SSブログ

なぜガソリンが不足するのかその訳は [雑談]

何度も言いますが、沿岸部に比べれば栃木県の震災による被害はたいした物ではありません。
とはいえ、今日久々に会社に出勤しましたが、冷静に見ると社屋は相当の被害を受けていたようです。
同僚たちとも10日ぶりに再会して近況を話し合いましたが、皆異口同音に「ガソリンが手に入らない」事態に、困り果てていました。

関東地方においても、ガソリンや軽油などの燃料の不足は深刻で、特に北関東3県は、広い地域に居住地域が点在し、公共交通機関がほとんど役に立たないので、自動車が使えないということは死活問題になります。
余談ですが、行きつけの自転車ショップは大盛況で、ママチャリはあっという間に売り切れて、クロスバイクの注文も大量に受けているとかで、テンテコマイ状態だそうです。
地元の自転車量販店は、なんと例年の5倍の売り上げを上げるほど自転車が売れているとの事でした。

さて、ガソリンの不足ですが、震災により海岸線の製油所が軒並み操業停止に追い込まれ、供給不能になっているということは判るのですが、いくらなんでも翌日からスタンドに長蛇の列出来るほど不足しているのが理解で来ませんでした。

「震災ショック」と先の不安による「買いだめ」行為が、スタンド付近に長蛇の列を作らせているという事は事実でしょうが、一つ気になることが有ります。

僕も震災当日、夜中になって騒ぎが収まり、車の通りが落ち着いてから自家用車のガソリンを満タンにしておこうと街に出ました。
ある意味こうなる事は予想できたからです。
ですが、夜間で閉まっている事と停電の影響でなかなか空いているスタンドが見つからず、結局西隣の鹿沼市まで行ってしまったのですが、ナビでスタンドを探すと、最新の地図データであるのにもかかわらず、結構廃業しているスタンドが多いことに気が付きました。

まあ、近所のスタンドも、採算が合わないと次から次へと店をたたんだいて、結構不便になったなと考えていましたが、ここに問題があったのです。
つまり、絶対的なスタンドの数が激減した為、各スタンドの貯蔵タンク分の、地域で確保されている燃料の「在庫」が激減してしまっていたのです。
あともう一つ気になっていたのが、燃料の鉄道による貨車輸送がほとんど無くなり、昔は駅の横にある石油タンクがほとんど姿を消していたことです。

要するに、「トヨタ看板方式」を無批判に信仰化して、流通の効率化という「錦の御旗」のもと、在庫を持たず、沿岸地域の製油所から必要な分だけ輸送する物流システムが徹底していた為、肝心の製油所が機能しなくなったとたんに、末端に供給されなくなっていたのではないでしょうか?。

無くても多少高くとも、生活が直ぐに困窮してしまうわけではない、自動車や電気製品が、生産効率化の反動で、災害が発生すると生産が止まってしまうのは「企業の都合」ですから構わないのですが、今回の電力不足も含めて、食料や燃料など無くなると「生命の危機」に関わるものにまで、飽くなき販売競争のため、コストを下げる為に効率化を進めてた結果、多くの生命が危機に晒される、生活が長期にわたり困窮してしまうという現状は、「仕方が無い」と容認してしまっていいものなのでしょうか。

今回の災害は確かに「千年に一度の大災害」で、想定を超える規模であった事は事実ですが、これでもう二度とこのような悲劇が襲ってこないという保証はありません。
これだけ熱い鉄を呑まされたような苦痛を伴っていても、「のど元過ぎれば」また何時もの日常に戻ってしまうのですが、のど元に厄災が蠢いて苦しんでいるうちに、事の原因はキチント検証しておいて、同じことが繰り替えされないようにしなければいけないのではないかと思います。

ああっ、この手の文章は書いていて本当に疲れます、肩もこります。
早くおき楽な楽しい自転車生活を書ける、ノンキな自転車ブログに戻りたいものです。




nice!(3)  コメント(12)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 3

コメント 12

ももんが

かと言って、地域の備蓄を増やす為に補助金を~なんて話になれば怒り狂う人も出そうですよね。
新たな利権と汚職の誘因にもなりそうです。
私たち消費者が賢くなければいけないのですが、常に賢くあり続けるのは至難の業ですよね。

北海道の地方紙にも自転車の話が出ていました。
1日に120台売った店があったとか、古い自転車の修理を持ち込まれて大変だとか。
自転車屋さんにも頑張って欲しいですね。
通勤用に中古自転車を探していてヤフオクも見ているのですが、低価格帯の自転車は高値傾向で困っています。
by ももんが (2011-03-21 22:08) 

nabe

自転車は地震当日からバカ売れみたいですね。
一番手っ取り早い方法な気はします。 燃料いらない、渋滞はないですから^^

燃料不足は早く解放されたいところですね。 
この時代にはなくてはならないライフラインの一つのような気がします。
人間の生きるためには不必要な事かもしれませんが、生産、消費にとってはなくてはならないものですね。 それだけ依存してるのも怖い事かもしれません。


by nabe (2011-03-21 22:28) 

ロックシップ

全く同感です。
確かに今回の災害規模が規模で1000年に一度の未曾有の大被害ですから、ここまで見通して手の打てるような人もいなかったのでしょうが。
(もしいたとしても「悲観論の繰り言しか言わない変人」として扱われていたことでしょうが)
この辺で真面目に危機管理対策を築いて欲しいものです。
プリウスがどんなに増えたって、給油ステーションは必要なんですから!

自分も震災前日まではリビア危機でガソリン単価がじわじわ上がってきたのが苦々しくて、安くなるまで満タンにするのを待ちたい気分だったんですよね。
しかし、すわ地震発生後は頭のスイッチが有事モードに切替り、速攻で家内の車まで給油してきた次第でした。
「何焦って駆け込み給油しているのサ?」と、周りにチャカされるくらいが平和で良かったんですけどねぇ。

しかし自分のガソリン残量もあと半分です…
でも、あの給油待ち行列に並ぶのもヤダなあ…
by ロックシップ (2011-03-21 22:29) 

soraneko

ももんがさんへ

ある意味、卸や在庫という存在が流通の安定とリスク分散を支えていたわけですが、そのコストを消費者が払っていたわけですよね。
かといって、補助金という形をとれば、それも結局税金ですし、政治の監視機能がなければ官僚の懐に入るだけだし。
「フグは食べたし毒は恐し」ではありませんが、選択と決断が国民に迫られてきているように思います。

自転車ですが、確かに巷にあふれています。
昔懐かしい自転車まで引っ張り出してくるほど「切迫」しているということなんでしょうか。
自転車人口が増えるのはいいんですが、「町の自転車屋さん」もほぼ壊滅していますから、先が思いやられます。
古い自転車の相場が上がってしまうのは人気が出てくれば仕方がありませんが、入手が困難になるのは痛いですね。
by soraneko (2011-03-22 06:26) 

soraneko

nabeさんへ

日頃まったく自転車に乗っていない、関心すらなかった人が巷に繰り出したので、道路はすごいことになっています(笑)。
ガソリンの供給と値段が安定すれば大半の人は自動車に戻ってしまうんでしょうけど、やはり普段から生活に取り入れて少しづつ乗っていないと、決して楽ではないような気がしますけどね。

ガソリンは来週までにはある程度流通が回復するように思いますが、また何時か同じことが起きるかもしれないと思うとうんざりですね。
ガソリンは自宅で貯蔵できませんし、こうなると自宅の太陽光発電で充電できるEVを、本気で検討したくなります。
by soraneko (2011-03-22 06:38) 

soraneko

ロックシップサンヘ

現状では、1000年に一度どころか、些細な障害でも物流や交通機関など、直ぐに止まってしまい、また復旧に時間が掛かるのが官民問わず現状のようです。
危機管理は確かにコストと人材が必要になるので、平時であれば「ただの無駄な手間」と考えがちですが、結果はこの有様です。

ガソリンに関しては、今後もこのような事が起き得ると考えて、「自己防衛」手段を考えておいた方が良さそうですね。
家族が多く、地方に住んでいるとどうしてもある程度の大きさの自家用車が必要になりますが、地域の買い物や、子供の送迎に限定した「都市コミューター」と考えれば、二人乗りくらいのEVは、現行の「お買い物カー」の主役の軽自動車に置き換える事が可能かもしれませんね。
by soraneko (2011-03-22 09:49) 

キキ

看板方式の話が出たんで。

今回の地震で流通がストップしてしまって、工具などが手に入らなくなったのですが、ちょうどそのとき、会社で役職関係の研修をやってまして。
それに出た連中が言うには、「無駄な在庫を持つな!」と、ジャストインタイムを崇める感じの講習だったらしくて、あきれてものがいえなかったそうです。
by キキ (2011-03-22 17:31) 

soraneko

キキさんへ

ジャストインタイム方式は、トヨタの成功体験と共に、絶対性を持った「宗教」のように広まっていきましたから、災害傍観者の、危機管理という概念が無い信望者達には、今日本がどうなっているのかという事は、目に映っていないんでしょうね。

困った事に、このシステムは工業生産活動だけではなく、多くの企業活動や、公共事業などにも「ウィルス」のように感染していますから、なかなか是正される事は難しいでしょうね。

それに引き換え、我が家は「不良在庫」の山で、単純に収支を考えれば「大損」でしたが、そのおかげで今は助かっていますね(笑)。

by soraneko (2011-03-22 19:03) 

kanchi

こんにちは

今回の震災でGSを気にしながらクルマを走らせるようになったのですが、GSは明らかに減ってますね。仕事の移動で都心から50Kmぐらい場所へ何度か往復していますが、都心では行列せずに(制限があっても)給油できるのが珍しくなくなってきているのに都心から離れるほど給油渋滞が激しいように感じます。

都心は停電もないし、燃料油も通常に近くなってきていて、地域格差が出ているようです。

なお、高速のSAにあるGSは、私の立ち寄ったところは全て営業していませんでした。
by kanchi (2011-03-22 19:14) 

soraneko

kanchiさんへ

GSの数が減っていた事に関しては、「このままでは供給体制が不安だなぁ」と漠然と考えていましたが、このような事で不安が現実化したようです。
致し方ないこととはいえ、電力も燃料も東京中心部が優先されるという事に関しては、地方に住む人間からすれば快くは思えないですよね。

東京に行く用事がここの所多く、面倒事であと数回行くようになりますが、天候が回復したら、自転車で行こうかと本気で考えています。


by soraneko (2011-03-22 19:50) 

とも

なるほど、最近はGSが減ったと思っていましたが、それによって流通在庫が少なくなってしまったことも、今回のガソリン不足に拍車をかけているわけですね。だからと言って、今後GSが増えるとは考えにくいですが…
幸い、水戸周辺ではガソリンの入手難はそろそろ解消しそうな気配です。
自転車はこちらのイオンでも購入希望者が殺到したようです。また、行きつけの千葉のショップも新規購入者と古い自転車の修理希望者が大挙しててんてこ舞いだとか。これを機に自転車の有効性も見直されるといいのですが、再び使われなくなった自転車が放置されるのではないかと心配しております。
少しは学習して「喉元過ぎれば…」なんてことを繰り返さないようにしたいものです。
by とも (2011-03-27 23:06) 

soraneko

ともさんへ

改めて市内を自転車でまわりましたが、ほんの先月まで営業していたはずのスタンドさえ、更地になっているケースが多く驚いています。
これで一斉にスタンドに給油に走れば、結果は目に見えていますよね。
僕は供給の再開を見計らってから、昨日待たずに給油してきました。

震災以来、普段の足の主役は自転車で、健康な成人なら、普段の用事は自転車でこなせるなと感じています。
多く方がそれに気が付いてくれて、健康や、環境を考えて自転車を有効活用してくれると良いのですがね。

ある意味、元の生活に戻ればよいのか、本当にあれだけのエネルギーを湯水のように使うことが、本当に適正なのかを一人一人考えなければならないんでしょうね。


by soraneko (2011-03-28 20:17) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。