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通販の安い自転車は大丈夫?どうやって見分けますか? [雑談]


最近SNSの記事などで、「通販で買った自転車をショップに持ち込んだら、その自転車は修理できませんと断られた」と、主にショップの店員の態度が悪いという趣旨の記述が幾つか目に留まりました。


実は、自分も自転車趣味を再開させた頃に、通販で折り畳み自転車を購入して、屋外イベントの現地の脚として使用していたのですが、そのうち後輪の回転が渋くなり、どうもハブがダメになっていたので、悩んだ挙句市内で有名な自転車ショップに持ち込んだところ、そこの店員さんに「これはお金をかけて直しても意味が無いですよ」と言われました


正直その時は「なんだこの店員失礼な!」とムッとしましたが、実は店員さんの意見が「正解」で、商売気無く正直に、多少不愛想に(笑)対応していただけの事でした。


ちなみにそのショップも店員さんは、現在も親しくお付き合いさせていただいています(笑)


持ち込んだ自転車ですが、アメリカの自動車メーカーの名前の入った、アルミフレームの26インチMTBで、問題は、後輪のエンド幅が120㎜だったという事です。


つまり、当時MTBのスタンダードな規格の135㎜ではなく、120㎜という事はそこに組み込まれているホイールセットは、MTB用でなく「ママチャリ」用の、しかもシマノとかでなく、台湾か中国本土の業者が量販している、相当コストの低いハブが使われていたという事です。


通常シマノの「カップ&コーン」ハブなどでしたら、内面に錆などが無ければ、せいぜい洗浄してグリスを入れなおして組みなおせば問題なく使用できて、内部が摩耗していてもベアリングの球を交換するくらいで済みます。


ところが、値段が安いだけの無銘の量販品の場合、肝心なカップ部の本体の精度や強度が無く歪んでしまったりするので、こうなるともはや修理不能であり、ホイールセットその物を交換するか、ホイールを分解してハブを交換するしかないことに成ります。


当然工賃込みの修理費は結構な値段に成るのですが、120㎜エンド規格の商品では、例えば6速までしか使えず、ママチャリ用の部品ではスポーツバイクとしての使い方には限界がありました。

そういった意味で前述の「お金を出すだけの価値は無い」という事に成るわけです。


通販による自転車販売は、販売元がしっかりとした自転車販売店であれば良いのですが、それこそ「企画だけしてどこぞの外国の工場で、安い部品集めて作らせたものを、ユーザーに直送させる」様な業者だと要注意です。


これが「メーカー品」であっても、メーカーが販売店に出す状態の組み立てレベルだと、きちんと機能調整が出来ていないとか、不具合がある場合が多く、良心的な販売店は、メーカーから送られてきた自転車は、一度分解してから、きっちりと組みなおしをして、各機能が確実に機能するようにしてからお客さんに渡すののが「本来当たり前の自転車販売店」なんです。


ちなみに今回目に留まった自転車はこれです

これダメ(2).JPG
別にこの自転車を買うなとは言っていませんよ(笑)
このクロスバイクが2万円以内で購入できれば、近所の買い物や近距離の通勤程度なら問題は無いと思います。
問題は、この自転車で、フィットネスやツーリングなど、これから本格的にスポーツサイクルを始めようとされている方の場合、この商品の場合、幾つかの気に成る記述がありましたので指摘しておきたいです。
1、重くて硬いフレーム?
クロスバイクで13.4㎏というのはかなり重い部類に入ります。解説を見ると当然カーボンでは無いにしても、アルミでもクロモリともありません。
超軽量高炭素鋼?という記述で、確かに強度はあるかもしれませんが、軽量どころか「重い」上に相当厚みが在る鋼材(圧延鋼板の溶接?)だと相当「硬い」ので、振動吸収性が期待できません。
ではなぜスチールフレーム(クロモリ)が振動吸収が良く、乗り心地が良いといわれるかというと、鉄にクロムとモリブデンを添加して、薄くて強度のある材料でパイプを作り、場所によって特性の違うパイプを溶接して組み合わせることにより、強度と「しなり」を持たせることが出来るからです。
2、やたらと「シマノ」のコンポを表に出す。
シフターやディレイラーなどシマノ製のパーツを使う事で高品質なのを装っているのがウザすぎます。
これは明らかな「印象操作」で、実は肝心な部分のパーツはにシマノ製は使われていない可能性が大きいです。
自転車の場合、部品として一番肝心な部分は「回転系のベアリング」と「ブレーキパーツ」であって、これらのパーツの性能は、冷徹にコストに比例します。
ロードバイクなども、結構この手を使って値段を下げているケースが多いので、購入される場合、細かいスペックまで確認されると良いでしょう。
3、低性能のブレーキを高性能と偽る
通常、ディスクブレーキでないリムブレーキでクロスバイクを作ろうとすると、コストと性能のバランスからすればVブレーキが最適になります。
所が、正直あまり精度の高くない安いキャリバーブレーキを高性能U字ブレーキとして装備しています。
何故こんなことをするかというと、恐らくこの業者は同じフレームでロードバイクを販売しているはずで、ブレーキピポットの位置が違う二つのフレームを用意するとコストがかかるので、同じフレームを使い、値段を下げてる為に、相応の安価なブレーキを用意したのでしょう。
つまるところ、完全に売る側の「儲け」の問題であって、ユーザーの事は考えていません
4、単一のサイズで幅の広い適合身長を謳う
実は自分はこれが一番問題だと思っていて、このブログではしつこい程書いていますが、「サイズとポジションの適合は、高いホイールより重要で効果が高い」なんです。
確かにシートの高さを変えれば乗れるでしょうけど、身長155㎝から185㎝まで適合したサイズの自転車は、この世に存在しないと自分は言い切ります。
つまり、この自転車は、自分の体に合っていないサイズの自転車の可能性が大きく、性能や快適性以前に、場合によっては関節や筋などを痛める可能性が高く、乗りずらい自転車は楽しくないので、せっかく自転車の世界に扉を開いたビギナーが、嫌な目に遭って自転車から離れて行ってしまう可能性が高いですし、そういう話を何度も聞いています。
さて、これらの事を、これから自転車を始める、もしくはもしくは自転車に詳しい知人がいない、また自転車店に行かないで通販で賄っているサイクリスタの皆さんが、何かある前に知りうる事が可能でしょうか?
自分の自転車生活を振り返ると、まさしくその状態から始まって、色々と「ひどい事」に成ったり「高い授業料」を払って一つ一つ習得しましたが、自分が優秀とか物覚えが良いとかではなく、単に好きで「あきらめが悪い」オヤジだっただけでした。
付け加えると行き詰ったときに、「その道のプロ」であるショップの門を叩き、自転車をオーダーして授業料を払って色々教えてもらった事と、イベントなどを通じて自転車関係の人間関係を作れたことが大切な財産に成っています。
まあ、個人的には、例えば「ルック車」と称する見た目だけの低品質の自転車等に万単位のお金を払うなら、たとえ古くとも適切な部品で構成された自転車を、それなりのスキルと「自転車を楽しんでほしい」という熱い思いのある人に整備してもらって乗った方が、金額以上の遥かに豊かな「楽しい自転車生活」が手に入ると思います。
まあ、通販であっても重ねて言いますが、信頼できる販売店の通販であれば問題はありませんが、その「信用の有無」は判りにくいです。
だから、出会いは本当に大切なんですよね!

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