本来ならロングライドをこなして色々なシチュエーションで試したうえでインプレを書くべきなんですが、通勤に使ってみたのと鬼怒川自転車道や古賀志の登坂で足慣らし程度の「第一印象」を書いてみたいと思います。

まず、このバイクの構成ですが、本来Shimano105、今年度仕様の5700のフルコンポーネントと、これまた2013年仕様の「ボンドレガーレース」のホイールが装着されています。


ただ、コンポーネントはFELTから使っていて、FP2に移植してあったものを再移植しました。
具体的には、変速系は7800、キャリパーは5600、クランクはマドンC用に購入した7900の180mmのもの、ハンドルは440mm幅のボンドレガーレースライト、サドルはスペシャライズドトゥーペを組み込んでもらいました。

唯一Rrスプロケットが4600の12-30Tが使われていたので、これはホイールともども使います。
全体的には山岳イベント使用の時のマドンCに近い構成になっています。

重量は、TREKは公表しないのですが、ペダルレスで8.5kgと言われているそうです。
実際、ボトルゲージやライトなど、走行状態の備品をつけて、9.1kg有りました。
これは、400g軽いMAVICキシリウムエリートを履いたFP2が8・7kgでしたから、コンポーネントが軽くなっていることを考えると、ペダルレスで8kg前半程度の重量には収まりそうで、カーボンのFELTやFP2と同等のレベルのようです。
最新のアルミフレームとしてはキャノンディールのCAAD10や、スペシャライズドアレーよりは重量が有りますが、このクラスでは十分軽い部類のバイクだと思います。

さて実際乗り込んでみると、当たり前の事なのですがまったく違和感が有りません(苦笑)。

身体に触れるパーツは既存の物を使用していますし、コンポーネントも同様ですから操作性に不慣れなところが有るはずもありません。
オマケにバイクのジオメトリーはほとんど同じ「マドン」であり、セッティングも同一に調整していますから当然です。
新鮮な驚きは無い反面、しっくり体になじむ「安心感」が有ります。
けして「味が有って面白い」バイクではなく、言い方が悪ければ「事務的でつまらない」ともいえますが、このバイクには「道具としての確かさ」を求めているわけですからじゅぶん「合格」だと思っています。

乗り心地は、これがフルアルミだからというわけではないのでしょうが、路面からの「当たり」の強さは今まで乗ってきたロードバイクの中では一番「ダイレクト」で硬質な感じです。
ただこれはボンドレガーのホイールとタイヤ、高めの空気圧のファクターが大きいので何とも断定できません。

操縦性はFP2程ではないにせよ、直進性は良好で不安感が無く安心して走れるタイプです。
これは、どちらかというとバイクのジオメトリーというより、全体の重量が効いていて挙動を穏やかにしているようで、いきなりビギナーが使ったり、ロングライドに使うのには適した特性だと思います。
ただ、レース志向が強いライダーや機敏な運動性を求める向きからすると、やや「ダルな特性」とネガティブに感じられるかもしれません。
加速性も含めた運動性能は、流石にマドン6シリーズのように「しなやかに弾けるような俊敏さ」は見られませんが、これは比較するのが酷というものでしょう(苦笑)。

個人的には一番関心のある「剛性」ですが、これは僕が使う範囲ではマドンCに劣るところが見当たりません。
ダンシングで激しく振ってみても、何処かの部分だけ弱くて、妙な挙動が出たり、推進力が喰われたりとい事はなく、実にガッシリとしたバイクだと思います。
ただ驚いたのがボンドレガーレースのホイールで、最初に走り出した時は、しばらくの間、「キュイン」とか「カィーン」というスポークの擦れる音がして、馴染むまで鳴りやみませんでした。
これはホイールの剛性が低いのかなとびくびくしましたが、馴染んでくると音は止んで、横剛性もシッカリありました。
どうやらボンドレガーのホイールは、たとえばMAVICのホイールのように、頑として撓みや振れを拒んで、まるで鉄板に乗っているような剛性感が有るのとは違い、入力が入る初期段階である程度じんわりした撓みや振れは許容する物の「芯」はしっかりしていて、横剛性や推進力を確保している感じがします。
ハブの精度も高く、滑らかに回転する良いホイールですが、如何せん2kgに達する重量が効いています。
思ったよりも踏み出しは重くはないようですが、それなりの速度領域まで持っていくと、全体の重量が、じわりじわりと脚に効いてくるようです。

昨日は平地主体で60kmほど乗ってみましたが、体調が未だ本調子ではなく、セッティングやペダリングも色々試している状態なので、リズムに乗れず速度があまり上がりませんでした。
本日は山岳ルート主体でロングランをしようと思いましたが、午前中は天気が悪く、午後から出かけました。
ホイールは、同じボンドレガーの「アイオロス5.0ACC」に履き替えました。

このホイールを履くと、途端にド派手なバイクに変身してしまいます(苦笑)。
流石に周りが軽く、速度が乗ってくるとグイグイ加速していきます。

時間もなかったので「ジャパンカップ」のコースである森林公園の「古賀志山」に行きます。
国道293号経由で、北側の「鶴CC」の坂を上ります。
ガンガン攻めている訳ではありませんが、軽いギアで淡々と登れます。
ここで「30T」Rrスプロケは効果抜群で、当然速度は10km/h以下に落ちますが、ケイデンスを落とすことなく楽にキツイ勾配をこなせます。
まあ「ヘタレ専用ギア」と揶揄されている30Tですが、僕のような重量級にはありがたいですね。

ジャパンカップのメイン会場になる森林公園の駐車場に着きます。


14:00頃でしたが、多くのライダーがきて、練習をしています。
と、県外ナンバーの、何処かのチームのサポートカーが止まっていて、このチームは集団でコースに繰り出して、古賀志の坂を上っていました。


さて、自分も「嫌々」上ってみますが、あれれ?、まったく前に進みません!。
多少なりとも体重が落ちているので、調子が悪くとも軽いギアでそこそこ登れると思っていたのに、30Tにしても全く登っていきません。
そのうちダンシングで、しかも思いっきり体重を乗せないとまったく登らなくなってしまいました。
正直「なんて俺はダメな人間だろう!」と強い絶望感を感じて、本当にガッカリしてしまいました。

先ほどのチームをやり過ごして、失意のどん底の中(笑)反対側に降りて行きましたが、なんだか後輪が落ち着かない挙動が出ています。
「これは、パンクだ!」と慎重に坂を下りて、麓の駐車場でパンク修理をしました。
要するにほとんど潰れたタイヤで坂を登っていたわけで、そりゃ前に進むわけはありません(苦笑)。

が、悪いことは続くもので、スペアチューブにバルブエクステンションを嵌めて、Co2インフレーターを使いましたが、「バシューッ!!」という轟音と共に、バルブエクステンダーが割れて吹き飛んでしまいました!。
これは本当に困りました。
仕方が無いので元のチューブにエアを入れたところ何とかしばらくは使えそうなので、急いで山を下りて、森林公園の入り口のコンビニの反対側の商店の前までなんとか辿り着きました。
バルブの短い予備のスペアチューブは使えないし、インフレーターのボンベも使い果たしてしまって、正直この近くに住んでいる同僚に救援を頼もうかとも思いました。

ええいここで諦めたら08小隊の隊長の名が廃ると、商店の方に頼んで「バケツ」を借りて、水を入れて元のチューブのパンクの場所を探って修理することにしました。
悪戦苦闘のの結果、ようやく針の先のような穴を見つけて、ノリ無しパッチを貼ったところ、何とかエアが漏れなくなったので、ほとんど使い物にならない小型の携帯ポンプで、手をパンパンにしながら4Berまで居れて、何とか帰宅することが出来ました。

そんなこんなで登坂能力の方は、「測定不能」でしたが、絶対的な速さはともかく、ダンシングのしやすさや、剛性感は確認できましたから、この形でしばらく乗り込もうと思います。
正直、カーボンバイクばかり乗っていたので、オールアルミフレームは乗り方が違うようで、今までのように乗っているとあまり快適でない上に、早くもありません。
ただ、なんとなくこのバイクのリズムのようなものは少しずつ分かってきたようなので、今年いっぱいはこのマドンAを中心にトレーニングしたり、イベントに出ようと思っています。