真夏の青い空とモコモコと湧き上がる白い雲なんて光景を、とんとお目にかかることができなかった今年の8月ですが、本日はその鬱憤を一気に吹き飛ばすほどの好天で、蒼空をかける蒼い天使達を思う存分満喫してきました。
宮城県の東松島市(旧矢本町という方が我々はしっくりきますが)ですが、ここにある航空自衛隊松島基地は、戦闘機の戦術訓練の基地であるとともに、アクロバットチームの「ブルーインパルス」のホームベースとして、多くの人達に親しまれていた基地です。
ところが「東日本大震災」の津波で、東松島市は、市街地やJRの施設までもほぼ壊滅的な被害を受けて、松島基地も基地の設備はもちろんのこと、機種転換訓練に使う「F2戦闘機」や、救難飛行隊のSH60ヘリコプターなどが水没したり流されて破損したりして、壊滅的な被害を受けました。

ブルーインパルスの「T4練習機」とチームのパイロット、整備員等は、本来なら翌日行われるはずの、九州新幹線のオープニングセレモニーに出演するために、九州の福岡県の「芦屋基地」にいて無事でした。
ブルーインパルスはしばらくことらに避難していて、数年後に松島基地の基地機能がある程度戻った時に帰還していましたが、毎年行われる「松島基地祭(矢本航空祭)」は昨年まで行われませんでした。
まあ、当たり前のようなというか、色々と理由があったことと、基地祭の再開の是非については関係者の方々も相当いろいろな意見が有り、また悩まれたのではと思いますが、多くの人が待ち望んでいたイベントでありますし、再開されたことに対しては、僕は無条件で喜んでしまいました。

僕の飛行機道楽の原点である「基地祭巡り」ですが、最近は年に1回ほど行けば良い方で、かつてのような情熱を持ってはいないのですが、ここ松島基地は特別であるということで、前日から現地に入って前泊して向かうことにしました。
と、やはりここでどうしても自転車が頭から離れないのは、もはや「性」と申しましょうか(苦笑)、せっかくの週末に乗らないのも嫌だなと、一昨日の金曜日は早く寝て、早朝出撃に備えました。

なんだか翌日の天気が心配な日没の光景です。

で昨日の土曜日の4:10頃出発して90kmほど乗っておこうと出かけました。

東の水平線だけ赤くなってきてなんだか不気味です。

やはりこんな朝日に成りました。

降雨レーダーを見ていても、前線がどんどん南下してきて、やばそうな感じでした。

いつもの岩瀬に寄ってそそくさと帰路に着きます。


この風景だけ見るともはや秋が近い感じですね。

自宅に9:30ごろ戻って、Z25の調整と清掃だけしておいてから、シャワーを浴びて食事と仮眠を取り、お昼過ぎに宮城県に向かって自動車で発進します。
東北自動車道は下り線が渋滞で、その渋滞のせいで追突事故が2件ほどあったので、予定よりかなり遅くなって松島付近に到着です。
普通なら色々と下見などをしておくのですが、時間がないので、松島、石巻を通過して、三陸海岸の女川に向かいます。

おお、海が見えてきました。

今回は宿泊をJR石巻線の終点である、女川駅付近にある「ホテルエルファロ」を予約しました。
このホテルは、もともと海岸付近で民宿などを営んでいた人たちが、復興事業として合同で「トレーラーハウス」を山の上に設置して解説されたホテルです。
まあ、山の上だと何かと不便だということで、駅の隣接地に撮されたということで、地元の応援の意味もありここに予約を入れました。

女川港と駅付近はそもそも災害前の姿を知らないのですが、綺麗に区画整理されていて、所々に新しい建物が立ち始めたところから、ほぼ壊滅してしまったのでしょう。
駅も真新しい綺麗な駅でした。



ホテルは敷地に綺麗に「トレーラーハウス」を並べたものです。


実は個人的にトレーラーハウスに興味があったから個々を選んだという理由もあります。

お部屋はツインを一人で使うので、スペースは十分で、快適性もももまあまあでした。


夕飯は近くの食堂で済ませて、お風呂は何と女川駅の上に日帰り温泉が有りました。

とりあえず駅付近で用が足りるので、便利ではあります。
ビジネスや観光の拠点に使うのには申し分のない宿ではありますが、民宿のような「アットホームな感じとか」その家ご自慢の料理というものを期待すると「あれ?」という感じになります。
まあそこは目的と好みの問題でしょう。

当日である本日の日曜日の朝は、朝食を取って、7:00には現地に向かいます。

やや高台から港を俯瞰します。
こうやって周りを見回すと、住宅地は全て山の上に移動させているようで、平地は基本的に商業地や倉庫など、居住しない区画に分けてあるようです。
この津波の被害地域に居住させるか否かは明確な答えは出ていまい様で、自治体や個人によって意見はさまざまありますし、どれが正解であるかは難しいところです。

海岸線沿いを石巻市街を通って基地付近まで行くと、「航空祭渋滞」に巻き込まれるので、山沿いの内陸部の道を西に向かい、7km程離れた運動場に自動車を置いて、通勤用のGT改+を持ってきたのでこれで基地に向かいます。
渋滞に巻き込まれないのと、地元住民に迷惑をかけないようにと考えた「パーク&ライド」で、まあこれも自転車乗り再開の理由の一つでもありました。
当時はもっと近いところに止めて、折りたたみで基地に行くだけでヒイヒイ言っていましたが、今は本当にポタリング程度の強度で、青空を楽しみながら基地に向かいました。


基地には9;00ごろ到着しましたが、まあなんて良い天気なのでしょう!

最近お目にかかれなかった青空を、ここ矢本の地で身体いっぱい堪能することが出来そうです。
松島基地祭りは、海沿いの基地で天候の変化が激しく、雨はもとより雷雨や低く立ち込めた「海霧」で飛行中止になる事もたびたびあり、此処までの晴天での基地祭りは本当に久しぶりです。

最近の基地祭は、昔のようにほかの基地や米軍からの「ゲスト」の飛来も無く、展示スペースは随分寂しい物に成っていますが、贅沢は言えません。

今回の写真は新XPELIAで撮影していますが、結構きれいに撮れていますね。

久しぶりに見ますが、ミニバイクの地上アトラクションである「ブルーインパルスJr」も頑張っていますね。

何時の間にか屋根付きに変わっていました!

しかし暑いです!


自転車でヘルメットばかりだったので、帽子をかぶる習慣が途絶えていて、帽子を持ってきてなかったので、我慢ならず現地でブルーインパルスのキャップを、ほぼ15年振りくらいで購入します。


ブルーインパルスの演技飛行は、通常の基地際では「メインイベント」で、プログラムの最後に行いますが、ここ松島基地は、午前中と午後の2回行ううえに、なにせ「ホーム」ですので、何処よりのキレのあるノビノビとした演技が見られるところで、その上上空にまったく雲が無いと来れば、垂直方向の機動飛行を組み入れた「第3区分」演技で、本当に蒼い空にスモークがくっきりラインを描いています。



ハートに矢が刺さる「キューピット」です。


先の上方空中開花で5機が散開、反転して会場に戻ると、上空に大きな星がかかる「スタークロス」です。


もう観客は大空にくぎ付けで、初めて見る人は「口あんぐり」状態で興奮していました。


コンデジの望遠側で撮りましたがこんな感じが限界ですね。

もうスマホの方がよっぽどキレイに簡単に撮影できることにガッカリです(笑)。
時代ですねぇ・・・・

ブルーインパルス伝統のクロージング演技の「ローリングコンバットピッチ」から、ソロ2機のこれも定番の大技「「コークスクリュー」で演技飛行が終わります。


一眼でキチンと取ろうとすると、装備品(特のに望遠レンズや三脚)が自転車では辛いので、またの機会にじっくり撮りたいですね。
こんな感じで帰ってくる機体を迎える「整備隊」の皆さんの「さあ、これからが俺たちの仕事だ!」みたいな雰囲気の方が、被写体としては興味が出てしまうんですよね(笑)。


昔は午後もギリギリまで居ましたが、本日はこれで満足してしまい、午前中で撤退することにしました。
帰りの渋滞に巻き込まれると大変なんですよ(苦笑)。
という事で、夕方までには自宅に帰って、簡単な記事をアップする事が出来ました。
まあ、これだけの蒼天を拝んで、蒼い天使たちの元気な姿も拝むことが出来ましたし、大満足の基地祭りの見学で、8月の最後を締めくくることが出来ました。