何と関東地方は5月である本日に梅雨入りしました。

とにかく季節の推移が少なくとも1か月は早いというのは、各種「開花前線」が早く、各地で地元の方々と話しても、「一か月は季節が早い」は間違いない所ですね。


さて、例年なら5月連休明けから6月中頃まで天候が安定して、各種イベントや旅行に最適な時期なのです。

それに合わせてイベント見学の旅行を計画して、5月28日に静岡県藤枝市の航空自衛隊静浜基地で開催される「2023静浜基地祭」に、オートバイのツーリングを兼ねて宿泊先など決めておきました。


前々日の26日に出発ですが、ネットの記事で、自転車のロードレース「ツァーオブジャパン」が丁度富士山の「あざみライン」で行われるという事で、スタート地点の小山町「道の駅すばしり」に、レースのスタート時間の11時に間に合わせるため、暗いうちの3時に自宅を出ます。



1時間30分くらいして休憩しているときに丁度陽が上がってきました。





まあ、高速使って車で行けばそんな早起きして、下道で延々と走らなくてもいいんですが、そういう面倒な事が好きなオヤジもいるんですよねぇ(苦笑)




まあ実際はこれに渋滞や迂回、休憩なんかが入りますから7時間30分くらいかかりましたがね。



PCXは旅装備にで荷物満載です


何故ここに自転車のヘルメットが乗っているのか?は今回のタイトルに関係しています。



今やロード乗りの聖地ともいえる「道志道」を進んで峠を抜けると富士山が見えてきます。



この日の空模様はちょっと異様な感じのする空で、国道16号を走っているときは東京方面から何本もの雲の太い筋が流れてきたり、上空の高い所に薄い雲が広がっているようで、一見曇りの空模様だが、富士山はくっきり見える所から、雲底は少なくとも1万フィート・・・・大体3300m以上あることは(富士山の標高3776m)判るのですが、嫌な感じです。


道の駅すばしりに到着です。




ここは富士山一周のイベントで何度か訪れたことがあるので、勝手知ったる場所ではあります。


ツアーオブジャパンのスタート地点は此処から上に上がったところに成ります。



ここがスタート地点ですね





これは報道のカメラ用のバイクです。



流石大きいしっかりとしたバイクで、これを見ると自分のPCXはオモチャに見えますな(笑)





ここから「ふじあざみライン」で須走口の5合目まで上がるのですが、20度を超える急こう配が続く「地獄のすばしりライン」ですから、ああっ、とても考えたくもないわぁ!


スタート時間前で、アップをする選手が通り過ぎていきます









スタート時間が近づいてきて会場もにぎわってきます。












スタートシーンはTwitterとfacebookにアップしましたが、通過するのはあっという間なんですよね。

で、会場がパブリックビューイングになって、実況中継で観戦できるようです。





会場にコースの勾配図が掲載されています。



こんな勾配のコース嫌ぁぁぁ!(苦笑)


しかし、ロードレース自体、世間ではマイナーな存在ですし平日という事も有るのでしょうが、なんというかあまり観客がいません。


関係各位もいろいろと努力はされているのでしょうけど、宣伝も含めて色々なプローチが必要なのかもしれません。

今回も「たまたま」情報を目にして、遊び人なので(苦笑)平日に時間が取れて、偶然にも自分の旅行先だったから見に行けただけで、偶然に近い状況でこれたようなものです。


さて、お昼を食べて本日の目的地である伊豆市の「道の駅伊豆のへそ」に併設されている、自転車メーカー「メリダ」が直営しているサイクリング体験基地とでもいうのでしょうかMERIDA‐X‐BASEに向かいます。








実は前回の伊豆旅行で通過地点として宿泊予約を取ったところが、偶然この施設のホテルで、現地でここの存在を知りました。

此処では最新のメリダのバイクをレンタルして、周辺観光が出来たりサイクルツーリング体験が出来ますが、地方にある観光目的の自転車レンタルとの最大の違いは、メリダの直営店で、スポーツサイクルの知識と技術のあるスタッフが用意されている事です。


自転車だけでなく、ヘルメットやビンディングシューズのレンタルもあり、バイクの選択やポジションのフィッティングも、適切なアドバイスを貰えるので、日頃自分のバイクに乗っている環境に非常に近い環境で、出先で気軽にサイクリングを楽しめるという所にあります。

これなら都心から電車でウェアだけの軽装備もって訪れて、自転車借りて観光するというプランが楽しめますね。




着替えのロッカーもあり、温泉もあり、ホテルも有る(結構リーズナブル)訳ですからサイクルツーリストの拠点としての魅力満載です。



話は変わりますが、自分は本当に日本の色々なところを旅していますが、一度たりともレンタサイクルなる物を借りた事が在りません。

それは「どすこい体型」に合ったサイズの自転車がまず用意されていない事に合わせて、ポジションが合っていない自転車には絶対に乗りたくなかったからで、

このMERIDA‐X‐BASEではそのネガがすべて解決できるとう事です。


まあ前回の訪問でそれは確認しており、次回は是非最新の「e‐bike」をレンタルして、色々と確かめてみたいと考えていましたので、今回ちょうど良い機会だという事で訪れて、スタッフと相談してバイクを選択し、じっくり乗ってみる為に翌日4時間のレンタルを予約しました。


この時点で15時を超えていましたので、ホテルのチェックインまで観光を楽しむことにします。

そういえば此処「中伊豆」は何度か来て、「天城峠」も通過していますが、「旧天城トンネル」を見た事が在りませんでした。

旧街道で道も整備されていないので、自家用車で行くのはいささかはばかれたのですが、バイクならいけるかなーと(苦笑)




確かに雰囲気は有りますねぇ。





まあ、平日と言う事で観光客もほとんどいませんでしたから、寂れた雰囲気を味わう事は出来ました。



路面の方は前日まで結構雨が降った事もあり、路面が掘られてかなり荒れていましたが、安全第一でたどり着けました。

まあ、こんなものですよね(笑)


天城峠から戻って、本日の宿泊は長岡温泉の「ホテル八景園」を予約しました。

此処の売りは富士山が拝めるという物で、どのお部屋からも展望露天風呂からでも、天候さえ許せば何時でも富士山が拝めます。


このホテルは如何にも「昭和の観光ホテル」と言う感じの建物ですが、内部は清潔にリニューアルされていて、部屋も巷のビジホに劣らないアメニティが提供されています。

流石に昔のように着物を着た仲居さんがワラワラ出てきて至れり尽くせり・・・は無いですし、従業員も外国人労働者の方々が半分以上と言う感じでしたが、サービスに不満な点は無く、提供された朝食も美味しく非常に快適なお宿でした。







屋上の露天風呂からも富士山が拝めて、調子に乗って朝ぶろも堪能しました。


ただ、この日の富士山は朝からどうも不気味と言うか、薄雲に浮かんで見えるという物で、地元で定点観測をしている訳ではないので、見え方による「何か」を想定できる材料が自分にはないのですが、これは19歳から49年間空を見上げて雲の様子を観察していた経験による「癇働き」という、非科学的な感覚での「悪寒」です。


まあ「偶然の産物」として、この日千葉県東方で震度5弱、M6.2というかなり強めの地震があったわけですが、午前中に見た雲も含めて、こんなオカルトな与太話に何の信憑性も無く、多分地震の発生とは全く関係ない事なんでしょう。

ヤレヤレ(苦笑)



さてようやく本題の「e‐bike」の試乗です。

バイクはクロスバイクをレンタルしました。



これは「CRUISE」という物なんですかね?

アルミフレームとテイァグラのコンポが入った、よくあるスペックのバイクです。



肝心の「電動アシスト」はシマノの6000シリーズが使われていて、よく巷で見るママチャリの「電チャリ」ではなく、しっかりとしたスポーツサイクルとしての「e‐bike」です。

ちなみに電動アシストコンポについては、世界的に見れば「ボッシュ」のシステムが主流?でしょうか。

また、正直怪しい限りの「中華e‐bike」については、ほとんど「電動オートバイ」のような、日本の法規では違反と言う物も少なくないです。


この「規制」ですが、最高速度は24㎞/hとアシスト出力の規制がありますが、当然欧州にはそのような規制は無く、通販で欧州性を購入したり、国内でも正規代理店で購入した物に「欧州版ソフト」を組み込んでリミッターをカットするという事を、内緒で行うサイクルショップも少なからずあるそうです。




能書きはともかく乗り出して最初の感想は「狡い!」でした(笑)

ペダルに脚をかけて直ぐに「スーッと静かに前に出る」感覚があり、フッと重さが消えたような感じがします。

今回はMERIDA‐X‐BASEのある長岡から、山を一つ越えて海のある「内浦」に向かいます。



チカちゃん達が、ママチャリでヒイヒイ言いながら登ってきたのとは反対のコースですね(笑)

いやロードバイクでも厳しそうで、特に今の自分の体重では間違っても来たくないのですが、流石e‐bikeだと問題なく登れます。


ここでe‐bikeと言う物のイメージについてですが、自分も「モーターで走るオートバイみたいなもの」で、楽に走れると思っていましたがが、このバイクについていえば、結構自分から意識して回して走らなければ前に進む事は無く、オートバイでは無く、間違いなく感覚的には「自転車」です。


一山超えて海に出ますが、此処内浦は言わずと知れた「ラブライブサンシャイン」の舞台になった地域で、所謂今回は「聖地巡礼」も兼ねています。





アニメを見た方なら、見覚えのある場所ですね(笑)








ノンビリ聖地を巡りながらさて、元来た道を戻るのも芸がないし、もっと勾配が厳しい山道は無いかとGooglMapdeで探していたら、地元のおばちゃんが声をかけてきて、親切に道を教えてくれました。

ここから入るようですね。




あっ、結構厳しいかも(苦笑)



まあ想定通りかなりの勾配で、だいたい15%以上の勾配が続く九十九折れが続く感じで、地元宇都宮のジャパンカップのコースにある「古賀志」の激坂以上のコースが延々と続きます。



恐らく自分が一番コンディションの良いときであれば、なんとか登っていけたでしょうが、現状では「生身」では絶対無理と断言できますが、e‐bikeなら登っていけます。

ただし、最初は結構一生懸命回してしまったせいで、鍛えていない心肺機能が悲鳴を上げる状態でしたが、痛みのある膝は全く問題なく、脚に負担がかかるような気配は有りません。


これは本当に不思議な感覚で、あえて似た様な状況を表現するのなら、「ローラーやエアロバイクの負荷を下げてクルクル回している」のと似ている様な気はします。




一山超えて戻って来て「狩野川」のほとりを走ります。







最初は「身体に負担はかからない事は判ったけど、あれ?e‐bikeって、そんなに楽に走れる物じゃないのかな?」と感じましたが、次第にシマノのアシストの特性が分かって来て、それに合わせて走ることが出来ると、今度は本当にスイスイ前に進んで行くように成りました。


よし!もう一回チャレンジと、もう一つ山を登っていきます。



うわっ!此処も結構すごいぞ。


気が付いてみると、結構高い所に来ていますが、これがe‐bikeでなければ、クロスバイクで今の身体状態で、満身創痍に成らず此処に上る事は絶対に無理でしょう。




さて、e‐bikeに乗った感想の総括ですが、特にシマノのシステムの場合「e‐bikeは自転車であってオートバイではない」という事実です。

オートバイのように右手を捻れば楽に走れるようなものではなく、自分が主体的にペダルを回し続けなければ1㎜も前に進む事は無い「自転車」でした。


そして自分を含めて世間の人達が大きく勘違いしていた事として、「e‐bikeはパワーアシストでは無くトルクアシストしてくれるアイテムだという事です。


だから走る為にはペダルを回す、ケイデンスを稼ぐ為の身体機能や心肺機能は必要であり、普通に疲れますしカロリーも消費します。

ただ、クランクに装備されたセンサーにより、トルクを検知して「それに合わせて「トルクアシスト」をしてくれるので、脚の筋肉や腱、間接に過剰な負荷がかかる事が在りません


だからe‐bikeで山野を走ると、結構息が荒くなって大汗かくような運動強度がるのに、脚に負担が掛からないので、脚のダメージが無いという事に成ります。


これはある意味自分のように、「健康維持やウェイト制御の為に自転車には乗りたいが、脚に故障を抱えているので坂道は不安で登りたくない」という自分にとっては、「福音」以外の何物でもありません。


あとロードバイク乗りとして懸念を持っている方が多かった「アシストが24㎞/h」までで、ロードの仲間に付いて行けないという話です。

まず自分に限れば走行ペースが特にクロスバイクのポタリングでは平均速度が20㎞/h程度で、MAXでも25㎞/h程度であれば全く問題が無く、MTBベースのe‐bikeでは流石に巡航速度は上がらないでしょうけど、ロードバイクベースであれば、特に平地の巡航速度に関してはe‐bikeだから遅い?事は無いと思います。


要するに一括りにe‐bikeとまとめる事は間違いであり、自転車そのも持っている特性や性能が重要であり、電動云々はあくまで「トルクアシスト」の問題でしかないという事です。


ちなみに今回借りたクロスバイクタイプは、ちょっと残念だったのは「振動吸収特性」があまり良い自転車では無かったようで、結構振動疲労を感じてしまいました。

これは同じクロスバイクでも自分が普段乗っている、「2007年式TREK FX7.5」のとの比較で感じてしまった事で、このFXは当時のクロスバイクの最高グレードで、TREKのアルミのロードバイクと同じ品質のフレームとカーボンフォークに加えて、自分の改造でシマノのWH6800のホイールと、パナレーサーのグラベルキングのタイヤや、セラSMPの幅広のサドルに換えてあるからです。


もしロードバイクとしての走り方に拘るのであれば、最新のロードタイプのe‐bikeだと、重量は10㎏程度だという事ですので、一昔前のアルミフレームの重さ程度であれば、巡航速度はむしろ「エアロ性能」であって、フレームやホイールの空力性能次第?と言う事では無いでしょうか?


等といろいろ書きましたが、今回これ以外にも何台か載せていただいて、正直一番自分にしっくり来たのがロードタイプに近い、どちらかと言うとグラベルロードの「ミヤタロードレックス」だったと報告して締めくくります。




ホントこれは、帰路に馴染のショップ行って、即注文を入れてしまいそうなくらい気に入ってしまいました(笑)

まあ以前でしたらですけど。


多分、イベント関係以外の自転車生活でしたら、これ一台だけあれば大丈夫ではないかと思います。

なにせポジションのフィッティングも未完の状態で乗って、あれだけ満足できれば、何も言う事はありません。


問題は「現状敢えてこれを買わなければいけない切迫感は無い」につきます。

要するに無職の遊び人が、なんとしても買わなければならない、納得のいく理由が無いんです。


これが、あれだけ使いもしないロードバイクを買いあさった人間と、同じ口から出たとは信じられないようなセリフですねぇ(苦笑)。


とはいえ、これを買ったとしてどのくらい稼働するのかという事に関しては、現状の保有バイク(オートバイも含む)を見れば由々しき問題です。

いっそのこと保有自転車をイベント用ロード1台の残して処分してロードレックスを購入するというのも考えてはいますが、悩ましい所ですね。

まあ自分の購入問題は除けば、ぼく自身のe‐bikeに関する否定要素は、今回の試乗ですべて取り払われました。



さて、本来この旅行は静浜基地祭の見学と、あわよくば余った時間で「大井川鉄道」付近をツーリングして楽しもうと、静岡空港付近に宿を取ってあったのですが、冒頭にあるように本日より天候の悪化が予想されていて、一日中雨天でのオートバイの長距離ツーリングはリスクが大きすぎると判断て、急遽28日中に帰宅する事にしました。

これで完全に当初予定していなかった「自転車関連旅」に成ってしまったわけです(苦笑)


昨日はとにかく当日中に帰宅しようと、5時朝食も取らずホテルを出て、何とか16時30分頃には自宅に帰ることが出来ました。





実際渋滞の迂回などもあり、大体370㎞を11時間30分かけて走りましたが、これが現時点では一日に移動できる限界の距離に成っています。

ただ流石にお尻は痛くなってきましたが(苦笑)、体でそれ以外に痛くなるところは無く、疲労感もそれほどなかったのは、気候が良い事も大きかったですが、自分自身随分オートバイに慣れてきて、身体に無駄な力が入らなくなったからかもしれません。