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ビンディングシューズの手入れ、クリートの位置を再調整 [自転車部品]

いや、なかなか時間が無くて手入れが出来な・・・・と言えなくなって半年たちますが、結構面倒なのでと手を付けていない事が結構あります。

最近ロードでも使用しているSPDのシューズですが、本格的にロングライドやイベントにも使用するようになって、気に成る事が在りました。


それは「クリートの位置セッティング」で、SPD‐SLシューズはかなり気にして細かく位置の調整を行っていました。

特にクリートの前後位置は、ペダリングや足の疲労に大きく影している部分ですので、違和感が有るとそのたび調整を繰り返していました。


これは本来SPDであっても同じはずですが、なんというか、元々本格的に使うはずではなかったので、お座なりにしていましたが、ポジションの再調整を行っている中、ロングライドをしていて足の指の付け根辺りに痛みを覚える事が在り、これは久しぶりにクリートの調整をしようという事になりました。


さて現行のクリート状態はというと・・・・

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ボルトの穴に砂がガッチリたまってい、レンチが入らなかったので、多少清掃しましたが、これじゃ緩まないんじゃないかしら?
で、こういう物を使います。
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通常の浸透剤ではなく、冷却効果で金属を収縮させて隙間を作り薬剤を沁み込ませるものです。


更に先のとがった物で、出来る限り入り込んだ砂や土を出来るだけほじくり出し、レンチがしっかりはまり込むだけのストロークを確保します。

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このシューズは歩けるビンディングシューズとしてツーリングやイベントなどで、気軽に歩く事を目的に購入したので、色々な物が入り込んで穴をふさいでいました。
奇麗になりましたが、ボルトの協会も見えないくらい摩耗しているので、これで本当に緩むでしょうか?
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まあ、ここは自動車業界に30年いて、色々な車両や部品の分解経験が有る事で、ノウハウを持っています。
ちゃんとトルクかけてネジの頭や穴などをつぶさないコツは、きちんとした工具を、しっかり垂直に差し込んで、じっくり少しずつ力を加えて行く事です。
RIMG6081.JPG
短いヘキサレンチでは斜めに成ったりしてトルクもかけられないので、ここは柄の長くなるトルクレンチをつかいしっかり回します。
慎重に力を入れていくと、ゆっくり回り始めましたから問題ないようです。
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緩まないときはレンチが斜めに傾いてきてヌルっとした手ごたえが出始めたら、ボルトは回らないまま、ボルトの頭や穴の角が削れて、所謂「なめている」状態になっています。
これで新しいクリートを付ければよいのですが、さて問題はその位置関係です。
ペダルの軸と、脚の親指の付け根の、つま先立ちでバランスを取るときと中心点を合わせるように自分は調整しますが、そのためにはシューズのどのあたりにその「力点」が来るのかを、きちんと決めておかなければなりません。
最も簡易的な方法として、「実測」として自分の脚に印をつけます。
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目安としてはくるぶしの中心点を起点として、先ほどの力点の所にテープを張って、くるぶしから力点までの寸法を測ります。
自分は左側が125㎜で、右側が130㎜ありました。
左右の差が出るのは当然で、人間の体はJIS規格でも、モビルスールでもない「ナマモノ」なので、左右の寸法に差が出るのは当然です。
そしてそのままシューズを履いて、今度はくるぶしの所から力点までの寸法の所にテープを張ります。
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あとはSPDのクリートを、このラインに合わせて前後位置を決めると、バッチリペダルと軸と、脚の力点が合わさるという事です。
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但し、これがペダリングをする上の「最適解」ではない事は当然です。
クリートと前後位置については一定の法則が有り、クリートを後にずらすと踏み込みやすくなるので、力をかけやすくなります。反対にクリートを前にずらすと踏み込みにくくなる代わりに、高回転までペダルを回しやすくなります。
これはフラットペダルで足を前後にずらしてみるとその違いが分かります。
ただ、単純にクリートの問題だけでなく、サドルの高さや前後位置、ハンドルの高さや重心位置の前後との相関関係があることから、「どのような走り方をしたいか」によって、ポジションのイメージを固めて、それに合わせてセッティングを煮詰める必要が有り、クリートの位置は、あくまでその一要素にすぎません。
自分の場合、長年「平地のロングライドで、脚の消耗(特に前側の大腿筋)を抑えて、長時間足を持たせる」という方向でセッティングを固めてきたのを、「ある程度山岳路で足の負荷をかけて登れるようにする」という方向に少し寄せている流れでポジションを色々変更しているので、走り込んでの煮詰めが不可欠になります。
さて、本当は此処で記事が終わるはずでしたが、書いている途中で通販で頼んでいたSPD‐SLのクリートが届いたので、こちらのシューズもクリート交換します。
今回はシマノ純正のクリートではなく、実売価格で1000円程安いサードパーティー品を使います。
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以前も別の商品でサードパーティー品は利用しましたが、まあ「使えなくはないが・・・・」という程度の物で、主に接触部の色付きの樹脂の材質の違い(安いものは硬い)、脱着に難が有り結局純正品に戻ったという経緯が有ります。
最近はSPD‐SLシューズは、本当に一部のイベントでしか使わなくなりましたから、そんなに損耗しませんでしたが、以前のように普段のツーリングやトレーニングも使用すると、あっという間に摩耗して交換となってしまいました。
自分の場合年間3回は最低交換する羽目に成り、そのたびに2500円前後が飛んでいくというのも、正直「勿体ない」と思っていましたし、周囲のサイクリスタに聞いても同様の意見でした。
まあそれもSPDシューズを中心に変えた理由の一つではありますが、1000円安いサードパーティ品が使えれば、それに越した事はありません
という事でこれがその商品に成ります。
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見た目は変わらない・・・どころか型の接合線のラインまで同じという事は、レーザースキャナで寸法取って3Dスキャナで原型の型を作ったのか、本当に同じ金型から作られたのかのどちらかです。
問題の先端の樹脂部も、そこそこの柔軟性が有り(それだけ消耗しやすいが)とりあえず問題なく使えそうです。
ただコストの差は取付金具に出ていました。
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純正品はステンレスの座金とボルトで、これが一回で使い捨てにするのはもったいないほど耐久性がありました。
サードパーティ品は、恐らく座金は塗装、ボルトは黒クロムメッキで、ステンレスに比べれば相当コストを抑えることは出来ます。
ちなみに外した純正品のボルトはこんな感じです。
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汚れを落とせば全く劣化が無く、恐らく再使用可能ですが、自分は外した部品は緊急用のスペアとして、ツールボックスに入れて再利用しています。
ちなみにこのステンレスは磁石の整備トレーにくっつくので、非磁性のJIS304系等のオーステナイトステンレスではなく、磁性のJIS416系等のマルテンサイト系ステンレスが使われているようです。
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実は腐食だけ考えればオーステナイト系ステンレスの方が優秀ですが、強度と硬度はフェライト系の方が優れていて、部品の締結に使うボルトなら鉄処理で強度を上げられるマルテンサイト系の方が優れています。
良く自転車用ボルトでボトルゲージなどを止めるボルトでステンレスのボルトが販売されていますが、一般的なステンレスボルトは304系ステンレスで、さびにくいですが強度が高くなく、場合によるとレンチで穴がなめてしまう事が在ります。
それだけならともかく、これをステムやハンドルに使うと、もしボルトの折損(腐食で折れやすくなる)でもあると、物がモノだけに命の危険もありますので十分注意してください。
自分はステムとハンドル、シートポストなどに使用するステンレスのボルトは、JIS規格の強度のあるボルトを選んで使用していますが、あまりこういうことは知られていない事ですね。
話は戻しますが、SPD‐SLの場合も位置決めの基本は同じで、今度はクリートにペダルをはめて、ペダルの軸と力点を合わせるようにしてクリートを固定しました。
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横の位置関係などは、やはりペダルエクステンダーを使う事を前提にしているので今までとは違いますから、これも乗り込んでセッティングを出していく必要が有りますね。
とまあ、作業量にすれば大した事は無いんですが、「勢いが有るとき」なら一気に出来ることも、地道な作業は「あまり面白いものでない」ので、後回しにしていました。
ただ、これこそ自転車を快適にまた、身体に負担をかけないようにして楽しむためにの、最も最初に行わなければない事ですので、地道に進めるしかないですね。

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