うーん、ちょっと迷っていたんですよ。
正直言えば、皆さんが興味のある話題、特にホイール関係の話題を記事にすると、ヒット数が多いことは分かってたんです。
で、なんだか「人気取り」「ヒット数稼ぎ」のために、お金を使ってホイールを買って記事にしているようなイメージが自分自身にあり、いや、そんなつもりでこのWH9000 C24を買ったわけではなかったので、インプレを記事にするのを躊躇っていました。

また、多くのこのホイールのインプレ記事を見ると、なんだか同じような印象の記事しかかけないような気がしたのも記事を書く事を躊躇わせた理由の一つではありました。
同じような記事なら、何もわざわざ「これみよがし」に書く事もないし・・・・。

で、一応複数のセンチュリーライドのイベントやツーリングを経て、1000km以上走ってみて、いろいろな環境下で使用してみた結果、僕なりの評価ができた「つもり」ですので、インプレをさせていただきます。

まず、月並みな感想から書けば、軽量ホイールらしく一踏み目の踏み出しが軽く、以後「回りたがる」抵抗の少ない、精度の良いハブのおかげで、グングン速度が乗って行き、35km/hまでの領域で使用するのなら、かなり高い性能を発揮します。
ディープリムではないので、高速領域の空気抵抗低減の効果は期待できませんが、一人で河川敷などで一定速度で走るというシーンは効果が期待しにくいかもしれませんが、アップダウンが激しく続く、集団で頻繁に速度が変化するようなシーンで長距離走るような場合は、その軽さ故に、足の負担が相当緩和されつという感じです。
全体的な剛性も十分であり、一般的なライダーがダンシングで踏みしめても、十分な推進力を発揮してくれるはずです。
また、このホイールの最大の美点は「乗り心地」かもしれなくて、薄いアルミリムをカーボンで補強している構造上、嫌な周波数の振動をカーボンが減衰している感じで、当たりがマイルドで疲れにくく、荒れた路面の推進力の低下も最小限で抑えられている所が、ロングライドイベントにはもってこいの性能だと思います。

と、一般的な評価はこんなところでしょうか(笑)。
どうでしょう、僕個人的にはこのホイールを持って、レースイベントとかでアドバンテージがあるかというと、劇的にパフォーマンスが向上するかというと、「?」というイメージしかありあせん。
たしか定価で15万円、海外通販で9万円で購入できるホイールですが、本当に競技でアドバンテージを得ようとするのなら、1kgそこそこの重量の「カーボンディープリム」のホイールには敵わないような気がします。
では軽さを武器にヒルクライムは?といえば、例えば同様の重量でさらに剛性が「メチャクチャ高い」MAVICのRSYSなどがありますし、やはりもっと軽いカーボンチューブラーホイールもあります。
ハブの回転精度は?、いやいやもっとお金を出せば今やマニア垂涎の高精度のハブを誇る「GOKISO」
のホイールなんかもあります。

つまり、あくなき勝利を目指して資金に余裕があれば、WH9000 C24(クリンチャー)の出番はあまりないような気はするんですよね。
ではこのホイールの価値はどこにあるのでしょうか?
人伝えに聞いた話では、このホイールを練習用に使用しているロードのプロ選手の方が結構多いということがあるそうです。
そこそこの性能がありながら、値段が必要以上に高くなく、何よりトラブルが少ないからだそうです。

そう、このトラブルが少ないという点が、このホイールの最も優れたポイントなのかもしれません。
確かに1400gを切った軽量ホイールや高い回転性精度を誇る高性能なホイールはいくらでもあります。
ところが工業製品というのは、高性能を狙えば狙うほど、究極を目指すほどデリケートで「脆くなる」という性質があるんですね。
だから、70万もするようなカーボン高性能ホイールだから、値段相応の「耐久性」があると思ったら大間違いで、かえって壊れやすく、デリケートで取り扱いに気を遣うシロモノかもしれません。

機材を提供してもらえるプロや、資金が潤沢にある方なら問題ないでしょうが、一般的なサイクリスタの場合、なけなしの予算をひねり出し、奥さんの冷たい視線に耐えて(笑)せっかく買った高額のホイールは、恐らくもう二度と買えない「高嶺の花」であり、出来れば「一生物」であって欲しいはずです。
そういった観点で言えば、高性能でありながら、並み居る有名外国ブランドの同程度の性能を誇るホイールの半額以下で手に入り、かなり過酷な環境で、尚且つラフな整備でも性能が劣化しにくく、壊れにくく、尚且つサービスが受けやすいWH9000は、「サンデーサイクリスタの使う最高峰のロングライドイベント用の機材」と言えるのではないでしょうか?

とまあこの手の評価は、じつはシマノのホイールを評価するときの定番の最後の落としどころだったりしているようです(笑)。
「デザインは地味で、所有する満足度は低いけど、抜群のコスパで、安心して使える」・・・・
ありゃ!、この一行で終わってしまいました(笑)
しかも、絶対的なコスパで言えば、実売価格で4万円を切っている「WH6800 アルテグラ」のホイールの性能差を考えると、WH9000が、2倍以上の値段に見合うほど性能が高いか?といえば、そんなことはなかったりします。
これまた、一般で言われている評価に落ち着いたりするんですよね(笑)。

まあ、個人的に気に入っているのは「快適性」かもしれませんね。
当然タイヤに依存する部分が高いのですが、他のホイール「WH6800 キシリエリート、SLR、コスミックカーボン」などと比較しても、同じパナレーサーのRACE Dをはめて、RAirのチューブを組み合わせた場合、圧倒的にWH9000が一番快適で疲れが少なく、距離が伸びれば伸びるほど、他に代え難いなと思えるようになるんですよね。

という事で、結論はタイトルの「最強のロングライドイベントの相棒」ということにします。
というか、こんなダラダラ長く書いた記事を読んでくれる人が居るんですかね(笑)。