通勤メインで、中近距離のポタリングなどに使っている「WAZOO」ですが、乗り出してからかれこれ1年以上経ちました。
クロモリフレームの乗り心地のよさもさることながら、ホイールやタイヤを適切に選択すれば、ロングライドイベントに使えるパフォーマンスを備えている良いバイクです。

現在は、耐久性を重視した手組み(ショップ特注)ホイールに28Cのタイヤを入れています。
この選択は、軽さや軽快性より、乗り心地や耐パンク性能、不正地での安定性などを重視した為です。
元来「シクロクロス」であるWADOOは、かなりの悪路突破能力(長距離XCには向かない)持っているので、ツーリング先で、土手沿いの舗装が千切れたり、フラットダートのあぜ道に遭遇しても、ロードバイクのようにパンクを気にせずトコトコ走りきってしまうので、とても重宝しています。

さてそのタイヤですが、選択するに当たっては、かなり悩んでしまいました。
以前「クロスバイクのタイヤ選び」の記事で書いたことがありますが、乗り心地や耐パンク性を重視すると、かなり「重い」タイヤになってしまいます。
その辺りのバランスを高次元で備えたタイヤが無いわけではないのですが、その代償として価格がかなり高いものになってしまいます。

通勤用に使う以上、ある意味「消耗品」と考えなければ成らず、いくら良いタイヤでも、8000円近い(軽自動車のタイヤよりも高い!!)を入れられるわけはありません。
一応以下の条件でタイヤを探して見ました。
1、購入価格が3000円/本程度で納まること
2、耐パンク性能に優れる事で、特にサイドウォールプロテクトを施してあるもの
3、700C、28mmで、400gを切る重量

ところが、この条件に合うタイヤがなかなかないんですよね。
耐パンク性能だけを見れば、シュワルベの「マラソン」シリーズに止めを刺すのですが、値段はいいのですが、これが520gと、普通の23mmのロード用のタイヤの2倍以上重くなってしまいます。
これは、同じケプラーを使ったコンチネンタルのタイヤもほぼ同様です。

しかも、トレット面の耐パンクガードを入れているタイヤは多いのですが、サイドウォールのプロテクトをしっかり対策しているタイヤはあまり多くありません。

有名なところでは、パナレーサーの「ツーキニスト」が条件にほぼ適応していますが、あまりに定番過ぎて、自他ともに認める「天邪鬼」の僕らしくありません(笑)。
まあ、このタイヤは何時か試して見るつもりですが。

で、色々探して、KENDAの「KWICK ROLLER SPORT 」と言うタイヤを購入しました。

このタイヤに関しては、如何なる前評判も聞いていなかったので、多少の不安はありましたが、雨天時のグリップの良さと、サイド部まで特殊アラミド繊維(防弾チョッキにも使う)でプロテクトしていると言うコピーを鵜呑みにして、値段も2835円とまあまあだったので、購入してみる事にしました。

さて一年間使っての実績ですが、先日のチューブ擦れのパンクは別にして、ガラスや金属片などが刺さった事にや、サイドを縁石などにヒットしてパンクした事は一度もありませんでした。
けして大人しく走っていたわけではなく、河原付近の採石場の中や、岩場なども突破したり(一体何処を走っているのやら)していますし、通勤でゴミのたまった路肩なども走っていますから、耐パンク性能に関しては看板に偽りはなさそうです。

雨天時のウエット路面も走りましたが、タイヤがイキナリ滑って危ない思いをしたことは有りません。

経年劣化に関しては、サイドウォールに多少細かいひび割れが入っていますが、これは他のタイヤにも出る現象で、マシな方だと思います。
トレット面の減りも少なく、総合的に見て、通勤+週末のポタリングとして使うのには、かなりコストパフォーマンスが高いタイヤだと思います。

ただ、購入に関しては、大手量販サイクルショップや、ホームセンターで見かけたことが無いので、通販か、ショップに指名して取り寄せるしかないので、手に入りづらいかもしれません。

もし見かけることがあるようでしたら、一度お試ししてください。

余談ですが(これが長い!)、通勤にロードバイクを使う人は多いと思いますが、使用するタイヤは通常の23Cは、あまり通勤、通学に適しているとは、個人的には思えません。
軽くて軽快なことは事実で、その方が楽に速く走れることも事実なのですが、細くて路面との設置面積が少ない事による軽快さとトレードオフする形で、特に横方向のグリップが少ない事も事実で、路面状況や天候によっては、滑りやすく、かなり危険な状態であるとも言えると思います。

まあ、自分の事は思いっきり棚に上げて言いますが、多くのロードバイクに乗る「ツーキニスト」が、その事を頭に入れていて、尚且つ、そうなった時のバイクの「リカバリー」が出来るスキルが有るとは思えないのです。

これがタイヤの幅を25~32程度まで広げる事により、そのあたりの「リスク」を大幅に減らす事が出来るのでは?と個人的には考えています。
また幅の広いタイヤの方が、エアボリュームがあり、空気圧もあまり高くする必要が無いので、乗り心地も良くなり、振動が減る事により、自転車自体の衝撃ダメージを減らして、無用なトラブル(部品の緩み、クラック」なども減らす事が出来るのではと思います。

何より、朝夕の混雑した道路を、かなりの速度で走ることに、被害、加害を問わず「恐怖」さえ感じるほど、最近の道路状況がよろしくないので、ロードバイクであっても、太目のタイヤを入れて(バイクによって適合性はある)速度を落として通勤通学した方が、結果的には安全で快適なのではと思う今日この頃でした。

これも立派な「パッシブセーフティ」で、物理的な「損害保険」の加入と共に、安全で快適な通勤の「保険」として、ご検討されても損は無いと思います。