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TNiのセラミックベアリングBBを組み込む [自転車部品]

自転車に乗っていないというのに、自転車ネタが途絶えることのない当ブログですが(笑)、先週組み上げたFELT F5のBBをTNiのセラミックベラリングのBBに交換することにしました。

と、これも理由がありまして・・・・と「どうせ初めからそのつもりだったんでしょ!」と信じてもらえないのは日頃の行いが悪いからで致し方ありませんが(苦笑)。
実は当初、在庫として保管してあったシマノのSM-BB9000、要するにデュラエースのBBに交換しようと思っていたのですが、もともとF5のフレームに装着されていたのはSM-BB60というアルテグラグレードのBBで、工具が使用できず交換できないということが起きていました。

このあたりを説明すると、もともと「ホローテックⅡ」のBBの形状や外径等はどのグレードもすべて同一で、一つの工具があれば対応できたのですが、11速の9000や6800シリーズと同時に設定された上記のBBは、グレードごとの大きさが異なるモノになっていました。
写真で見るとこうなります。
RIMG0776.JPG

左からFSAのBBレンチ、シマノのBBレンチ、SM-BB60のアダプター、SM-BB9000のアダプターとなっていますが、レンチの直径がもともとのホローテックⅡのBBの直径で、SM-BB60の直径はひとまわり小さく、SM-BB9000の直径はさらにひとまわり小さくなっています。

ちなみに当然ですがSM-BB9000のアダプターは見事に嵌りません。
RIMG0779.JPG


で、今回仕方なく購入したSM-BB60のアダプターの出番となります。
RIMG0780.JPG


しかし、なんでこんな面倒なことをしてくれたのでしょうか?
おそらくキャノンディールが提唱した「BB30」を代表とした「プレスフィットBB」が隆盛を極めてしまったことに、シマノ自身も「BB86」規格のプレスフィットBBで対抗したものの、従来のスレットタイプBBのユーザーにも、「小型軽量、低抵抗」の新シリーズを出すことでシェアを確保しようとしたのでしょうか?
自分自身はTREKのBB90規格で、シーリングの概念すらないこのBBの耐候性の無さに懲りてしまったこともあって、絶対スレットタイプのBBのバイクしか購入しません。
今回のF5も、前のオーナーがBB30を嫌ってスレットアダプターを入れているという事で入札した経緯もありますし、雨やホコリや汗やボトルからの雫等に神経質になって頻繁に整備するようなバイクなど、「競技専用の決戦兵器」ならともかく、ツーリングなどに使うわけにはいきません。
ベアリングを「圧入」している構造上、BB周りの歪みなどあれば「バキバキ」という異音の発生もフレームによっては避けられないようですし、個人的にプレスフィットBBに何ら優位性を感じていません。

最もこれは僕だけの「特殊なインネン」ではなかったようで、各メーカーなど、ミドルレンジ以下のバイクの場合など、スレットタイプに設計を戻している傾向のようです。
ついでに電動ではなく機械式で、ワイヤー類も外装式で設計されていて、ミドルレンジとは言え数年前のハイエンドと同等のフレーム設計やカーボンなどを使っているものも多く、性能は昔のハイエンド並みで、整備性が良く維持コストが安い、使いやすいバイクなどが、知る人ぞ知る「お買い得バイク」だったりします。

ハイエンドバイクは、最近流行の「ディスクブレーキ」や、「エアロ形状の専用キャリパーブレーキ」、「ステム一体成型のカーボンハンドル」、「IPSシートポスト」、あたりを含めて、それこそ最新技術のショーケースのようになっていますが、そういったバイクを、お金に余裕がある方が喜んで購入してくれれば、メーカーの収益とレース用バイクの開発費用を提供して頂けている訳で(笑)、我々の方な一般ユーザーがその恩恵に数年遅れで与れるというのも、「ありがたや、ありがたや」といったところではないでしょうか(笑)

また話が太陽系外まで飛んでしまいましたが(苦笑)、交換の作業に戻ります。
シマノ純正のBBレンチをアダプターを噛ませたBBに嵌めますが、かなりキツく出来ていて、軽く叩きながらでなくてはレンチがハマりませんでした。
RIMG0782.JPG

実はこれが「大正解」なのです。
先の写真にあったFSAのBBレンチはC型に開いていることもありますが、結構寸法がアバウトになっていて、簡単に嵌るのですが、力を掛けると外れやすくなっていて、固く締まって外れにくくなっているBBの取り外し作業には向きません。
これで無理をするとBBの溝を舐めてしまって、簡単には外れなくなってしまうのです。
実はこの古いBBを外す作業がBB交換作業の最大の「難所」であって、これさえ問題なければあとはそんなに難しいことはありません。

レンチを緩み方向にセットして手で押してみますが、案の定ウンともスンとも言わないので、レンチをしっかりはめて、斜めにならないように手で押さえて、レンチの橋を、「ゴムハンマー」で慎重に叩いていけば、そのうち「コクっ」という手応えが有り、少しづつ動いてきて綺麗に緩めることができます。
RIMG0783.JPG


反対側の右側の場合、BSC/BSA(JIS)68mm規格のネジの場合、いわいる「逆ネジ」というものになっていて、軸の回転方向の反対のトルクで緩まないようになっています。
これはペダルの取り付けも同じですので覚えておいたほうが良いでしょう。
というわけで、左とは反対方向の時計回りに緩めていきます。
RIMG0786.JPG

厄介なのがBBには「ITA70mm規格」というものがあり、こちらはどちらも正ネジで普通に回すのですが、例えば「ピナレロ」などのイタリアンバイク等はこちらのITA規格だったりします。
知らない人が右側は逆ネジと思い込み、ネジを舐めてしまったなどという笑えない話もあります。

さてここでTNiのセラミックベアリングBBの出番です。
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他のセラミックベアリングの約半額で購入できる定番商品で、耐久性云々を書かれている人もいますが、ターマックで使ったケースでは問題はなく、同じくTNiのセラミックではないBBは、FELT Z25で数年以上過酷に使用していますが、それで若干異音が出てきている程度です。

取り付けは特に問題なく進みました。
このBBは以前のホローテックⅡと同じ寸法ですので、アダプターは無しで、普通にレンチが嵌ります。
RIMG0789.JPG

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これを絶対緩めたくないのなら、「ロックタイト」という緩み防止のセメントとというか接着剤を塗布すればまず緩んでくることはありませんが、交換の時に難儀することとなります(笑)
そのまま締め込んでも問題はないでしょうが、自分はこういう場所は腐食防止も兼ねてグリスを薄く塗布して締め込んでおきます。
この方が摩擦が減ったことで綺麗にしまって「軸力」という力が増えて緩みにくくなると同時に、水が入り込んで「異種金属接触腐食」が起きにくくなるので、次回外す時に綺麗に緩みやすくなります。
このあたりは自転車整備の経験というより、機械物の整備の長年の経験の恩恵によります。

あとはクランクを元に戻せば完成です。
RIMG0794.JPG
RIMG0796.JPG

SM-BB9000なら黒色で目立たない感じになっていましたが、Z25は赤色でアクセントにしましたが、F5は青でアクセントにします。
試しにクランクを手で回すと、明らかにこちらの方が軽く回ってくれますから、これで早くなるとか坂が楽になるとかは有りませんが、この抵抗が少ないことが、距離に比例してマージンを累積することができま

ついでにボルトの緩みを確認して、最終調整も完了していますので、これで何時でもF5は出撃準備が整ったことになります。
実は通っている整体の先生に「負傷箇所の筋肉の損傷は治っていて、神経系や筋肉のこわばりだけなので、軽く動かしながらリハビリは良い」という走行OKの許可をもらいましたので、当然様子を見ながら明日天候が回復したら、F5のシェイクダウンと体のリハビリ走行を行おうと思います。
まあ自転車も人間も当然のことながら無理は厳禁ですので、落車事故後ちょうど1ヶ月をすぎて、恐る恐るリハビリ走行を開始していきます。
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こけもも:

ホローテックⅡは全部同じだと思ってました、一部違いのある製品もあるんですね。いつかクランク交換する時にBBも替えなくてはならないので勉強になります。
by こけもも: (2017-05-13 18:58) 

soraneko

基本的にクランクも含めての互換性は取れていて、BB9000もBB60も、新品で購入すればアダプターが同胞されていますから、複数の工具を用意する必要は無いと思います。
クランク軸のカシメ部が四角の通常のBBから、ホローテックⅡのBBに変えて対応クランクに変えるだけで、推進効率は劇的に向上しますし、自分で行えば、BB自体は2000円程度ですし、クランクはリユース品ならかなり安く買えますから、コスパの良い改造ですよね。
問題は出番が少ないクランク外しやカセットBB外しの工具をどうするでしょうか。
by soraneko (2017-05-14 05:08) 

大型中年

SORANEKOさん

怪我が治癒したとのこと。おそらく来週・早くて今日からでも自転車に乗っているかと思われます。もう梅雨前線の影響を受け始めているようで、来週全般まで天気が悪そうですが、絶好のツーリング日和なので無理せずライディングしてください。

デュラエース・セラミック樹脂・・・、おっしゃる通り、私には失礼ながら太陽系外のお話です。(笑) 
先週、7年間連れ添ってきたパソコンが壊れ、泣く泣く新機種を購入せざるを得なくなったのですが、ボーナス還元制度を採用している私の場合は、この中で購入するのが、我が家のルールです。
カーボンフレーㇺの自転車はまた10歩後退です。
 
ということで、自転車の目先の改造ですが、今のFSAクランクを5700系105に変える計画です。 でも改造というよりも、クランクがごくわずかに長年の酷使で僅かに変形してようで、ロー・アウターでフロントディレーラーに触れて異音が出始めました。
明らかにクランクは丈夫な鍛造品でないので、早く交換すべすべきですが、FSAに必要なコッタレス工具が3000円かかり、明らかにクランク交換しか使わない工具でもったいなさすぎる。 また自転車屋に行きそうです。

by 大型中年 (2017-05-14 09:25) 

soraneko

大型中年さんへ

実は昔からBBだけはデュラエースは高くなく、せいぜい1000円くらいで、最新のものだと400円も変わらないので、「だったらデュラにします」という事になります(笑)
あと気兼ねなく買えるデュラエースはグリスぐらいですかね(笑)。

クランクは本体が曲がるというより、アウターギアリングが特定の場所で荷重がかかるので、徐々に歪んでくることはよくあります。
とはいえ、ホローテックのクランクの特徴は、シャフトとクランクが一体成型されているという事で、従来品より段違いに剛性があります。
ベアリング位置も外側に移るので、推進効率は見違えるようになるはずで、お楽しみに!

あと、従来のカセットBBを抜いたあとで、金属フレームだとBBの開口部を「フェイスカッター」という工具で、塗装をきれいに削って進行方向に対して正確に平行な開口部を作ると、「歪み」がなくきれいにベアリングが回りますし、異音などのトラブルも減ります。
古い自転車屋さんや専門ショップでは「当たり前の処置」なんですが、量販店の場合は担当者次第というところもありますから、お確かめされたほうが良いかもしれません。
by soraneko (2017-05-14 16:18) 

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