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シートポストの抜けないピナレロFP3の、長い道のり! [自転車本体]

歳をとると気が長くなると言いますが、ある意味それは的を得ているとも言えます。
自分なんかは自他ともに認める「短気」というか、何事も手っ取り早く白黒つけなくては気が済まない人間ですが、流石に半世紀以上生きていると、それなりに長い目でモノを見られるようになったようです。

で、タイトルの「ピナレロPF3」ですが、もう10年以上前の古いモデルですが、自分たちはこの頃のピナレロのバイクの方がなんとなく「華」あったように感じていて、実際中古市場やオークションなども結構同年代の同レベルのバイクに比較すると高めに取引されている人気のバイクです。

実は話は1年半以上前にさかのぼりますが、職場の自転車仲間から「誰か買い取ってくれませんか?」という相談を受けました。
その方は、自分より少し若い方ですが、プロのロードレースチームを抱える同好会に入り、本格的にロードレースを始めていたので、もっとレーシーなバイクが必要となっていたところでした。
しかもそのチームの方から別のバイクを譲っても良いという話も進んでいて、今すぐに軍資金が必要だということで、自分が「soranekoニコニコ買取システム」(笑)で、引き取ることにしましたが、これがこれから巻き起こるいくつもの厄介事の始まりに過ぎませんでした。
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FP3そのものは、ややくたびれていたのは事実でしたが、アルテグラSL6650シリーズのフルコンポで、MOSTのカーボンクランクや、カーボン一体の翼断面のハンドル、2世代前とは言え、レッドスポークのフルクラムレーシングゼロと、パーツだけでも個別に需要はあるはずと踏んでいました。

まずフルクラムレーシングゼロです
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これは同じレーシングゼロを使っている同僚と、交換して使おうと、オーバーホールをしたり、ハブを新しいシマノタイプのものに変えたりと、結構手間が掛かったのですが、これを装着した同僚は、あまりに極太のスポークの影響での横剛性に、持病の腰が悲鳴を上げて、これはとても使えないと「返品」ということになってしまいました。
実はこの影響で、一度自分も交換したレーシングゼロを使ってかなり印象が良かったのですが、結局それを返却する羽目になり、かといってレットスポークは自分の趣味ではないと、Wiggleで衝動的に別のレーシングゼロを買う羽目になったのでが、それが今使っているレーシングゼロの購入理由でした。

このレットスポークは別の同僚に貸出して活躍していますが、実は最大の問題は、このFP3は、シートポストが固着して動かないということでした。
まあ、これがネックでヤフオクや買取に出せなかったので自分のところに来た・・・というのが真相なのですが(笑)、実は自分としては結構簡単に外れるだろうとタカをくくっていたのです。
で、使えないシートポストや、シートポストクランプ、このバイクに合うホイールにと、カンパニョーロZONDAなどを用意していて、シートポストを抜く作業に入りましたが、これが全く抜けない抜けない!。

一応こういう物の作業知識はある方なので、高浸透性潤滑剤や、急速冷凍スプレー(ポストを収縮させる)などを使って、ハンマーで叩いたりしたのですが、回転方向には少しは動くのですが、垂直方向には1ミリたりともピタとも動きません。
半日かけてゴムハンマーで叩いたりと、そのうち手の方がいたくなってしまいながらいろいろ試しましたが、本当に全く動かないという有様でした。
最大のネックはフレームがカーボンだということで、これがクロモリやアルミならシートポスト周りを少しづつ温めながら叩いていくと、抜ける可能性も有るのですが、カーボンの場合はそういった無理が効きません。

これと同じ症状になった同僚のバイクの場合は、まずシートポストをフレームから30mm程度のところで切り飛ばして、パイプの内径の2箇所にヤスリなどで少しずつ切れ目を入れていき、最後万力でパイプを絞ってなんとか外したそうですが、ベテランのショップの店員さんが、ほかの作業そっちのけで3日かかったそうで、工賃として当たり前ですが、結構な値段を請求されたそうです。

自分としてはそんな大変な作業を顔見知りのショップの方に頼むには忍びなく、かといって自分でそんなことをやるのも真っ平御免と(苦笑)、完全にデットエンドになってしまいました。
そこで、偶然安く手に入れることができた、FELT F5のフレームに、FP3のコンポーネントと、購入しておいたZONDAを使うことにしてしまい、ある意味FP3は完全に「封印」ということに成ってしまいました。

さてそれから半年経ち、本人的にはすっかり忘れていた(苦笑)FP3ですが、ある日何気なくネットで色々と自転車のことを検索していて、そういえばと軽い気持ちで「抜けないシートポスト」で検索を入れて、いくつかのHPを見ていたところ、一つのブログに記事に目が釘付けになり「これだー!!」と叫んでしまいました。
そのブログん記事は、「抜けないシートポストをスライドハンマーを使って抜いたというものです。
スライドハンマー?と聞いて普通の人はピンと来ないでしょうが現物はこれです。
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長い金属の丸棒に、鉄の錘がスライドして左右するようになっていて、一方の端を鍵上のアームで噛み込んだり、ボルトで固定して、お守りを反対側のストッパーに打ち付ける反動で、ブレーキのドラムや、圧入したベラリングを抜くときに使うものです。
小さいものは凹んだボディの外販に溶接して、凹んだ部分を引っ張り出すのにも使います。
自分も仕事で何度か使ったことがあり、錆び付いたブレーキドラムや足回りの圧入部品を外すのには欠かせない工具であり、なんでこれが思い浮かばなかったのかと、我ながら頭の回転が鈍いのに苦笑いしました。

方法が分かればしシメタもので、思い立ったが吉日だとばかり、スライドハンマーを、業務用通販の「モノタロウ」で、一番安そうなものを選んで注文して、本日作業を実行しました。
本来なら自転車をしっかり固定したほうが良いのですが、自宅でそんなものは見当たらなかったので、自室の出口にフレームを引っ掛けて、当たる部分にはボロ毛布を巻いて破損防止をしてました。
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この状態でスライドハンマーの鍵手をシートポストの櫓の部分にかけて、外れないように番線でぐるぐる巻きにして、家中に響くよな「ガンガンガン!という」大音響を出して、作業を始めました。
最初の頃はピクリとも動かなかったのですが、何度か強くハンマーを動かしたところ、徐々にシートポーストが伸び始めて、ようやく抜くことができました!
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この瞬間、1年半振りになにか胸につかえていたものを飲み込んだような、すっきりとした気分になりました。

幸いフレームには異常がなく、なんとか使えそうだということで、洗剤で洗浄してから液体WAXで仕上げたところ、まあそれなりに見えるようにはなりました。
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さて組み付けるに当たり、シートポスト、シートポストクランプ、5700シリーズのコンポーネント一式、ステム、ハンドル等は既に用意してあり、クランクはついているので、ホイールセット、サドル、バーテープ、チェーン、ワイヤー類を揃えれば、新しい仲間を迎えることができそうです。
フレームサイズはトップチューブがホリゾンタル換算で500mmと、身長165~170cm位の方が乗るのにちょうど良いサイズで、エントリーロードとしては、年式が古くとももったいない感じで、ZONDA以上のスペックのホイールを組み合わせれば、十分レースイベントでも楽しめるバイクになりそうです。

レンタルバイクとして在庫が出払っていたので、小さいサイズのバイクを一台組もうと、別のフレームを探していても、どうしてもFP3のことが頭から離れず、購入や入札をためらっていた1年半でしたが、これですっきりして新年には新しいバイクを用意することができて、内心肩の荷が降りた感じです。
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