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恒例行事、五月晴れの2016ツールド桜川を楽しむ [イベント]

毎年恒例のイベント、茨城県桜川市で行われるロングライドイベントの「第16回ツールド桜川」に、今年は親友のM島君と参加してきました。
このイベントは桜川市の真壁町を中心に、山岳コースの無布90kmコースと、真壁町の観光ポタリングコースなども含まれる、初心者から上級者まで春のサイクリングを楽しめるイベントで、地元のみならず近県からも数多くのリピーターが来るイベントです。
ここのイベントは、他のサイクリングイベントのように、都道府県のサイクリング協会や、イベント会社、自治体などが運営するのではなく、あくまで地元の「有志」の方々のボランティアで運営されており、それで16年続いて、600人規模の参加者を誇り、地元住民や自治体、警察関係などの協力と信頼を頂いているというのですから、お見事としか言いようがありません。

さて僕は恒例の「パノラマビューコース」という、筑波山脈の北側で、南北に連なる「加波山」「足尾山」「きのこ山」を縦走するコースに参加します。

麓の周辺のコースは、ほぼ自分の「ホームコース」とも言えるコースで。それこそ春夏秋冬走り回っていますが、この山岳コースはこのイベント以外では間違っても行こうとは思わないコースです(笑)。

さて当日ですが、高速道路を使えば1時間以内で現地の真壁町に到着します。
しかし、なんというかいつも自転車で走っているルートや場所を自動車で走るとすごい違和感があります。
というか仕事でも毎日自動車に乗っていますが、体の感覚や意識は完全に「サイクリスタ」になっていて、ひどい時は交差点で曲がるときに「ハンドサイン」を出しそうになるくらいです(苦笑)

現地には5:00頃には到着してしまいましたが、M島君もほぼ同着で既にいましたし、スタッフの方々は忙しく走り回って準備を進めていました。
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本日は終日曇りという気象庁のインチキ予報の正反対の素晴らしい五月晴れの、絶好のイベント日和です。
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しかし、前日の天気予報など複数聞いてみると、各局の「気象予報士」の方々は「曇のマークが出ていますが、晴れ間が多い天気です」と解説していのに、公式見解ではしつこく予報は「曇り」でした?
たまに素人の僕が天気図を見ても「この予報は有りえねーわ!」ということが、かなりありますから、きっとキャリアのある優秀な方々や、法外な予算と投入して整備されたスーパーコンピューターは「人智を超える」凡人では知りえない「何か」をお持ちなんでしょうな!(苦笑)

出走の8:00まではまだまだ時間がありますから、のんびり自転車の準備をしながら雑談をしています。
本日のバイクは、イベントでは本当に久しぶりの「自称「マドンA」、アルミフレームの2013年型TREKマドン2.3です。
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ホイールセット、スプロケ、クランク、サドルはFELTより移植してますが、これはある意味フレームのパフォーマンスの再確認の意味もあります。
距離の短い山岳コースの今回のコースには、最適の組み合わせとしてこのセッティングで投入しました。

M島くんは最近買い換えた最新バイクのキャノンディールCAAD12での出場です。
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アルミバイクの最高峰として評価の高いこのバイクは、今年発売されたばかりというのに会場のあちこちで見かけることのできる、大人気のバイクです。
それにしても古いCAAD9や、前作のCAAD10だけでなく、スーパーSixやシナプス等、キャノンディールのバイクは「北関東」では大人気ですね。
「北関東」ではとわざわざ断ったのは、他の地方のイベントなどでは、結構地域別で出場自転車の「トレンド」が違ったりして、結構観察していると面白いです。
まあ、やはり首都圏の東京近郊のイベントほど、バラエティに富んだ色々なバイクを見ることが出来るのは間違いないようですが。

7:00頃になってボチボチ参加者も顔を出してきました。
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受付では、恒例の「バナナ」のサービスがあり、スタッフのお嬢さんが配っています。
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時間が来て開会式が始まります、
まずは、地元や自治体の協力もあり、「来賓」の地域の県議や国会議員、市長さんの祝辞があります。
ま、この手のイベントの恒例ではありますが、毎年開催するにあたりやはり「政治力」というものは非常に重要な要素ではありますし、無下にはできません。
その後大会実行委員からの挨拶と注意事項の説明があります。
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大会委員長の方とは別の機会にお話させていた事がありましたが、有志の仲間で初めて大会を開いたのが16年前で、その頃は皆さん40歳代だったそうですが、今回の挨拶でもおっしゃっていましたが、メデタク「前期高齢者」に成られたそうです。

さていよいよこれから出走です。
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時間があるのでしばらく待機です
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スタートは10名ずつ時間をずらしてスタートとなります。
ここの大会はスタート順は、申し込み順となりますので、何時も真っ先に申し込んでしまう気の早い僕は、心ならずも「フロントロウ」スタートになります(苦笑)
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8時スタートで、2名が勢いよく飛び出していきましたので付いて行きましたが、まるでレースのようなペースだったので途中で見送ってM島君を待ちます。
M島君と合流したあとは、急ぐこともないと、周囲にペースを合わせて集団で走りますが、登坂に備えて一度だけフルパワーで前走集団を追いました。
これは本番前に心拍を一度最大心拍に上げておくためで、これで「本番」で随分楽になります。

15kmほど走っていよいよ本番の「上曽峠」ですが、約5kmで標高差は480mあるということで平均勾配が約9.6%もあります。
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この地図でお分かりかと思いますが、峠によくある「つづら折れ」ではなく、沢沿いに真っ直ぐくねくねと登っていく、息の付ける間のない一番いやらしいタイプの上り坂です。
体重三桁のどすこいライダーが最も苦手とするタイプのコースではありますので、ここはいつも以上に「男らしく黙ってインナーロー」でノロノロと登っていくだけになります(苦笑)。

ここえお登りきっても山脈の「尾根沿い」のルートに出ただけで、厳しい勾配が続きますが、ここからはクネクネとした林道になりますので、ある程度勾配も緩いところもあり、淡々と登っていけばなんとかなります。
また新緑が生え揃った山岳ルートは清々しくもあり、のんびり登っていても気持ちが良いものです。

ある程度勾配がゆるくなってくれば「きのこ山」の山頂付近で、その先がこのコース最大の目玉の山頂付近のパノラマビューを拝める、ハングライダーの滑走台付近になります。
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ここからだと西に関東平野(天気が良ければ富士山も)、東に霞ヶ浦が望めます。

多少雲があり霞んではいますが、まずまずの見晴らしでホッとしました。
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これが雲が出ると「雲中」に入り何も見えなくなってしまうんですよね(笑)
個人的にはこれでこのイベントの目的はほとんど達成してしまった感じがしてしまうのですが、ところがどっこい、まだこの時点では23kmくらいしか走ってなく、山の尾根沿いに下ってを登るを3回繰り返さなくてはいけないんですよね。

2回目の登りが終わると第一エイドステーションの「ウィンドパワー筑波発電所」の風車の麓の広場に来ます
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毎年特に気にせず休憩しているこの場所は、単なる風車の根元というのではなく、実は明治17年に起きた「加波山事件」の首謀者たちが立てこもって、「自由民権」を訴ええた場所だったそうです。
加波山事件は、古くは「足利学校」、「足尾鉱毒事件」などともに歴史の教科書で栃木県が登場する数少ない記述の一つで、当時の自由民権運動を弾圧した栃木県管領(今で言えば政府指名の役人知事?)の三島通庸を、栃木県庁落成式の時に爆殺(完全にテロですね)しようとして未遂となったという一連の事件をさします。
まあ、色々な見方や考え方はあるもので、地元栃木県の大田原市では、かの管領の功績をたたえて「三島」の地名が残っているという話です。

話は横道にそれましたが、この後コースは最後の登りの後、筑波山脈の東側を下っていくようになります。
同じ山でありながらこの山脈の東西は気候や植生も違うようで、東側に来ると緑が濃く。所々に湧水が染み出していてしっとりしています。
聞いた話だと、太平洋側から吹いてくる湿った風は、山脈に遮られて東側に多くの雨を降らせるのだそうで、西側の「筑西」は降雨量が少なく、大きな河川も少ないので、「桜川」沿いを除くと、特に山間部や丘陵地帯は水に困っていたそうです。
近年になり「霞ヶ浦潅漑事業」で、霞ヶ浦の水をポンプで汲み上げてダムに溜め込み、その水で付近の灌漑を行うようになって、広く稲作が行えるようになったそうです。
そういえば、東側の「石岡」から霞ヶ浦に向けては、水が重要な日本酒の醸造を行う「蔵元」も多くあるそうで、地形がその地域の環境や産業を決める一番大きい要素だということがわかりますね。
うーん今回のブログは、小学校の社会の授業のような内容になってしまっていて申し訳ありません(苦笑)。

さて「板敷」というところで山岳路は終了で、あとは多少のアップダウンはあるものの、僕にとっては今まで上りでさんざん抜かされてきた恨みを晴らすべく(苦笑)、残り60kmをハイペースで「追撃」するお楽しみタイムといつもならなるのですが、本日はそういう気分も起きず、いつものツーリング+αのペースで淡々と走ることにしました。

やはり天気がよく風もそんなに強くないので気分良く走れる事が、気持ちをおおらかにさせてくれたようで、普段走りなれたコースではありますが、山奥でも都会でもない「絶妙なバランスの里山風情」が広がるこの地域の風景を堪能することに徹しました。
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この風景など、地元の人にとっては「何でもないような日常の風景」なんですが、本当に気持ちが良い風景で、僕自身はこれこそが貴重な財産だと思いますが?。

気持ちは良かったのですが、山々の間を走っていると、なんだか猛烈にお腹がすいてきました。
基本エイドステーション以外では補給はしていなかったこともありますが、ややエネルギー切れのようです。
最後の小貝川沿いのエイドステーションで、お饅頭をサービスでいっぱいいただきまして、それをほおばりながらラストスパートをかけます。
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県境の小さな峠えを超えれば完全にフラットなコースで残り15kmとなります。
毎年ここで残ったスタミナでの「最大戦闘速度のお楽しみ」を行いますが、幸い今年はいつも吹いている強い南風の向かい風もなく、淡々と走っていても32km程度で巡航できるので、特に集団に入ることもなく、前走者をパスしながらゴールを目指します。

13:30、5時間30分でゴール、今回も無事にいつも以上にコースを堪能しながら2016ツールド桜川を、M島君と共に完走いたしました。
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まあ単純にタイム的にはいつもより1時間以上余計に掛かっているのですが、どんなものでしょう?何故か今回の方がイベントを堪能した充実感は大きいようにも思います。

元来制限時間以内に「元の場所に戻って来る」のがサイクリングイベントであり、レースではない自転車趣味たる所以だと思います。
まあ、「自分を試す」という意味でのタイムや時間のこだわりも有りではあるのですが、イベント全体としてみた場合、我武者羅に走りきってしまうと、コースの風景や、名所旧跡の散策、グルメ、参加者との歓談など、多くの楽しみを味わう暇もなくなってしまう訳で、個人的にはチョッピリ「勿体無いなぁ」とも思います。

6年前にクロスバイクで参加して、無我夢中で走った頃から思い出してみても、なんだかようやく最近この「ツールド桜川」をいろいろな意味で楽しめるようになってきたのではと今回感じました。
それは、単にイベントで年に一度参加するだけでなく、普段のツーリングも含めてこの地域との関わりも緩やかに深まってきたことも関係しているのかもしれませんね。





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大型中年

SORANEKOさま

ツールド桜川参加ご苦労様です。
私もGWに走り過ぎて、いったん下げた負荷を、先週また上げました。結果、カラダはOKでしたが、気持ちが付いてこなかったです。今思うと、心と体がリンクしていなかったので、宮ケ瀬ツーリングになってしまいました。
唯一楽しかったのは、広い草原の公園のメインベンチでの20分でした。ツーリングは6時間以上かかっているわけですが、心底ゆっくりできたのはこの20分でした。
これを考えると、順位やタイムに血道上げるのもそれはそれでいいのかもしれませんが、同じく楽しみをすべてすっ飛ばすのでもったいないと私も思ってしまいます。 
完走だけを目的としたイベントだったら全くOKですが、制限時間を決めないと、大会として運営が間違いなく困難になるので限界はあるでしょうが、いつかチャンスを見つけてイベントにエントリーしてみたいと思います。
by 大型中年 (2016-05-16 22:13) 

soraneko

大型中年さんへ

もともと自分の場合、イベントに参加する目的は「普段努力するための目標設定」に有ったと思います。
100km走るのも苦労していたころ、「センチュリーライド」の存在を知り、本当に自分は制限時間以内に160kmもの距離を走れるのだろうか?という疑問と挑んでみたいという願望が湧き、雑誌やネットで貪るように情報を入手して、トレーニング、装備、機材等、完走出来る確証を得るまで奔走していました。

自分で走ると「まあこれくらいならいいか」という甘えの部分がどうしても出てしまいますが、イベントの場合それが競争ではなくとも、走りきれる実力が無ければ、また各種トラブルが発生してしまえばそれは「リタイア」という残念な結果が残ってしまいます。

その緊張感が欲しかったわけですが、出場してみると今まで会った事もない多くの参加者との触れ合いが有り、また多くの刺激ももらう事が出来る等と、「同じ時間と空間の共有」という部分でも普段では得難い体験ができる事を知ってしまい、今に至ってしまいました(笑)。

僕の場合は年間で10回程度のイベントには参加しているので、「自分試しの限界に挑む」イベントと、「イベント自体を仲間と楽しむ」イベントに分けて、バランスを取っています。
最も最近は速さへの挑戦が疎かになっているのも事実で、10月と11月にエンデューロレースを予定していますので、そろそろそちらの努力もしなければいけませんね(苦笑)。
by soraneko (2016-05-16 23:03) 

喫茶こじろう

なかなか楽しそうなコースですね。この種のロングライドイベントも参加経験がなく、一度は走ってみたいと考えています。どこも結構人気があるようですが、エイドステーションで美味しいモノを補給しながら景色の良い道を走れるなら納得です。

シンプルなブルーカラーのアルミバイクは爽やかですね。清涼感があって蒸し暑くなってくるこれからの季節にピッタリですね!
by 喫茶こじろう (2016-05-17 22:22) 

soraneko

喫茶こじろうさんへ

最近は色々なイベントが開催されるようになり、参加しやすくはなったと思います。
もともとあるサイクリング協会やクラブ等が主催するイベントだと、あくまで「手弁当」ですし、基本「サイクリングは自己完結」で行われるので、エイドステーションのケアは最低限ですが、たとえば栃木県で行われる「グルメライド」や「ポターリング」イベントだと、最近の初心者対象に成るので、豊富なエイドをが期待できますね。
どちらが良いというより、それぞれに良さがあると思います。

このマドンAは、ある意味「普段乗り」で気を使わないでガンガン走り込むために購入したバイクですが、同じマドンCの1/5の値段のバイクとは思えないほどの、侮れないパフォーマンスが有ります。
一応メーカーの位置づけとしては、初心者や、ツーリング、通勤通学にも使えるという物ですが、そこはマドンの名前は伊達ではないという所で、設計がFELTより5年も新しいだけあって、素材云々以上に走ります。
これから寒くなるまでは、こちらが「山トレーニングバイク」で、普段乗りの中心になります。
by soraneko (2016-05-17 23:33) 

わだち

おつかれさまでした!

今回はグランフォンド軽井沢(ハーフ)とかぶって参加できませんでした。

初参加の軽井沢ハーフは、ずっと登りなイベントでしたので、桜川の方がずっと走りやすいなと思いました。

そして、来年のさくらがわは、昨年と同じ開催日に戻していただければありがたいなと思うのでした。

by わだち (2016-05-18 18:55) 

soraneko

わだちさんへ

軽井沢と聞いてあまり平坦なルートではないだろうと勝手に恐れていました(笑)が、時間いっぱい使って、風景を楽しみつつノンビリ走るのなら参加してみたいなとも思います。
桜川はほぼ地元の貴重なイベントとして愛着も有りますし、出来うる限り毎年参加して応援したいと思っていますが、仰る通り他のイベントと日程がバッティングしてしまうのは何とかしてほしいですよね。


by soraneko (2016-05-18 22:59) 

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