成程、なんとなく納得のいく話です。
というか、「スーパーカー」世代の僕らは子供のころから「フェラーリ」は憧れの象徴でありながら、決して手が届かない存在であったわけです。
そもそも「ロードゴーイング」フェラーリは、かの「エンツォ」総帥がレースをする資金を得るためにために、購入を熱望する金持ちに限定的に売り出したとかいう「伝説」を聞いていましたし、それが如何なるグレードのフェラーリでも「跳ね馬」が付いているのなら、そのエンブレムの礎に「モータースポーツ」があるという意識を持っていたので、たとえ実態はお金持ちの自慢の種であっても、フェラーリというブランドに畏敬の念が有ったように思います。

ですが、最近の高級車市場が、産油国や新興国の「ニューリッチ」層に売るために、なりふり構わないハイパフォーマンス豪華絢爛路線に、迷うことなく驀進し、その頂点に立つブランドが「フエラーリ」であるという現実を、実に苦々しく横目で見ていた自分いました。

だから中国の歴史と威信を傷つけたという中国人民の方々の怒りが理解できるような気がするんです。
もちろん買えない貧乏人の僻みであることは十分承知していますが、戦う誇りを忘れて、成金連中にすり寄るような「卑しい」ブランドを、尊敬の念で見ることが出来なくなったというのが正直な感想です。

甘いなぁ、青臭いなぁと自分でも思いますが、もしあの世の「エンツォ・フェラーリ」とお話が出来るのなら、今のフェラーリについての感想を伺ってみたいですねぇ。
イタリア語でまくしたてられてもチンプンカンプンなんでしょうが(苦笑)。