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どすこいライダー酷暑のセンチュリーランで大苦戦!、笠間センチュリーラン2010 [イベント]

ようやく週末のイベントのダメージから抜け出せてきたので、笠間センチュリーラン2010参戦記をまとめます。
今回は何時もより更に長くてクドイので、飽きたら読み飛ばしてください(笑)。

このイベントは、北関東の茨城県笠間市で行われるセンチュリーランで、今年で第15回というこで、地元ではお馴染みのセンチュリーランイベントです。
笠間市は、茨城県北東部の栃木県との県境近くにある市で、「笠間稲荷神社」の神前町として栄えた街です。
今は、焼き物の「笠間焼き」で有名で、芸術の町として町興しを進めているようです。

イベント自体は、市の東部の小高い山の上にある「笠間芸術の森公園」のイベント広場を海上に行われます。
コースは笠間市の南西に延びる「筑波山麗」の山すそを一周する、比較的平坦な100kmの「ショートコース」と、笠間市北東部の常陸大宮市との間の山間部を中心とした55kmのコースを含めて走る「ロングコース」が設定されています。
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僕がこのイベントの存在を知ったのは3年前で、「どうやら笠間市を中心に走る山間部中心のセンチュリーランがあるらしいよ」と、地元のサイクリスタに聞いたときです。
おそらく、「センチュリーラン」というイベントの存在を、その時初めて知ったように記憶しています。
その年は他のイベントに参加するので(ツインリンクもてぎ、4時間エンデューロ)、参加を見送りましたが、昨年は本気で出場するつもりで、真剣に情報を収集しました。

で、よくよく内容を知ると、「これは自分にはまだハードルが高いな」と判り、エントリーも間に合わなかった(主催者側が揉めていて、エントリー期間が短かったらしい)こともあり断念しました。
ハードルが高いと思った理由は、後半55kmが、ほとんど山間部のアップダウンのコースだったからです。
地元栃木県の近隣地域なので、多少の土地勘がある場所で、当時の自分の能力ではとても完走することは不可能だと思いました。
事実、試しにコースの一部を夏場に走ってみましたが、「ケチョンケチョン」にやられて、泣かされて逃げ帰ってしまった始末でした(苦笑)。
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そんなこともあり、今年はこの笠間のコースを完走する為に、バイクの調整や、走りたくも無い、行きたくも無い山岳コースのあるイベントに無理やり参加したり、山に登ったりして、山岳コースを走りきれるだけのスタミナと脚質を作ることに勤しんだのです。

で、どうにかその自信もついて、タイムはともかく、8時間程度で完走できる見込みがついたこともあり、今年は参加を決意して申し込みをしたのですが、大きな誤算がありました。
それが今年の異常な「酷暑」で、いくらこの時期「残暑」で暑いとはいえ最高気温が30℃程度が普通で、今年のように35℃にも達する、例年の真夏以上の暑さの中で走ることになろうとは夢にも思いませんでした。

さていつものように無駄に長い前置きはさておき、イベント当日です。
ここは自宅から1時間ほどの場所なので、比較的ノンビリ準備をして、会場の「笠間芸術の森公園」の東駐車場に5:30に到着しました。
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バイクを出して準備進めて行き、大変な物を忘れている事が発覚しました。
それはユピテルATLASの、自転車用「クレードル」を忘れてしまったのです!。
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これが無いと自転車に付けることが出来ません!。
今回せっかく指定したコースを画面にリアルタイムで出せるようになったのに、苦労してコースを作ってインストールしてきたのに、その努力が水の泡と化してしまいました。

まあ、苦労して地図とニラメッコでコースを作っていたら、コースそのものはほぼ完全に覚えてしまったので、ミスコースの心配は無かったのですが、必要なデータ(累積距離、高度、タイム)などを確認できないのは、心理的な余裕が削がれてしまったことが大きなマイナスポイントでした。
これが前回の記事で書いた「イロイロ失敗した」一つです。

じつは、今回出かける時に、参加証を忘れて引き返したこともあり、どうも緊張感に欠ける、あまり好ましくない精神的なスパイラルに陥っていました。
正直、スターと直前まで、まったく緊張が無く、注意力が散漫だった用です。
過去の経験から、こういうときはミスや怪我や事故など、ろくな事が起きない事がおおいパターンだったので、とても嫌な予感がしてきました。
これが第一の失敗で、緊張感が架けたのは、センチュリーランに慣れてきて、自分中で「慢心」が芽生えてきていたようで、ある意味「おき楽」に考えてしまっていたように思います。


第二の失敗は、体調管理を失敗した事です
2週間前の「秋田センチュリーラン」で夏風邪を押して参加した事で、かなり体力を消耗させてしまい、それを回復いさせるために、熟睡しようとエアコンをかけて寝ていました。
確かに寝られるので体力は当日までに回復しましたが、昼間も基本的にエアコンの中で仕事をしていて、猛暑の中で、暑さに体を順応させる事が無かったので、当日の暑さに完全にやられてしまいました。

第三の失敗は走りこみが足らなかった事です。
これも体調不良に関わりますが、通勤で乗る以外、ある程度の強度での走行をしていなかったので、体がイベントで走る状態に出来上がっていませんでした。

これらの失敗は、走り出して直ぐに身を持って思い知る事になるのです。
うーん、のっけから「言い訳」のようで見苦しいいですね(苦笑)。

さて6:30で受付が始まりますので会場に向かいます。
ここで、自転車ショップに確認してもらったという証明書を出して、「車検」を行います。
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開会式にはまだ時間が有るので、自分の出走時間などを確認していましたが、改めて書類を読むと、大会は17:00で終了とあります。
自分は今回受付が遅かったので、出走は8:41になりますが、9時間で完走というのなら、17:41までにゴールすればよいと考えていたのですが、あらためてスタッフに確認すると、本当に17:00で打ち切りになるようです。
「それって、僕は8時間19分しか時間が無い事に成り、9時間で完走と謳っているのにおかしくありませんか?」と詰め寄ったところ、「やはりそれを聞かれたか」と・・・確信犯ですか!。
まあ、イロイロ事情があるのでしょうし、決められた事にケチをつけても変わるわけではありませんので、その場はおとなしく引き下がる事にしました。

7:30からお決まりの開会式です。
これって出ない人が多いんですが、確かに面白い物ではありませんが、参加者なら出席するのが礼儀だと思うんですけどどんなものでしょうか?。
一応コースの注意とか、説明も有るので、参加した方がよいのではとはおもいました。
コースを示す看板の説明とかもあります。
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ただ、結構肝心なところでこの看板が無いおかげで、ミスコースをしたという話は、完走後他の参加者からは結構多く聞かれました。
まあコースに迷うのも「サイクリング」のお楽しみなんですけどね。

そんな中で、「笠間観光大使」のお姉さんが出てくると、何故かカメラのシャッター音が鳴り響き、拍手も沸いてきます(笑)。
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いよいよスタートが迫ってきます。
スタートラインには大勢の参加者が順番を待っています。
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僕はまだ40分もスタートが先なので、スタートライン近くの木陰で待機です。
もうこの時点で30℃は越えているようで、かなり暑くてだるくなってきました。

8:00いよいよスタートです
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20分くらい後に、お世話になっているショップ主催のチームの方々と、僕の親友のH君が並んでいます。
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「後で待ってるぞー」と明るく言われても、20分後に出発で追いつけるか!。とこの時点では緊張感も無く余裕をかましていましたが、それどころで無くなるのですが・・・・・・。

8:41いよいよスタートです
いつもの事ながら、走り出すと写真を撮る余裕は無いので画像が途絶えます(苦笑)。
芸術の森公園を出て、笠間市街地を抜けると国道50号で、岩瀬町に向かいます。
この辺りは緩やかなアップダウンがあるだけの平坦なコースで、僕の得意なところですので、気温が低いうちにと、32~36km/hハイペースで集団を抜き去りペースを稼ぎます。
とはいえ、無理をしているわけではなく、何時もの平地のツーリングベースでの走行なのですが、ハートレートを見ると、この程度の巡航速度なら心拍数が135から145程度で推移するはずなのに、160前後に張り付いたままになっています。
特に呼吸が乱れたり、脚が辛くなるという事は無いのに心拍数が高い状態が続いてしまいます。
これは大変マズイ状態で、スタミナも消耗しますし、乳酸の蓄積も進みますから体が持ちません。
明らかに気温が高いせいですが、これが第二の失敗である「調整不良」が響いてきています。
暑さに順応させれば、此処までは酷くはなかっはハズで、事実、もっと暑い後半戦の方が、暑さに順応して心拍数が安定していて、体自体は楽になっていました。

桜川市の岩瀬の市街地を抜けて、右折して県道を南下して、筑波山の麓に行く、僕にとってはお馴染みのコースに入ります。
高い心拍を何とかしようとAV30km/h以下に落として見ますが、心拍数は変わりません。
本当は筑波山の手前のコンビで補給するはずでしたが、1時間たっていたのでかなり手前のコンビニに寄って、緊急補給をする事にします。
今回は、後半戦を考えて、前半戦に速めに小まめに補給をする作戦でしたが、この分ではそれでも足らないような雰囲気です。
ここで、20分前に出ていたショップのチームの方々も休憩していました。追いついてしまったようです。

補給もそこそこ発進、ペースを落として第一CPに向かいます。
筑波山登山道入り口を越えて、国道125号線に合流、小田というところで右折して千代田方面に向かいます。
ちょうど筑波山を半周位したところで、第一CPがあります。
しかし、第一CP手前付近で、後輪から妙な感触がします。
もしやパンク!、と背筋が寒くなります。

かろうじて2時間走行して10:04第一CPに入り、チェックを済ませて点検すると、後輪タイヤの空気が相当抜けていました。
タイヤに何かが刺さった形跡は無く、スローパンクだったので、とりあえず空気を入れて様子を見ることにします。
しかし、走り始めてから、明らかに後輪の衝撃がだんだんソフトになる感じがしてきます。
上り坂でダンシングをした時、後輪が「ポヨンポヨン」と跳ね出したので、諦めて修理をする事にしました。

周囲を見ると、おみやげ物屋さんのようなお店を発見したので、操縦不能になる前にかろうじてそこの駐車場に間一髪飛び込みました。
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お店の人に事情を説明して、軒先の日陰を借りる事にしました。
本当はもっと早く修理すべきだったんでしょうが、この炎天下で、道路脇の汚いところで慌てて修理しても、上手く修理できないで、それが理由でパンクが再発するかもしれないし、何より精神的なダメージが大きいので、安全で環境のよいところで、落ち着いてゆっくり修理する事にしたのです。

まあ、パンク修理は手馴れた物で、たちまちチューブを引っ張り出しました。
やはりどこも穴が開いた形跡は無く、どうもバルブ近辺から少しづつ空気が漏れているようです。
これも準備段階で、念のために新品のチューブに換えておくべきだったので、第一の失敗である「緊張感の欠如」がここで響いてきているのです。
まあこれである意味緊張の糸が「プツッ」と音を立てて切れてしまいました。
まあ、タイムはどうのこうの考えてもしょうがないので、安全に完走を目指そうと、かえって落ち着いてしまいました。

お店の人やお客さんは、テキパキホイールを外してチューブ交換をしている姿が珍しかったようで、そこのご主人もいろいろ話しかけてくれました。
おまけに、軒先を間借りしているのに、冷たい麦茶まで出していただいて、本当に親切にしていただきました。
こういう困った時の親切は本当にありがたいですね。おかげで随分落ち着きました。
「ひたちの苑」の皆様、ありがとう御座いました。

修理も終わりノタノタと走り始めます。
もうこの時点で11時を回っていて、自分の予定を大幅に超過しています。
県道を右折して、フルーツラインという道路を経由して、八郷町をとおり、国道50号沿いの福原に向かいます。
このときの気温は、後で調べたら既に34℃に達していました。
多少アップダウンは有るものの、そんなに辛いコースとは思えないのですが、とにかく脚に力が入らず、ペースが上がりません。

30分と走っていないのにかなり辛く成ったので、たまらず聞いたことの無い名前のコンビニに飛び込みました。
大勢の参加者も此処で休憩を取っているので、レジに長蛇の列が出来ています。
僕は此処で一回目の「水浴び」をします。
頭と、首筋、肩、太ももに、冷たいミネラルウォーターをたっぷりかけると、何とか体が動いてくれます。
水分補給と、ミネラルとクエン酸の補給もたっぷり行います。

前回の「秋田センチュリーラン」から使っていて効果があったのが、「塩熱サプリ」という、ナトリウムを中心としたミネラルとビタミンの取れるタブレット状のサプリメントです。
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汗で塩分などのミネラルが不足すると、血液中の水分を汗腺に運ぶ機能が低下、つまり汗が出にくく体に熱がたまってしまうということです。
また、血液の循環も滞るので、脚に乳酸などの老廃物質がたまりやすく「脚が攣る」原因ともなります。
このサプリメントは効果絶大で、前回も今回のイベントも、随分助かりました。

あと、乳酸の分解などの疲労回復にはクエン酸が効果があるのですが、あわせて塩分を摂取出来る「梅干」は夏の運動には欠かせません。
とはいえ、あまり携帯性がよいとはいえないシロモノなので、今回はこんな物を用意しました。
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これなら「タネ」も無く、干してあるので嵩張らないので重宝しました。

しかし、もう35℃に達している気温の中、ペースが落ちつ続けているだけでなく、冷たい飲み物を飲み続けたせいか、わき腹に痛みが走ってきました。
もともと腸が弱く、持病もあるので、こうなると更にだるさがでて、正直自転車の乗るところではありません。
ようやく福原で国道50号に戻った頃には、かなり辛くなってきました。

正直、今回この手のイベントで初めて「リタイヤ」という文字が頭に浮かびました。
ここから10kmほど走れば、第二CPである、メイン会場に戻る事が出来ます。
この時点で、「ショートコース」を宣言すれば、100kmの完走扱いにしてくれるので、とりあえず会場までは戻る事にしました。
朦朧としている頭の中で、イロイロな事が浮かんでは消えていきます。
「100kmとはいえ完走でいいじゃないか」とか「無理してフルコースを走って事故や体を壊してもしょうがないよな」とか「これが勇気ある撤退という事で、恥じることは無い」とか、フルコースの断念を正当化させる台詞が次から次へと沸いてきました。
反面、「今年此処のフルコースを走りきるために頑張ってきたのに挫けるな!」とか、「直ぐにダメな言い訳をして中途半端な挫折をしても後悔するだけだぞ」などと、自分を叱咤激励している自分も出てきました。
ま、この時点では正直なところ、8対2の割合で、ショートコースで断念する方向で考えていました。
なんかとっても悲しく、ガッカリして脱力感が全身に漂ってきます。

笠間市内に入り、昼食を取ってから、落ち着いて判断しようと、ゴール手前のコンビニに入りました。
この時点で12:53分と、自分の考えていた第二CPのリミットタイムを20分も超過していますから、計算上、後半コースを完走できることは不可能になっていました。
此処でオニギリセットと、なめこのカップ味噌汁でむなしいランチを取ります。
念のため、「ソルマック」を飲んで、お腹の復調に僅かな期待を持ちました。

すっかり終了させる事に腹を決めて、13:15に会場に入ります。
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スタッフの方が、僕の姿を確認すると、躊躇無く「ハイ、100km完走だね」と、完走手続きの場所に「親切にも」案内してくれました。
確かにこんなデブが、ヨロヨロと入ってくればそう思って親切にしてくれた事は十分理解できます。
が、その瞬間僕の口から出た台詞は「いや、後半コースを走りますから、チェックする場所に誘導してください」だったのです。
親切なスタッフの言葉が、瞬間にして僕の乏しい「闘争心」に、一気に火をつけてしまったようです。
これだから「隠れ熱血体育会系」の中年は困るんですよね(苦笑)。

チェックを受けると、補給をして、パンク修理で十分に入れられなかった空気を、スタッフの空気入れを強引に借りて規定値まで入れて、公園の水のみ場で蛇口全開で全身に水をぶっ掛けて、気合を一発入れました。
あっけに取られているスタッフの方々に「コースでひっくりかえっていたら、回収お願いしますね」と、叫んで、後半コースを走り出しました。

この時点で13:21を越えていて、自分の計算から1時間21分も超過しているので、実のところ完走できる目算はまったくありませんでした。
終了まで、3時間39分ですから、55kmは余裕の距離ですが、今の僕には絶望的に感じました。

公園を出て田舎道のコースを走り出すと、前後に参加者の姿はまったくありません。
そもそも番号がドンぺケの方で、此処まで遅れていればほぼビリを走っているんだなぁと思いました。
山道を抜けて、50号を越えると、那珂川沿いの城里町に向けて、北東方向に県道を淡々と走ります。

しばらくすると県道沿いに休憩している参加者がちらりほらりいます。
気温はこの時点でも34℃以上ありますから、マトモに走れる状態ではないのかもしれません。
13:59ここでコンビニ休憩で、再び水浴びと、禁断の「レットブル」を補給します。
通常残り30km、1時間の時点での補給に限定していますが、今日はそんなことを言っている余裕はありません。

しばらく走って城里町を北に迂回するコースに入ったところで、工事中の看板と共に、コース指示の看板が出ていて、河岸段丘を登る坂道が現れました。
ここで、初めてというか、このコースで唯一インナーローでスタンディングを強いられるキツイ坂を登っていた時、内モモの筋肉に「攣り」の症状が出てきました。
これから本格的な山間部コースに入るのに!。

何とか負荷を下げて、軽いギアで回して「マッサージ」する事で凌ぎます。
那珂川を渡る「千代橋」を登っていると、辛そうに登っている参加者がいました。
「もう脚が攣りそうですよ」と声をかけると「今両足が攣っていて辛いんです」との事でした。
この後にアップダウンがるので、道端に止まって足のストレッチをしました。
先ほどの参加者の方も追いついてきて、その場でへたり込んでしまいました。
一緒にストレッチをして、水分を補給して、熱塩サプリと干し梅を分けてあげました。
これで少しは回復してきますよという話をして、一緒に走り出しました。

那珂川沿いの崖の上の道を登ったり下りたり北上して、再び那珂川を「大桂大橋」を渡ると、15:06分に第三CPにたどり着きました。
ビリだと思っていたら、この時点で30人程度後続車がいることを知りました。
残りは25kmくらいで、1時間30分なら何とか走りきれそう感じがしてきました。
不思議と体の調子もだんだん良くなってきて、辛くなくなってきました。
おそらくこの期に及んで、暑さの中の運動に体が順応してきたようです。

後は攣りそうな脚をごまかしながら、淡々と山間部のコースを走るのみです。
山間部とはいえ、いろは坂や日塩もみじラインのような「山奥」のコースと違って、平均勾配が7%もあるわけではなく、川に沿ってゆるい登り続いて、峠を越えるときに勾配がキツクなるだけなので、思ったほど厳しいという感じはありませんでした。
まあ、キツイ坂になると、だらしなくインナーローでノロノロ登っているだけのヘタレの言う台詞ではないのかもしれませんが(苦笑)

脚も決定的に攣って動かなくなる事もありませんでした。
これは、ミネラルやクエン酸をしっかり採ったのと、軽いギアで負担を減らし、下り坂でもクルクル脚を回して常に動かしていた事が効果があったようです。

15:38、140km地点、残り15kmのところにある七会村の「七会村物産センター」で、最後の休憩を取ります。
気温はまだ34℃前後あったはずで、たまらず売店のソフトクリームを買ってかぶりついてしまいました。
何時の間にやらお腹も治っていたようで、僕の体はどういう構造に成っているのでしょう(笑)

ここで最後の水浴びをして、15:51に出発してラストスパートをかけます。
峠を一個越えて、次の峠の「さくらトンネル」を越えれば、後はほとんど下り坂です。
トンネルに入るとひんやりとした空気が体を冷やしてくれて、残りは下り坂だけだという安堵感で、俄然力が出てきました。
下り基調の高速走行ならシメタのもです!。
50km/hを維持して坂を下り、AV40km/h程度で笠間市街地を目指します。
途中で前走者グループが見えたので、一気に間を詰めて、国道50号の信号待ちで追いつきました。
もう此処まで来ればゴールは目の前です。

誘導のスタッフが僕の顔を覚えていたようで「随分頑張ったんだね!」と声をかけてきました。
本人もそうなんですが、まさか完走するとは思わなかったんでしょう。

市街地を抜けて小高い丘の上のゴール地点を目指します。
周りはダンシングでラストスパートを駆けて走り去ります。
付いていこうとダンシングをしたとたん、庇っていた足がおしまいになったようで、完全に攣らないようにギアを落としてゆっくりゴールしました。

16:32、計測タイムは7時間52分でのフルコース完走です。
ボロボロになり情けないセンチュリーランでしたが、アクシデントを適宜切り抜けてリカバリーすることが出来て、長年の目標であったこのイベントを完走する事が出来きて、感無量でした。

次々とゴールを迎える参加者は、お互いの健闘を称えあいます。
同じ時間を、同じ場所で、同じ苦労を共有できた、仲間意識というものは心地の良い物です。
一緒に仲良く脚が攣っていた方も無事ゴールしていて、目が合った時駆け寄って硬い握手をしました。
この雰囲気が味わいたくて、センチュリーランに出続けているのかも知れませんね。

さて僕の走行記録です。
まずユピテルのログです。
笠間センチュリーラン速度(1).JPG
笠間センチュリーラン速度詳細(1).JPG

まさしく、今年参加したセンチュリーランの中で、一番厳しいコースでした。
パンクなどのアクシデントが無く、体調を整え、気温がもう少し低ければ、実力的には7時間程度で走れたかもしれませんが、「仮定」の話に意味が無く、来年出場時の「課題」とさせていただきます。

ポラールのログのまとめです
走行距離    154.4km
最高速度    60.1km/h
AV速度     25.1km/h
最大HR    213(ノイズを拾ったエラー?)
平均HR    148
最大Cad     99
平均Cad    75
消費Kcal    7975
距離やケイデンス、消費カロリーは「秋田センチュリーラン」とあまり変わりはありませんが、AV速度が2km/h低く、心拍がかなり高かったのは、獲得標高が200mほど多いことと、異常な高温のせいだと思います。

今回参加賞として、名産の「笠間焼き」の茶碗とぐい飲みを頂きました。
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なかなか洒落た参加賞だと思います。

さて今回は、準備の大切さを身を持って思い知らされました。
かねてより、イベントはその成否の80%はスタートラインに立った時に既に決っていると考えていましたが、やはり「慣れ」とは怖い物で、おかげで散々苦労する羽目になってしまいました。
ただ、走りながらイロイロな障害やトラブルを克服する能力に磨きがかかってきた事も事実で、なんだかだんだん「サバイバル」の方向に向かっていくような気がするのは僕だけでしょうか?(苦笑)。

ある意味、これで走行距離210km、獲得標高2000mのイベントを何とか走れるのではないかというめどが立ってきましたから、来年はいよいよ「グランフォンド」イベント、出来れば「佐渡センチュリーライド」にいよいよ出場してみたいと思っています。

笠間のイベントそのものも、大変なコースで、厳しいセンチュリーライドではありますが、たっぷりサイクリングイベントの醍醐味を味わえる、有意義なイベントであると思いました。
実行委員会や大勢のスタッフの方々においては、大変お世話になりました。
来年も参加させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。




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やっとこ

どうも!やっとこです。

自転車に乗っていると、色々な方との素晴らしい出会いがありますね。
また、人情ってヤツを感じてよいですね~。

いや~今回は、かなり過酷でしたね。
来年の佐渡、良いですね~
by やっとこ (2010-09-09 23:01) 

nabe

お疲れ様でした。
暑さには勝てませんね! そしてイベントの慣れ、慢心も勝てるわけがないですね^^; 
いろいろトラブルがあったみたいですが、乗り越えたからこその達成感はいつもと違うんじゃないですか? 
勇気ある撤退を拒否した場面は共感です^^ オイラもそうしてると思います!
by nabe (2010-09-09 23:51) 

soraneko

やっとこさんへ

いろいろな方との出会いは、時に好ましからざる連中との遭遇もありますが、それもひっくるめて刺激的です。

しかし、毎回毎回「しんどい」話しかご披露できないのは、本当にお恥ずかしい限りですね。
もっと「楽しく走れました」という話が出来るように、精進します。

佐渡は今度こそ出てみたいです。
これはかなり気を引き締めて望まなくてはと思っています。
by soraneko (2010-09-10 10:22) 

soraneko

nabeさんへ

やはり35℃付近まで行くと運動そのものが「危険行為」であり、事実日射病で倒れた参加者が多かったようです。
まあ、こういった気象条件を克服するのもサイクリングのテクニックに一つですから、来年の「夏シーズン」はこの辺りが課題になりそうです。

何とか当初の目標を達成できたので、反省点はありますが、満足度は非常に高いイベントでした。
ヒルクライムなどもそうなんですが、この「達成感」を味わうと、より難易度の高いイベントを目指していく気持ちは理解出来るようになって来ました。

しかし、熱血もホドホドにしないと火傷しそうです(苦笑)
「勇気ある撤退」という言葉をスマートに使いこなせるには、まだまだ未熟者だという事のようです。


by soraneko (2010-09-10 10:39) 

キキ

過酷ですねぇ。
この暑さを考えると私には出来そうもないです。

今回のレポートを見たら、私には来年辺りにsoranekoさんが小径シングルスピード辺りの自転車で関東から大阪辺りまで走ってる姿を想像しちゃいます。

by キキ (2010-09-10 20:46) 

soraneko

キキさんへ

チョッとサイクリングを楽しめるような気温では無かったですね。
最近の気候を考えると、開催時期を遅らせた方がよいような気もします。

えーっと、なんか自分もそんな気がしてきました(笑)。
おそらく、そういった方向性を遠く見つめているんだろうと思います。
会社をクビになったら、みんなにバンザイで見送られて、自転車で四国の「お遍路さん」に行くとは言っていますが(苦笑)。
by soraneko (2010-09-10 21:23) 

ロックシップ

それはそれはお疲れ様でした。
こんな詳細な体験ルポを読まなければ、今回の大変さは分かりませんでしたね。
(もっとも本当に身を置いている人の大変さまでは分かりませんが)

気温もそうですが、筑波のセンチュリーよりもコースが過酷なんですね。笠間恐るべし。
でも持ち前のへんこつというか天の邪鬼パワーで完走しきったのは素晴らしい。拍手!きっとリタイヤしていたら、今年度のサイクルイベントの禍根となっていたかもしれませんなあ。

どうも前回の秋田でのパンク、トレーニング中のスポーク折れ、そして今回のスローパンクチャーと足回りでご難続きで少々嫌な流れがありますね。
その辺の流れを断ち切って、これから予定しているヒルクライムには万全で臨むべし。(言わずもがなか…)
by ロックシップ (2010-09-11 06:28) 

soraneko

ロックシップさんへ

大変なのが判っていて、酷い目にあうことが判っていても、出たくなるんですよね(笑)。
これはだけは出場して完走して見ないと判らない事だと思います。
「天邪鬼」というよりは、「勝てない相手に戦いを挑む情念」とでも言いますか、不可能といわれると燃えて嬉しくなってくるというか。

ホイールの一件は別に記事を書く予定なので詳しくは後ほどという事で、実はある程度予想された事でした。
パンクも、「避けられないパンク」と「避けられるパンク」がありますが、今回は完全に後者の方でした。

では何故そのような流れになったかというと、結論から言えば、短期間にイベントを詰め込みすぎて、僕自身に余裕がなくなったからだと思います。
とはいえ、「失敗」かといえばそのような事は無く、得られる物は大きかったように思います。

秋のイベントは、「箱根ターンパイクヒルクライム」は監督権マネージャー兼選手なので、チームの遠征の安全と全員「無事生還」に向けて準備中で、まあ僕自身イベントの中身よりそちらの方が気に成ります。
メインイベントは、恒例の「もてぎエンデューロ4時間」で、これは去年の「雪辱戦」になりますから、今年は引っくり返らないで存分に楽しみたいですね。
by soraneko (2010-09-11 19:36) 

ももんが

うわ~。
大変だったんですね。
お疲れ様でした。

事前の準備は大事なんですね。
若者なら勢いで何とかなっちゃうかもしれませんが、我々中年には厳しいものがありますね。

笠間には子供の頃に何度も行っているのにさっぱり憶えていません。
笠間焼き懐かしいです。
by ももんが (2010-09-12 22:36) 

soraneko

ももんがさんへ

自業自得で自分で大変に「してしまった」というところは有りますが、何とか乗り切れました。

確かに勢いだけで乗り切れるほどの若さはもう無いですよね。
準備は、当日の段取りを、前もってきちっと確認しておかないと、必ず何かミスしますね。
スケジュールや、装備品、食事等を、キチンと紙に書いておく方が間違いないようです。
by soraneko (2010-09-12 23:03) 

とも

詳細なレポート、興味深く拝見しました。ここまで過酷なイベントは私には無理ですが、soranekoさんの体験談はとても参考になるものです。装備の忘れ物、体調悪化によるリタイアの危機など想定外のハプニングを克服しての完走、お見事でした!

by とも (2010-09-17 00:08) 

soraneko

ともさんへ

ありがとう御座います。
毎度毎度「大変だ」ど騒ぎ立てるのも恥ずかしい限りなのですが、過酷なイベントに「してしまった」反省点は、恥を忍んで皆さんにご披露する事で、お役に立てるのでは?と思いました。

笠間はセンチュリーランの中でも屈指の難コースといわれているそうですが、それでも「楽しそうに」完走している人も多く見かけたので、サイクリスタとして見習って、もっと精進しなければならないですね。
by soraneko (2010-09-17 18:44) 

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