リハビリライドが続く中、本格的なセンチュリーライドである「銚子センチュリーライド」に昨日参加して、完走してまいりました。
サイクリングとしてはこれ以上望めないという、絶好の天候に恵まれて、久しぶりのセンチュリーライドを、身体の不調を抱えながらのなかでも、思う存分楽しめてきました。

さて、とりあえず127kmまでは走れることは確認していたものの、負傷中の肘のダメージの蓄積や、ウェイト増加の負担、腰の痛みなどの不安要素も判明していて、本来のポジションから「ダメージ軽減暫定ポジション」にしたり、色々と対策を講じてきました。
また持病とも言える膝の痛みも、これ以上悪化させないようにと、整体の先生と相談しながら、前日に伺って、対策用にとテーピングを施しました。

のっけから汚い脚でスミマセン!
テーピングに関してはある程度勉強して自分でもできるようにはしておきたいですが、「付け焼刃」ほど怖いものはありませんから、専門家の施術および指導は絶対必要です。

現地到着~スタートまで
自宅を3:00に出発して、途中でコンビニでの補給やトイレタイムなどを経て、5:30頃には会場の千葉県栄町安食台にある「ふれあいプラザさかえ」に到着です。
千葉県で一番小さい街だという栄町ですが、栃木県県民でありながら、この辺はナビの誘導なしでもスムーズに来られるほどお馴染みになりました。

何時ものように準備を進めて装備品を確認して走行前の補給食を取ります。
今回はとにかく体にネガティブな要素を抱えての走行なので、コンディションや事前の準備などはいつもにもまして慎重に行いました。
6:00ごろ受付を済ませて会場で待機します。


いつものマスコット犬「はるかちゃん」も来ていますね

大人しくて可愛い子でした。

こちらもお馴染みのメンバーがそろっていて、なんだかホッとします。

ああ、銚子センチュリーランに来たんだなぁという感慨と安堵感が湧いてきました。

ご高齢で周囲の心配や応援や呆れたという声にもろともせず(苦笑)、なんと日本縦断を達成されたという千葉県サイクリング協会の会長さんも、なんだか年々パワーアップしているような感じで嬉しいですね。


この大会はローカルなお馴染みさんのサイクリング大会という位置づけではありますが、今年はゲストとしてあの「今中大介」氏が参加していました。

氏は自分がこの世界に入った頃からメディアで活躍されている有名人ですが、何度かお見受けしたこともある氏を久しぶりにみて、「ああっ、流石に老けたなぁ」と、失礼な事を考えながら自分の歳を考えれば、こちらも順当に「クソじじぃ」に成っているんですよね(苦笑)。

スタートは7:00ですので、スタートゲートの後ろに自転車を置いて時間を待ちます。

CP1、30.2km地点の、道の駅くりもとまで
20人ずつのスタートで、第3ウェーブでスタートして、ここはいつものコースをたどって県道を隊列を作って成田方面に向かいます。
ややオーバーペースかな?と思いつ、ついていけないペースではないのでウォーミングアップも兼ねてしばらくその隊列で走っていきます。

8.5kmほど走って左折して「市営大谷津球場」の横の道に入り今回設定された新コースになります。
まあ、千葉県は、我々北関東の人間からすればまだしも開けているイメージがありますが、どっこいちょっと田舎に踏み込むとこれが良い勝負で(笑)、高い山や険しい峠はない代わりに、およそ平らなところもなく、ひたすらデコボコとした山と、その間の低いところを延々と「上がったり下がったり」という事になります。

で、自然と実力差が出るので長い隊列は切れてきて、ちょうど良い感じで走れるようになります。
信号が多い県道を延々と走っていると、信号待ちでいつの間にか大渋滞に成っていた従来のルートよりは、はるかに走りやすかったように思います。
初心者はのっけから山登りでキツかったかも知れなかったですけどね。

県道63号線を東進していき、復路のいつものコースである県道115号線で成田空港の東側を南進して、多古町に入る前に県道44号線に左折してさらに東進します。
以前のコースに比べるとひたすらアップダウンなので、序盤で体力を使う感じでしたね。
ほどなくしてCP1くりもと道の駅に到着です。

実はこの手前にあるローソンで補給と休憩を済ませてあります。
関東圏のイベントでコースにコンビニなどの補給ポイントが望めるコースの場合、自分はCPやエイドステーションの補給はあまり宛にせず、直前や直後のコンビニで補給をします。
混んでいるからというのが最大の理由ですが、その時の身体状態に合わせた補給ができるコンビニの方が便利だからです。
以前参加した秋田県の「いってくるーど田沢湖」等は、コース上にコンビニどころか商店もなく、自販機や自前の補給食で凌ぎましたが、ケースバイケースですよね。

~CP2、79km地点の、神栖市浜崎サンサンパークまで
ここから50kmまで一気に走り抜けます。
県道44号線を東進してから、県道の16号→125号→114号→125号→28号と山の中を、どこをどう通っているのか検討もつかず(笑)、74号で旭市の水田地帯に出て、一山越えて利根川沿いに出ます。


なんというか、コース選定の苦労がしのばれる設定ですが(苦笑)、思いのほかこれらの県道は昔からの街道の名残のようで、沿線に古い町並みや神社仏閣がかなり多く見られていて、ここの地域だけをターゲットにしてツーリングしても面白そうな感じで新鮮でした。


特に車列も組まず、同行のM島君と走っていましたが、後方で誰かと話しています。
なにかペダリングについて指導を受けているようですが、なんと今中大介氏で、朝の挨拶で皆さんの走行状態をクリニックしますよと言っていましたが、一人一人丁寧に説明されていました。
今中氏が近づいてきて自分に何か言おうとしましたが、全身テーピングとサポーターで固めた痛い姿(苦笑)を見て息を飲んでから、「なるほど、怪我をされていたんですね」と声をかけてきました。
詳しく聴いたら、ペダリングで引き足から前に出すときに窮屈そうに「カクカク」していたそうです。
ある意味驚いたのは、実は怪我の影響で前傾姿勢が取れず、腰にも痛みが有ったので何時ものポジションよりサドルを5mm下げて10mm突き出したのですが、クランク軸からの各作動点や力点の距離が短くなっているので、考え無に乗っているとペダリングが乱れて綺麗な円を描けなくなっていたのですが、流石元プロだけあって、後ろでさっと一目しただけで見抜けてしまう物なんですね。
M島君は踏み込む時にカカトを落としてしまう癖を指摘されていて、意識してペダリングを直したら脚の消耗や痛みがかなり緩和されたと喜んでいました。

先にJR成田線が見えて、下総豊里というところに出たようです。
利根川沿いは国道356号「利根水郷ライン」が走っていますが、成田線を挟んで山沿いにある旧街道を銚子市街に向けて走ります。
見覚えが有ると思ったら、一昨年に自宅から銚子までツーリングした時に走ったルートで、我ながらよくこんなところまで来たもんだなと、妙に感心してしまいました(笑)。

しばらくして県道73号にぶつかるとそこを左折して「利根かもめ大橋」に向かいます。
この73号は右折すると去年までの帰路のルートになります。
橋と利根川が見えてきました。


一昨年のツーリングでは茨城側から千葉側に渡ったように記憶していますが流石に河口付近は川幅があり、大きな橋になります。


橋を渡って県道198号線を神栖市の土合というところの新興住宅地街を抜けて、太平洋側に向かいます。
県道117号線ぶつかってを右折して、利根川河口の波崎というところに向かいます。
真っ直ぐ行くと神栖市の中心地なので、途中で左折して太平洋側沿いの道路に出て先に進みます。
地形からして防風林のようなものが見える先は太平洋だと思うのですがまだ海は見えません。



ようやく海が見えてきて波崎サンサンパークの駐車場がCP2となり、お待ちかねの「スイカ」をいただきます。


青い空のもとで潮風に吹かれながら食べるスイカは最高です!

このイベント用にハウス栽培されているスイカですが、今年はいつもより甘味が強くて美味しかったです。
毎年ここのスイカが自分にとってはスイカの「初物」になります。

せっかく来たのだからということで、周辺の写真も撮ります。

なんとなく雑然としているというか殺風景というか、多分ここを目指して見に来るということは今後先ず無いのではないかと思うのですが(苦笑)、ロケーションは他に得難いものがあるのですから、美観という観点で整備していけば結構良いところになるのではないかと思うのでうがね?

さて、頂くものも頂きましたし(苦笑)、のんびり休憩できる感じでもなかったので、先を急ぎます。

CP3、128.6km地点、多古町あじさい公園まで
時間的にはまだ11時と、コースは違いますが例年より若干速いペースでここまで来ていますが、銚子の方に戻って昼食とロングの休憩を取りたいところです。
先ほどの海水浴場からまだ先に道は続いていて、波崎新港に出るとそこは利根川沿いで、川沿いを遡っていきます。


これも前回のツーリングで渡った銚子大橋をわたって調子市街地に入り、これまたお馴染みのルートを利根川沿いにさかのぼります。
ここでお店かいつものコンビニで昼食と行きたかったのですが、垣根町というところで左折して、国道356号をわたって柴崎というところから内陸部の山の上に入っていきます。
今回のコースはここから九十九里海岸に出るコースなのですが、この辺はランチを食べるお店どころかコンビニも普通の商店一つありません。
いつもの風車地帯をいい加減に疲れながら走ります。

県道216号から211号を継いで、飯岡というところに向かいますが、山を下るところで「ミニZ坂」があり、国道126号線沿いのコンビニで昼食兼ロング休憩を取ります。

設定上はおそらくこの先にある飯岡の海岸線沿いの「海鮮」関係のお店や、「いいおかしおさいホテルレストラン」とかでランチをどうぞということなのでしょうし、ルートラボにもポイントが有りました。
でも自分はそもそも海鮮関係が好きではないこともあるのですが、イベント中にもし生ものを食べて何かあると嫌なのでこのイベントでそういうお店に入ったことがありません。
まあ、こまめに補給しておいたおかげで体力の消耗は最低限で済んでいますが、念の為がっちりオムライス弁当とカレーヌードルを流し込んで、各種サプリメントや、腕の患部や脚に消炎スプレーをかけたりと、後半戦に備えたケアをしておきます。

さて九十九里浜沿いの県道30号線を南下していきますが、新しく整備された堤防で当然のように海が見えません。
あと昨年までは序盤の往路のルートで、まだスタミナがあるうちに、大抵向かい風を格闘しながら必死に走っていたことが多かったのですが、今年はペース自体を押さえて走っていたせいもあり、周りの様子がよく見えてしまいます。
やはり震災の影響は甚大で、このあたりは復興しているというよりは、なんとなく寂れる方向に行っているようなイメージを受けました。
空き地が多かったこともありますし、そこにやたらとソーラーパネルが並んでいたのも殺風景でした。

しばらくすると堤防が切れているところが有り海が見えてきます。

ガーミンにいれたデータではここ飯岡海水浴場から、海岸線沿いのサイクリングローを走るようにルートが引かれていますが、看板もなければどの参加者もそちらには行かないで県道を直進します。
コマ図もそういう指定はなかったので、最終的にはそのようになっていたのでしょう。

でも海岸線を走っているのに海が見えないというのもなんだか損をした感じですし、コースを見たところロケーションも良さそうです。


と、ここで寄り道ということでコースを逸れて、県道に並行して走るサイクリングロードに入りますが、この「茶目っ気」がいけませんでした。
しばらく走って行くと路面に貝殻の砕けたものが砂混じりに散乱していて滑るし、当然パンクの危険性もあがります。


そして行く手をなんと風で流された砂が溜まってコースを塞いでいるではないですか!。

シクロよろしく自転車を降りて押して通過しましたが、二個目の砂貯まりは通過できるかな?と侵入したら思ったより砂が深くハンドルを取られてしまいました。
普段ならカウンター宛てて無理やり立て直して通過するところですが、やはり100km越えで、肘にたまったダメージが限界に達して腕に力はいらず転倒してしまいました!
お恥ずかしい限りですが「あっ、こりゃダメだ」とわかった瞬間、前回の落車が瞬時に脳裏に蘇り(苦笑)、反射的に受身姿勢で肩から砂山の柔らかそうな所に転倒したおかげで、幸い左足膝付近の擦り傷程度で済みました。

バイクもダメージはなく無事でしたが、この程度で済んで幸いでした。
やはり冒険はリスクを伴うもので、「自己責任」がサイクリングの基本ですから、むやみにスリルを求めてリスクを上げる行為は戒められなければいけませんね。

このあとは淡々と県道30号線を走りますが、走行で溜まった疲労と先ほどの転倒のダメージがダブルで効いていたのか、体に力が入らなくなってきました。
野手浜というところで、右折して県道44号線を内陸の方に多古市に向かいますが、角にあるコンビニで休憩を取ります。
おそらくお昼に食べた物を消化している最中で、胃にエネルギーを取られるのも原因で、お昼後がツーリングで一番辛い区間なのですが、暑かったこともありクールダウンでアイスクリームを食べます。

ここからは多古までは約15km程ですが一番辛かったのはこの区間で、そういえばコースは違えどもこの時間の区間はいつも辛い思いをしていたような気がしますね。
多古につく前にもう一度コンビニに寄りますが、ここでいつもの「ドーピング」をしておきます。
残りの距離と時間からすると、ここでカフェイン入の栄養ドリンク系を仕込んでおけば、終盤に効いてくるはずなので「モンスターエナジー」を流し込みます。

ゴール!栄町安食の163.2km地点まで
CP3の多古町あじさい公園では最低限の補給で済ませて、他の参加者が出るのを見計らってそこについていく形でゴールまで向かいます。


昨年はこの地点に来た時点で水も飲めないほど消耗していましたが、ちょうどいろいろあって精神的に不安定だった所に、急な暑さの中いきなり走ったので「自律神経」が完全に制御不能になっていた状態でしたから
、今年は程度のダメージで済んでいれば上等な方だとは思います。

此処からは完全に去年までのコースで、残り30㎞余りという事も有り精神的にも余裕が出てきます。
成田空港の東側のコースですが、此処に来て今回ようやく間近で飛行機を見る事が出来ました。
個人的には成田で旅客機を眺めながらが走るというのも、この大会の醍醐味なんですがね。

特に急ぐでもなく、のんびり走るでもなく周囲の流れに乗って何時もの10%勾配を乗り切ればあとは「パレードラン」みたいなもので、ああっ、帰って来たんだなぁという感慨がわきます。
ゴール間際でスタッフの集団が近づいてきたなと思ったら、今中大介氏がいて、一緒にゴールすることに成りました



何とか今年初めてのセンチュリーライドを完走することが出来ました。


ガーミンの走行コースとデータです

163kmを9時間20分、AV23 ㎞、AVHR130 という結果でした。
最近の自分の通常時のデータで比較すると、AV速度で2~3㎞/h遅く、HRが5低くいというものですが、結果としてカロリー消費も2000程度低く、意識的にペースを落として走った・・・・というより現時点でのスタミナとかの現状が数字には良く出てえいますね。

最後は何時ものようにノンアルコールビールで乾杯です


最初と最後に自分の汚い脚の画像で大変恐縮ですが(苦笑)、テーピングを剥がしたら見事に日焼け跡がくっきりと残ってしまいました。


当初は127kmを何とか走れるレベルで本当に160km走りきれるか本当に心配でしたが、負傷部位も含めてダメージが残っているという事も無く、筋肉痛も無く体力もまだ残っていたくらいですから、徹底的に「エコモードサイクリング」に徹したとはいえ、かなり回復してきたとは思います。
ペース配分や補給、休憩ポイントなどは、M島君には悪かったのですが自分のペースに合わせてもらって、コンディションの整え方や機材の調整なども含めて、この辺りは伊達に10年もこんなことをやっているわけではないという、「経験値」をフル動員させて、体力というより経験値で乗り切ったという感じです。

イベント自体は、会場を除けばまるで別のイベントに出ているような感じで、同じ地域であってもコース選定でここまで印象が変わるという事に新鮮な驚きを感じました。
伝統的なサイクリング協会のイベントらしく(苦笑)、とにかくコース誘導などは限定的で、終盤はコース指示の看板さえ途絶える始末と、「サイクリングは自己責任」を体現したそれらしい大会で、初心者にはチト大変かもしれませんが、苦労し甲斐があるという意味も含めて、十分楽しめたイベントとなったようです。