄り大目の補給と休憩をして、角館の「武家屋敷街」というところが第二CPなのでそこを目指します。
現地に着くとなにやら別のイベントが開かれています。
こ、これはっ!!なんと「ヒストリックカーフェスタ」という事で、僕の大好きなチョッと古いけど、カッコイイマシンがたくさん並んでいるではないですかぁ!!。


ああっ、リタイヤして此処で車を見ていたいよーという、血を吐く叫びを抑えつつ、後髪を引かれる思いで此処を後にしました。
その割には「ノンビリ撮影していましたね」と他の出場者に笑われてしまいましたが(苦笑)。

角館を離れて、120kmを越えた辺りから、相当辛くなってきました。
僕はロングツーリングだと、大体この辺りから疲労感を感じて辛くなるのですが、今回はいつも以上にかなり辛くなってしまいました。
やはり風邪の影響と、長い上り坂と、降ったり止んだりした雨の影響で相当体力が消耗しているようです。

残り30km辺りでようやくJAのガソリンスタンドを見つけて、トイレを借りるついでに、そこで休憩を取りました。
その時、停止寸前ですが、濡れたスタンドのフロアで滑って転倒してしまいました。
幸い受身をして転がったので擦り傷一つ無く、バイクにもダメージはありませんんでした。
しかし、追い込まれたこの状況でも、「バイクは壊せない!」と体から先に受身をとってバイクを庇ってしまうとは、トコトン意地汚い根性ですよね(苦笑)。
ここで先のコンビニで仕入れておいた最終兵器「レットブル」と、取って置きの「アミノバイタル」をかきこんで、気合を一発入れてラストランに望みます!。

しかし、此処からは結構ゆるいながらアップダウンが続くコースで、往路はなんともなかった登坂でしたが、消耗した体力と脚には結構響いてきます。
しかも、会場は小高い山の上にあるので、最後の10km程度は、長ーい上り坂が待ち構えています。
正直、田沢湖に上る登坂よりこちらのほうがキツカッタと言うのが、多くの参加者の感想でした。

最後は本当にヘロヘロになってようやくゴール、完走する事が出来ました。


此処からはユピテルのログの記録です。
まず走行したコースです。


速度と高度のログです

上昇累計は1529mもあり、これは先月参加した「銚子センチュリーラン」の2倍近くある、結構歯ごたえのあるコースであったことがわかります。

ポラールのログのまとめです
走行距離    156km
最高速度    59.7km/h
AV速度     27.0km/h
最大HR    165
平均HR    140
最大Cad     97
平均Cad    78
消費Kcal    8053
と、やはり上り坂が多かったので、平均HRは高めで、ケイデンスは低めに推移しています。
消費カロリーは過去最高の値を記録しました。
やはり僕の場合体重が有るので、エネルギーの消費が激しく、小まめに補給しないとたちまち「ガス欠」になってしまうことが今回再確認できました。

さて、この「秋田センチュリーラン」の感想ですが、なにせ交通量が圧倒的に少なく、ゆったりとした自然の中をマイペースで走ることが出来るので、自然を満喫しながらノンビリサイクリングという向きにはいいかもしれません。
少なくとも僕は大満足でした。
スタッフの方も明るく人懐っこく、好感が持てますが、良くも悪くも「おおらか」でアバウトな感じは、結構強度が高いコース設定とあわせて、サイクリング初心者向けではなかったように思えます。

運営に関しては、仲間内で行う地方の手作りイベントとして、お馴染みさんを対象にしたイベントであるのなら文句をつける理由はありませんが、もし、これからの観光振興の一環として、他県から参加者を募ろうというのなら、もう少し都市部のサイクリスタの嗜好は考慮に入れたほうがよいのかもしれません。
それは宿泊先であったり、エイドステーションであったりしますが、僕個人はあまり余計な「観光化」や「普遍化」をする必要は無いようにも思います。

何処に行っても、いつも自分の身の回りにある豊かな環境やサービスが受けられると考えている人が多く、それを声高に要求したりしていますが、僕は反対に日本の何処に行っても同じような内容のイベントばかりだったら、反対にウンザリしてしまうと思います。
「お金を出して、快適で豊かな環境のイベント」も否定するわけではありませんが、「不便である事を反対に自分自身で克服する事が楽しい」イベントが有ってもいいはずで、サイクリングという「アウトドアイベント」は後者の方が好ましいのでは?と、個人的には思っています。

そういった観点で見れば、この秋田センチュリーランは、「偉大な地方の手作りイベント」というスタンスのままでいてくれることを、個人的には望みたいですね。
などという、耳障りかもしれないお話ですが、参加賞の美味しい「あきたこまち」のご飯を味わいながら、ふとそんな事を考えてしっまたのでした。