自転車の場合、あくまで個人的な意見ですが、使用する目的や、個人のスキル、機材などによって、快適に走れる速度レンジが決まってくるのだと思っています。

そういった意味で、クロモリフレームのシクロクロスベースで、ツーリング車のような仕様で、のんびり一日走り回る為に仕立てた僕の「WAZOO」の場合、ガチガチのロードバイクとは違い、重量もあり、タイヤも太め目(28mm)で、アップライドで空気抵抗も大目なので、巡航速度は23kmから28km程度が快適に走れるようです。

だとすると、あまり重いギアはいらないので、リアのスプロケには14T-25という、軽い方でギア比がクロスしている物を入れており、フロントクランクは50T-34のコンパクトクランクが入っています。

ですが正直このくらいの速度領域で走行していると、17T以上の重いギアに入れる機会がほとんどありません。
以前も書きましたが、そうなるとFRのアウターギアは50Tなどではなく、48・46Tのアウターギアを入れたほうがいいのではないかと思っていました。

当初このバイクを仕立てる時にも、構想としては有ったのですが、ショップの方はあまりお勧めできないと言う事で手持ちの50-34のクランクを入れました。
ショップの方が仰る事はもっともな事で、実は、シマノコンポーネント最大の利点である、正確なシフトチェンジ、更にフロント側の切れの良さは、アウターギアに最大のノウハウがあるのだそうです。

とはいえ、アウターギアを社外品(FSA、スギノ)に替えた多くの方のブログなどを拝見している範囲では、フロントの変速に不満をもたれている意見は聞かれなかったので、今回意を決してアウターリングの交換をしてみることにしました。

前置きがくどいのは、当ブログの難点ですね(苦笑)。

さてコレが今回用にした部品です。


まずメインの48Tのアウターリングです。

FSAの110mm BCD ロードコンパクト 48T/50T アウターチェーンリング ブラック 48Tで、税込5,695円でした。

これは取り外しの専用工具です。ナット側を抑えるレンチです。

PARKTOOLの チェーンリングナットレンチCNW-2Cで、税込円596でした。

あと、今回はクランクも購入する事にしました。
別に新しい物が欲しかったわけではなく、シラスの方も、53T-39のクランクを、50-34のコンパクトクランクにしたかったからです。

これはヤフオクで10000円で落としました。
擦り傷が多いのと、アウターリングが磨耗していると言う事でしたが、そこは腐っても「アルデグラSL」ですから文句はありません。
どうせアウターリングは替えてしまうので好都合でした。

作業は5箇所あるチェーンリングボルトを外すところから始まります。
まずナット側に専用レンチを当てて、抑えます。


ボルト側をアーレンキーでまわせば、あっけないほど簡単にばらけます。


組み立ては新品のアウターリングを反対の手順で組むだけです。
注意点は、アウターもインナーも位置決めのマーキングがあるのでソレをあわせることです。
外す前に位置関係を確認しておけば問題ないはずです。


出来上がったクランクを自転車に組み付けます。
フロントのディレイラーは、アウターの直径が小さくなった分、下側に下げます。
このセッティングは慣れないと難しいかもしれません。
バンドで締結されているフロントディレイラーは、自由に動いてしまうので、各ギアの組み合わせでチェーンの干渉などが無いように、何度もシフトチェンジをしながら高さや角度を調整します。


一応通勤で20kmほど試し乗りをして見ましたが、少なくとも変えた事による「ネガ」は有りませんでした。
心配されていたフロントディレイラーのシフトも、問題なく決まります。
どうやら、この辺りは素人が普通に使う分には解からない程度のことなのかもしれません。
レースやヒルクライムのように、クランクが高負荷高回転の時に、素早いシフトを要求すると、「競技レベル」で無視できない遅れや、トラブルが出るのかもしれません。

走行フィーリングは、同じ速度でもギア一枚重いほうに出来る分、クロスしている領域で小まめにシフトできるので使いやすくはなりました。
ただ、これが46Tならもっと明瞭な違いが出ていたかもしれません。
回転が軽く、トルクがかけられるようになったのは、クランクが軽くなったのと、長さが172.5mm→「175mmに成った影響だと思います。
なだらかなアップダウンの続くようなルートをツーリングすると違いがもっと出てくると思います。

コレにあわせて、お役ゴメンとなったR700のコンパクトクランクは、シラスに移植されました。

本来こちらの要求(軽くしたい)の方が切迫性が高かったんですが、後回しになってしまいました(笑)。
こちらもコンパクトクランクになって、実用速度領域(25km/h~30km/h)の使い勝手が良くなったと思います。